昼休憩中。新一は屋上にいたようで、ベルモットからメールが送られていた。内容は《コードネームを与えられたのだから、本格的に活動してもらうわよ。》任務に関するメールだ。
新一に与えられたメールは、組織が標的にしているノック疑惑のある末端構成員の男性である。ターゲットがノックならば確保して、引き渡す任務を与えられた。
(ノック疑惑の末端構成員。どうやって暴けば…)
計画を考えるのだが、初任務なので慎重にしないといけない。ノックでなければ問題ない。
(発信器と盗聴器は必須だな。組織に申請しておくか。必要な道具は…)
学校が終わり、迎えの車が来るまでは何かで時間を潰そうかと考えている。すると、少し早いが迎えの車が来た。
「谷在さん…早かったですね。」
「新一君が申請していたアレ、通ったよ。」
「意外と早いですね。」
新一は発信器、盗聴器、アタッシュケース、未使用のUSBメモリーの4つを任務に必要なので、組織に申請していたようだ。明日の夜には届くようだ。
(これで計画が実行できる。後は…)
その日の夜。計画の準備を進めるために、新一直属の末端構成員の数人にメールで指令を出している。
《ターゲットの監視を命ずるが、武器を向けてきたら殺さずに無力化しろ。武器には麻酔銃を携帯するように。》
メールを送り終えると、学校から出された宿題を数十分で終わらせる。
(ターゲットとの取引日は、10日後。ノックじゃないのなら…問題ないが。)
翌朝。ラムからメールで《君に部下ができる。既にコードネーム持ちだと。》の内容が送られてきた。新一は意味が全くわからないので、直接ラムに電話を掛けた。
『ブルーブラック。おはようございます…どうしましたか?』
「朝届いたあのメールは、何なんだよ。俺に部下って…」
『そのままの意味ですよ。基本、組織の任務遂行する際と行動の時は、2人~3人組組が基本ですので…』
「それ、聞いたことないんだが…」
『実行部隊の幹部組であるジンとウォッカ、狙撃主であるキャンディーとコルン、裏方組であるベルモットとバーボンがそれです。』
「キールはどうなんだ?ベルモットがよく話してたけどよ。」
『あれは、一匹狼に近いですので…』
(よく、統制が取れてるよな。)
組織のメンバー構成に感心する新一は、ラムが話していた部下に関することを聞いた。
『ブルーブラックと同い年に近い、コードネーム持ちが誕生したので、部下としてどうかと。』
「俺が組織に入る際、ベルモットから聞いた話では、ボスとNo.2の側近であるピンガとキュラソー以外のコードネーム持ちは、同等扱いだと聞いているけど。実行部隊のリーダーであるジンは別として。」
『はい。ですので、ブルーブラックに与えられている任務が無事に成功したら、組織のNo.3の地位を与えようかと考えています。』
ラムからの衝撃的な発言に、新一は黙ってしまった。
「ラム。俺は中学生のガキだぜ?何で、No.3の地位がいるんだよ?』
『私はNo.2として、忙しい身でしてね。ベルモットがあの方に提案したそうです。大層賛成されましたよ。私も含めて…』
「まさか…良い性格してんな…ラム!」
新一は気づいたようだ。No.3の地位を与える理由に。
『今の暴言は、中学生によくある反抗期として…水に流します。次はありませんよ…工藤新一君?』
電話越しではあるが、新一は冷たい殺気を感じ取ったのか、冷や汗を流した。
『君に、No.3の地位を与える理由は…首輪ですよ。君に殺しの任務を与えず、ある程度の自由を与え、昏睡状態である工藤夫妻の費用を肩代わりします。ですが、組織の裏切りと不利益が発生した場合は、制裁として…工藤新一君の身近な人達を消します。』
新一は電話を終えると、担任教師である山崎に『体調が悪いので、休みます』と、連絡したのだった。