ベルモットはコナンのメールに笑みを浮かべると、船内スタッフに扮して、行動を開始する。
(さて、ルシアンの取引相手に成り済まし…始末するのが、命令だったわね。)
ルシアンを探すベルモットは、船の制御装置がある場所を通り掛かった。
(………やめておきましょう。クールガイが巻き込まれかねないわね。)
コナンは一旦、灰原の様子を見るため、部屋に向かった。
「どうしたの?工藤君…」
「……よかった。」
「何かあったの?」
「……船内にベルモットがいた。」
灰原はコナンの言葉に、表情が険しくなると、コナンが落ち着かせる。
「大丈夫だ。俺が守ってやっから…心配するな。」
「ダメよ。私がいなくなれば…」
「俺はお前と同じ境遇だろ!それだったら、俺も一緒に逃げるぞ!」
「工藤君……」
「今は俺がいてやる。だから、俺の前から消えるな!」
「ありがとう……」
「………悪い、手洗い行ってくる。」
「工藤君!最低よ!」
コナンは謝ると、手洗いに行き扉の鍵を閉め、ベルモットにメールを送る。
《計画変更、ターゲットを船内で殺るのは不味い。モータボードを使い船から離れろ。バーボンにも、知らせろ。俺のコードネームを伝えたら、従うはずだ。》
(これで、危険は避けたかな。ルシアンの事だ。船内を爆破する可能性がある。それを潰さないとな。安室さんと昴さんには悪いが、別々で行動してもらう。)
コナンからのメールを見て、ベルモットは安室に計画変更を無線で知らせる。
「バーボン、計画変更。船から離れるわよ。」
『何!?急ですね。』
「私の判断じゃないわよ。」
『誰なんですか?』
「ブルーブラックからの命令。何故か知らないけど、この船に乗ってるみたいね。私達は監視されてるわ。」
『………わかりました。モータボード付近まで移動します。』
「私はルシアンの近くにいるから、モータボードの近くで、待機しなさい。」
『了解。』
ベルモットは取引相手の男性に変装して、ルシアンに声をかける。
「あんたが…取引相手か?」
「はい。持ってきていますか?此方は、2億の小切手が2枚です。」
「あるぜ。300グラム分な。これに多額の金額とはな。」
ルシアンが笑っていると、ベルモットは視線を合わせず…
「それだけ、貴重です。場所を変えましょう。人がいます。」
「……そうだな。」
ベルモットはルシアンを安室がいる場所まで誘導する。
灰原と部屋にいるコナンは、ベルモットの連絡を待っていた。
(ベルモットはルシアンを誘導出来たらいいけど…)
「工藤君…」
「なんだよ…灰原。」
「工藤君は元の体に…」
「今はそんな気はない。組織が壊滅したら考えるけどな。」
「でも、工藤君の親達は…」
「今はいないよ。遠くにいってるから…誤解するなよ?生きてるからな。」
「ならいいわ。」
コナンはテレビを見ていると、携帯が振動した。それに反応すると、灰原がテレビに集中している隙に、メールを確認する。
《任務達成。ノックリストを処分したわ。ルシアンは眠らせてるから、終わったら連絡するわ。》
携帯を懐に戻すと、外の空気を吸うため、部屋から出る。
(任務達成…か。先は長いな…)
携帯の電源を切り、部屋に戻った。