モンスターだらけのARKを生き延びろ   作:あるこばれの

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 今回は短めです。


Version4.4:方尖

 何てことだ!俺はこの期に及んでこんな重大な見逃しをしていたなんて!

 

 

 

 俺は住居が完成した安息感も忘れてしまうほどの大きな発見をしてしまったのだった。ふと空を見上げた時だった。ここから遥か遠く、緑色の光を放つ方尖塔を見つけたのだ。俺は自分の鈍さ加減にほとほと呆れてしまった。確かに、俺はこの島に来てからおちおちと遠景に目を向ける余裕も暇も無かったが、あれ程の大きな物体ならもう少し早くに見つけろよと自分に対して突っ込みを入れたくなる。目先の物事に集中し過ぎるのも考え物だ。今後、こういったことが俺に不利益を齎すかもしれない。そう考えると、これからは視野をもっと広く持たなければならないな。俺は自身の危うさに対し反省した。

 

 

 それにしても、本当にこの島は何度俺の常識を破壊すれば気が済むんだ。方尖塔とは、古代エジプト新王国時代において太陽神への信仰の象徴として建立されていた石柱状のモニュメントの事で、オベリスクとも呼ばれている。この島にあるオベリスクと歴史上の物との違いは一見しただけでもいくつか挙げられる。まず、あれは恐らく構造物全体が金属で作られているという事だ。古代エジプトの物は完全に石製であるし、近代以降に欧米で作られた物も内部構造に鉄筋等が用いられていたとしても、外壁に至るまで全てが金属製ではない。だが、これはさほど重要な事項ではない。真に恐るべきはそんな小さなことでは無い。なぜならば、あの塔の存在はあり得ないのだ。物理的に。そう、あの方尖塔、オベリスクは宙に浮いているのだ。見るからに全体が金属の塊の構造物、それも高層ビルに匹敵するような大きさの物が何の支えもなく本当に浮いており、さらには動く様子も無く一ヶ所に安定して留まれているのだ。俺は技術については疎い方だと自覚しているが、これだけは言える。明らかにあの構造物は現代の技術水準を超越した何かで作られている。マジモンのオーバーテクノロジーだ。建物を宙に浮かせる技術など開発されれば、それこそ大ニュースだ。しかし、それが世間に周知されていないという事はやはりあれに使われた技術や、この未知での生物で溢れ返るこの島も厳重に秘匿された物であると考えられる。本当に考えれば考える程この島の存在はきな臭くなる。あのオベリスク、よく見れば上部に腕のインプラントと同じ形状のひし形のオブジェがあしらわれている。両者の間に関連性が無いという事はまずあり得ないだろう。俺の行動を記録していたり、同じデザインが象徴的な建物に使われていたりする当たり、やはりこのインプラントは囚人服の様な物なのだろうか?だが、それにしては不可解な点も多くある。本当にそうなら、時計や生物の記録といった便利機能、果てはエングラムの様な超技術を実験用のモルモットの様な奴にそう易々と使わせるか?現状これらの機能は俺にとってプラスにしかなっていない。知れば知る程、俺をこの島に連れ込んだ連中の意図は分からなくなる。さらには、死んだはずの人間が、いやこれについては考えるのは止めておこう。深く考えると自分がどうにかなってしまいそうだ。それに、オベリスクの頂上から出ているあの天まで伸びる光の柱も不気味だ。見た目だけで判断するのは本来よろしくないだろうが、創作物などでありがちの展開を想像したら、あれに近付くと撃ち抜かれるみたいな事がありそうで怖い。加えて、建物があるという事は、その周辺にこの島を管理する人間がいるかも知れないという事だ。仮にそんな奴らがいたとしたなら、確実にそいつらはこちらに友好的ではないだろう。事実関係は俺自身で確認するまでは断定できないが、何も検証のためだけに自分からリスクに近付く必要は無い。取り敢えずは、あの建造物の方角に行くのは避ける形で活動しよう。オーバーテクノロジーによる産物を発見したとて、俺の目標は変わらないからな。

 

 

 

 まったく、事実は小説より奇なりとはよく言ったものだ。この島がどこかの国の秘密裏な実験施設なのか、将又本当に宇宙人にでも拉致されたのか、真実は闇の中だが、これ以上考え事をしても仕方がない。俺は日常を取り戻すために、今出来る事を全力でやるだけだ。

 

 




 今回裕太君はついにオベリスクを発見してしまいました。彼は自分は何者かに連れてこられてアイランドにいると現段階では推理していますが、真実は一体…?また、彼は現状オベリスクに赴くのには消極的ですが、いずれ訪れることがあるのでしょうか?そして、その先に待ち受ける者とは何なのか?!これからの展開にご注目ください!


 さて、今回は短かったですが、如何だったでしょうか?また次回もお楽しみにお待ちください!
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