軍用大型ヘリ内では、ジンが銃器の準備に取り掛かっていた。東都タワーに弾丸の雨を降らせて、破壊しようとしている。公安の人間を消すためなんだろうが、方法が派手すぎる。
「準備できやしたぜ。兄貴…」
「………待て、アイリッシュから電話だな。」
『ノックリストの回収完了したぜ。ジン…』
「そうか。今はどこにいる?」
『東都タワー入り口前にいる。サツなら気絶させた。大型軍用ヘリが見えたからな…避難させてもらったぜ。』
ジンはウォッカに任務完了と言って、電話を続ける。アイリッシュは隠れ家で合流するのだが、問題はジンの行動である。
『まさか、銃器の雨を降らすようなことはしないだろうな?』
「組織の痕跡を消すためだ。」
『ジン、その行動はやめろ!逆に、組織の存在が公になるだろうが!?』
アイリッシュからの忠告に、ウォッカにも聞こえていたようで、最悪の展開を予想した。
(ラムを怒らせたら、ジンの兄貴は始末されかねない…No.3であるブルーブラックを怒らせても…始末される危険が…)
ウォッカはジンが粛清される可能性を考えて、ジンを説得する。
「ジンの兄貴。アイリッシュが言っていることも、一理ありますぜ。ここは…撤退した方が…」
ジンはウォッカの説得に、キールは黙ってジンが決断するのを待っている。
(私はノックと疑われているから、ジンに従うしかないわね。)
「…………………仕方ない。ノックリストの回収任務は終えている。撤退するぞ…」
東都タワーから離れた大型軍用ヘリは、夜の闇に消えた。撤退したヘリを見届けたコナンと小五郎。
「助かった…眼鏡の坊主。お前の保護者は?」
「博士ならそろそろかな。小五郎のおじさんは?」
「俺は酒屋に行ってからだ。またな…」
コナンは東都タワーから出ると、迎えに来ていた博士の車に乗り込んだ。灰原も乗っていたようで、無言にコナンを睨んでいる。
「工藤君……」
「………………悪かった。」
「博士から聞いたわよ。ノックリストを手に入れようとしたんですって!?やっぱり、無茶してるじゃない!」
「…………う、灰原。」
「言っても聞かないし……どうしようかしら?」
流石の灰原も、怒りで呆れてしまっている。許しては、もらえないようだ。
「……………はぁ。工藤君は無茶ばっかり…今度、買い物に付き合って。それで許すわ。」
「悪かった。」(今回は疲れた。ジンの行動は異常すぎる。ノックリスト回収するだけなのに、大型軍用ヘリを使うとか。組織の存在が公になるところだった。既にノックいるから遅いけど…)
東都タワーの入り口前で、缶コーヒーを飲んでいる小五郎。携帯を取り出して、とある人物にメールを送る。
《やっぱり、あの目暮警部はニセモノだ。例の組織から送り込まれたみたいですよ。》
《今回は御苦労だったな…毛利。降谷は監視がいたから、行動ができなかったようだが…》
《それと、例の眼鏡の坊主が…東都タワーにいたが、やっぱり…あの探偵坊主?》
《私は何度も殺人現場出会って、推理を聞いたことがあるが、先ず間違いないだろう。工藤新一には会ったことないがな。》
《降谷から聞いたが、例の組織が宮野志保を探しているらしい。》
《此方からは、まだ動けん。すこし、時間が必要だ。》
《……それでは、今日はもう休みます。黒田管理官殿。》
小五郎はメールを終えると帰っていった。
数日後。コナンは喫茶ポアロのカウンター席で、昼食を食べていた。安室からサービスのアイスコーヒーを出されて「あの子から聞いたよ?無茶したそうだね。コナン?」と言われた。
「結局…手に入らなかったけど。」
「僕は監視されていたから、動けなかった。まだ、疑われていたらしい。コナン君が無事でよかったよ。」
コナンは苦笑して、アイスコーヒーを飲む。すると、愛梨が入ってくるとカウンター席に座り、安室にバタートーストと野菜ジュースを注文した。
「コナン君。久し振りだね!」
「愛梨姉ちゃんもね。」
「工藤君からは、何か連絡あった?」
「何もないよ。忙しいみたい…」
コナンは昼食を食べ終えると、安室に支払いをする。出ていく際に愛梨が「工藤君が帰ってきたら、この手紙渡しておいて…」とコナンに封筒を渡した。
「わかった。またね!」
喫茶ポアロを出ていった。