調教小説『奉仕の快楽〜命令されて快楽に溺れていく私〜』   作:ハザマヨウ

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第1話

 「おれの横に来るんだ」

 

 ヨウさんの冷たい声が室内に響きました。

 私を見つめるその目には、妖しい光が宿っています。

 拒否することなど出来ようもなく、私はソファに座りました。

 ヨウさんの右の掌が、私の左手をそっと握りました。

 意外にあたたかなその手の感覚に、私の中にある何かが欲望が感覚が起こりました。

 

 「……手。あたたかいですね」

 

 私は視線を合わせることが出来ないまま、その場をつなぐためだけに、素直な感想を口にしました。

 

 「ふうん。それでは、冷やしてもらおうか」

 

 そう言うと、ヨウさんはその手を私の顔の高さまで持ち上げました。

 それが意図するところを感じた私は、両手で掌を包み込みます。

 ひんやりと冷えた私の手なら、ヨウさんの体温を冷ますことがかなうかもしれない。

 そんな想いで、指先をヨウさんの拳に這わせました。

 

「だめだな。そんなのでは、おれの手は冷えないよ」

 

 冷たい声。

 

 こんなにあたたかい掌なのに、声の温度は低いまま。

 

「それなら、どうすれば……?」

 

 私は、様子をうかがうような上目遣いでヨウさんを見上げました。

 既に心臓が高鳴っています。

 

 「指を付け根まで、お前の口でくわえるんだ。一本ずつ」

 

 思わず甘い吐息がもれそうになりました。

 ヨウさんが私に求めた行為は、私の体の芯を深く震わせたのです。

 そして私は抗うことなく、そっと手を取り、ヨウさんの男性を感じさせる節くれだった小指に舌を這わせました。

 きっと、肌に触れるまでに、私の舌先はふるふると震えていたことでしょう。

 たっぷりと唾液を含んだぬるりとした感触が、舌先に感じられます。

 そして頬張りました。

 丁寧に切られた爪先をくわえる。

 私の唇は、小指から薬指、中指へとゆるやかに移ります。

 だんだん自分の息遣いが激しくなっていくのが解りました。

 私は自然と、口内に入れた指に舌を絡ませ、時折優しく噛んでみました。

 夢中でした。

 

 「淫らな顔をしているよ」

 

 指をくわえたまま目を向けると、ヨウさんの邪悪な笑みと正面から向き合うかたちになりました。

 恥ずかしい言葉をかけられると、私の中の欲望が一層刺激されるのを感じてしまいます。

 私は間違いなく、淫らで、はしたない顔をしているはず。

 ヨウさんの指を唾液まみれにしながらも、自分のスカートのなかにそっと手を差し入れました。

 もう我慢ができなかったのです。

 心も体も、とろけるような感覚に溺れていたのです。

 

 「おやおや。自分で自慰をするのか。仕方ない子だ……」

 

 ヨウさんは私の耳もとで囁くと、ソファに寝そべり、左脚を私の前に勢いよく投げ出しました。

 

 「それでは、こちらも奉仕してもらおうか」

 

 促されるままに私は跪きました。

 しかし、手の指と同じく脚の指をくわえようとすると、ソックスが邪魔になります。

 私はソックスを外そうと、その布地に手を伸ばしかけました。

 

「ソックスの上から口でするんだ」

 

 ですが、ヨウさんはそのようなことを言うのです。

 なんて恥ずかしい行為なのでしょう。

 けれど私は、躊躇することなく脚の指にかぶりつきました。

 逆らうことなんて考えられない。

 舌先で、布地をたっぷりと湿らせるように舐め上げていきます。

 脚に鼻を接近させると、私を辱めるヨウさんの身体が発する匂いが解ります。

 仄かに香る、その体臭は私の頭を真っ白にさせるのです。

 私は我慢ができなくて、自らソックスを脱がせてしまいました。

 そうして片手はスカートの中に差し入れて、ショーツの上から敏感な秘部を刺激しています。

 甘美な感覚が身体中を走ります。

 私はヨウさんの左脚を持ち上げ、指といわず、裏も踵も、舐めまわしました。

 舌はやがて、踝、足首、ふくらはぎへと至ります。

 四つん這いの、まるで獣のような姿勢で奉仕する。

 私は激しい疼きと渇きを感じていました。

 その上にある肉棒をくわえたくて仕方ありませんでした。

 お口いっぱいに、熱いたぎりを頬張りたかったのです。

 

「駄目だ」

 

 私がそんな素振りを見せるや否や、途端に厳しい拒絶の言葉が立ちはだかります。

 

 「でも……」

 

 「でも、何?」

 

 「……したいです」

 

 自然と、どこまでも素直な言葉が口をついて出てきます。

 なんという淫らなおねだりなのでしょうか。

 女性の側からしたいなどと。

 けれど、私が欲しがれば欲しがるほどに、ヨウさんはそれを許してくれないのです。

 それどころか、

 

 「お前の大好きな自慰で我慢するんだな。裸になりな」

 

 という冷たい言葉を投げかけてくるのです。

 私は着ていたもの全てを床に捨てました。

 

 「四つん這いだ。お前が大好きな格好だろ?」

 

 私はソファの上で四つん這いになりました。

 犬です。

 淫らな牝犬。

 両肘をついてバランスを取りながら、おずおずと片手を秘部へと持っていきます。

 そこは、すでに濡れそぼっていました。

 いじめられ、虐げられ、嬲られて、感じていたのです。

 私はなんて変態なんだろう、そう言って責める声が聞こえました。

 

 「いやらしいポーズだね。しかもそれでこんなに感じてる……。お前はこうされるのが嫌いじゃないんだろ?」

 

 「嫌いじゃない……です」

 

 とろとろと甘美な刺激に酔いしれながら、言葉をつむぎました。

 

 「もっと素直に表現しなさい」

 

 「……好きです」

 

 官能の昂ぶりが我慢しきれないほどの熱に変換されます。

 ヨウさんの熱い視線が、大事なところに注がれているのが感じられました。

 すると余計に、そこは熱く濡れるのです。

 指の動きが止まりません。

 知らず知らずのうちに、尻を振っているようです。

 なんてはしたない……。

 私の身体は切ない悦びに震えるのでした。

 

 

 

(了)

 

 

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