ラムから指定されている場所に行くように指示を出された新一は、米花町の外れにあるビルの住宅街に来ていた。
今は昼間のため、人通りが多い。夜になると人が全く通らなくなる。事件が多発しそうな場所である。防犯カメラも多い。
(簡単な変装だけど、大丈夫かな。)
新一の服装は、伊達眼鏡、カッターシャツ、学生ズボン、白のキャップ帽姿である。不自然な行動をしなければ、余り怪しまれない。
(この近くにいると…あれか?)
手前のビルの入り口に、黒の短髪の女性立ってるが、ラム直属の末端構成員である。
(あの女性は、ラム直属だよな。)
「待ってたわよ。新一君…話は聞いてるから。」
「僕は…「普段の話し方でいいわ。堅苦しいのは苦手なのよ。」では、改めて…名前は?何て呼べばいいんだ?」
新一が普段の話し方に戻したので「私のことは、市原と呼んで。勿論、偽名だけれど。」と偽名を名乗った。
市原と名乗った女性は、男物の服を着ていて、深めの帽子を被っている。よく見なければ、男性と勘違いしそうだ。
「この場所から離れたマンションにいるから、移動するわよ。」
マンションに裏手の駐車場に車を停車しているらしく、市原に案内される。
「工藤君はどうして組織に?」
「市原さんに関係あるのかよ。俺は自分の秘密を言う気はないぜ。」
「まあ…そうでしょうね。」
新一が秘密を話さないとわかっていながら、聞いている市原に、組織特有の気配と殺気を放って睨み付けている。
「余り、無駄口は…叩くなよ。」
「……わかったわ。流石に、悪ふざけが過ぎたわ。」
車に到着すると乗り込んで目的地に向かう。市原の話では、新一の部下になる構成員は同い年の少女らしい。
「新一と同様に、コードネーム持ちよ。」
「ラムから言われたよ。そいつは、何が得意なんだよ?」
「その人物の演技ができるわよ。残念ながら、声色は使えないけど。雰囲気やその人物の性格を模倣できるわ。」
「……ベルモットの変装と組み合わせれば、最強だな。」
新一はその少女に会ってみたい気持ちが高まったが、その少女は暗殺専門の構成員。しかも、身体能力が人以上あるらしいが、腕力が人並み。
「スピード特化型の暗殺者でいいのか?」
「そうよ。日常生活では人並みなのよね。最低でも、銃弾は避けれるわね。」
「………本当に人間?」
「人間よ。コードネームはレッドアイ……マンションに到着したわよ。」
到着した場所は、杯戸町のマンションが多く建ち並ぶ住宅街だ。車から降りる市原と新一は、レッドアイのコードネームを持つ少女の住むマンションに向かうのだった。
少女の住むマンションの部屋に到着する市原と新一は、インターフォンを鳴らした。
「はい。」
「市原よ。例の彼を連れてきたわ。」
扉が開くと赤髪の少女が出てくると市原と新一を招いた。部屋に入ると暗殺用の武器が並べられていた。
「これ全て…まさか!」
「この子の自作よ。物凄く手が器用なのよ。」
「それは凄いな。俺はコードネーム…ブルーブラックだ。本名は工藤新一…一応、組織からNo.3の地位にさせられている。」
「させられている?…」
新一の意味不明な自己紹介に、少女は首を傾げている。
「………まあ。よろしく……」
「私は赤石愛梨です。よろしく…工藤君。コードネームは、レッドアイです。」
「愛梨ちゃん。ラムから聞いてると思うけど、新一君の配下になってね。」
「それは構いませんが…工藤君の主な役割は?」
新一の役割はノック、裏切り容疑が掛かっている構成員を調べて、組織に報告すること。
敵組織の情報収集と計画を立てて、幹部構成員に指令を出す役割である。
「結構大変ですね。大丈夫なんですか?」
「普段は末端構成員にやらせるけど、ノックが紛れ込みやすいからな。俺のことを知ってる末端構成員は、少人数だし。」
「そうですか。工藤君…今日からよろしくお願いします。」
「頼り無いかもしれないけど、こちらこそ…」
「顔合わせは終わったから、これからどうする?」
「私と愛梨ちゃんは任務なし。」
「俺も任務ないな。あっても、報告書だけだ。」
時間は昼なので、市原が「適当に食べに行く?支払は私が持つわよ。」と、言ったので、食べに行くのだった。