真っ暗闇の廃工場に逃げ込んだ男性は、誰かに追われていたようだ。この男性は、組織の末端構成員であるが、組織の端末情報を盗み出した罪で、近々消される予定の人物。
自分が消されると感じた男性は、追っ手から逃げていたのである。
「この情報を外部に出せば、奴等の組織は終わりだ。」
暫く廃工場内で息を潜めてから、移動しようと考えている男性。すると、廃工場内で少女が膝を抱えて、震えているのを発見した。微かだが、泣き声も聞こえている。
「君は…どうしてこんな場所に?」
「ヒグ、ヒグ…」
「どうして泣いてるんだ?」
男性は少女に近づくと急に、腕を掴まれてしまった。
「捕まえた…お兄さんは、裏切り者だよね?」
笑みを浮かべた少女に、男性は嫌な予感がしたが既に遅い。意識がなくなり、その場に倒れてしまった男性は、眠っているようだ。
少女は持っている小型麻酔銃を懐にしまうと、無線機を取り出して、少女から少年の声が…
「ベルモット。ターゲットを無力化にしたぜ。引き取りに来てくれ。」
「御苦労様。直ぐに行くわ…」
ベルモット率いる端末構成員が到着すると、眠らされている男性を車に運ぶ。
「クールガイ。任務成功ね…」
クールガイと呼ばれた少女は、笑みを浮かべながら少女の顔を引っ張ると、少年の顔が現れた。変装をしていたようだ。携帯を取り出して、電話を掛ける。
「………ラム。言われた通り、組織の裏切り者を確保したぜ。評価は?」
『御苦労様でした。工藤新一君…あの方から君に、コードネームが与えられました。』
「やっとだな。どんなコードネーム?」
『新一君のコードネームは、ブルーブラックに決まりました。』
「カルテル名に、そんな名前のカルテル無いよな?」
『新一君の瞳の色は、綺麗な青色をしている。それを黒に染めた意味を込めて、ブルーブラックになりました。』
新一は「ボスが決めたんなら、文句はねえよ。犯罪組織だけど、俺の居場所を作ってくれた恩はある。裏切らないことを約束する。」と無線越しでラムにいった。
『その言葉は嬉しいですよ…新一君。これからも、組織のために働いてもらいますよ。』
「例の約束を続ける限り、俺は組織を裏切らない。」
新一は無線を切った。
新一が組織に入って4年が過ぎ。ラムによる準備期間もとい課題が全て終了した。今現在の実力ならば、簡単な暗殺任務も可能だが、希望により殺し任務は、与えなれていない
技術面では、ベルモット直々に演技指導と声色変換を学んだ。変装はできないが、ある程度の人物の声色は出すことができる。成長段階中のため、指導は継続している。
新一はコードネームを与えられ、組織内の一部の幹部にのみ公表されたことで、新一は幹部入りを果たした。この事実を知っているのは、ボス、ラム、ベルモット、ピンガと、一部の末端構成員のみである。勿論だが、組織内の関係者以外と、組織外に流したものは、粛清対象となる。
新一の存在は極秘扱いとなっている。
セーフティハウスである高層ビルの最上階の部屋にいる新一は、ラムからの指令で探偵になるよう言われた。警察関係者との繋がりを作るためである。
(探偵は目立ってはならない。だが、警察内部なら目立っても、問題ない。捜査の邪魔をせずに推理を聞いて、もらう程度なら邪魔にはならないハズ。賭けだけどな…)
探偵になるための計画を考えると、時計を見て時間を確認する。午前2時を過ぎていた。
(そろそろ、寝ないと学校に遅れちまう。)
新一は部屋の電気を消して、眠ったのだった。
ビルから出た新一は、一旦元の家に戻ると登校準備を進める。準備ができると通っている中学……江古田中学に向かうのだった。