モンスターだらけのARKを生き延びろ   作:あるこばれの

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 今回は遂にモンハンのモンスターが登場します!裕太君は無事に生き残れるのでしょうか?!それでは本編どうぞ!


Version1.2:飛甲虫たちの饗宴

 俺は飛び起きた。虫の羽音のような音が聞こえたのだ。それもかなりの大音量で。無人島だから多少は覚悟していたが、人が寝ている時に近づいてくるのは勘弁して頂きたい。大方、ハエや蚊なんかが集って来ているんだろうと、この時の俺はまだ楽観的に考えていた。また羽音がした。今は恐らくまだ深夜で辺り真っ暗だが、幸いなことに焚き火の火は健在だ。周りの虫を叩き潰すくらいの視界は確保できているはずだ。そうして、俺は羽音のした方へと振り返る。もう既に取り返しのつかない事態が起こっているとは知らずに。叫び声すら出なかった。俺の身体頭から足先に至るまで須らく硬直してしまっている。音の主の姿は俺がこれまで目にしてきた存在の中で最も嫌悪感を催し、なおかつ恐ろしい物であった。これを見た後にはホラー映画の怪物でさえゆるキャラ同然に見えると言っても過言では無い。そう思えるほど奴の外見は常軌を逸している。

 

 

 そのシルエットは、蜂やアブなどを思い起こさせるものだった。それだけならまだ良い。問題はその大きさだ。奴の体高は目測で凡そ90[cm]はある。大体幼稚園児の身長と同じくらいだ。俺自身はあまり昆虫とかには詳しくないが、流石にこれほどのサイズの種類がいるなんて聞いたことがない。正しく化け物だ。そんな化け物が悠然と空を飛んでいる。それだけでも恐ろしいことこの上ないのに、奴の身体は細部まで人間の恐怖心を刺激する造形をしている。胸部は鮮やかな赤色で、さらには肥大化しており三日月形だ。頭部と一体化しているようにも見え、それはまるで、映画に出てくるエイリアンのような不気味な雰囲気を醸し出している。尻尾は特に大きく、全身の三分の一を占めている。しかも、尻尾には長さ10[cm]、太さは5[cm]はあろう大きな毒針を拵えている。それらに加え、背中に生えた二対のステンドグラスのような美しい模様をした羽が奴の見た目のアンバランスさをより強調している。

 

 

 俺はそんな化け物を目前にして地面に崩れ落ちていた。脚が言う事を聞かない。俺の脚は、「生まれたての小鹿」という表現が生温く思える程に震えている。腕も肩から指先まで脚と同じくらい震えていて地面に手を突くことも、石を拾う事すらも出来ない。顔からは、汗、涙、鼻水、涎、あらゆる汁が噴き出している。表情筋も動かせず、瞬きも、口を閉じる事も出来ない。史上最も無様な面を晒している。こちらが抵抗できないと見ると、様子を窺うようにしてサテライト飛行をしていた奴は、俺に向かってゆっくりと飛び始める。それは、まるで勝利を確信したかの様に悠々としていた。俺は、声にならない嗚咽をしながら、震える身体に鞭を打ちなんとか這いずってその場から動こうとする。だが、それでは当然奴を振り切れるはずもなく、羽音は俺のすぐ後ろまで迫っていた。そして次の瞬間、俺は背中にこれまで経験したことの無いほどの激痛を感じた。背中に何か太く鋭利な物が突き刺された痛み。俺は奴の毒針が刺さったのだと理解した。その刹那、俺は全身に電流を流されたかのような酷い痺れを感じた。意識は鮮明なのに、体を動かすことは一切できない。俺の生殺与奪は奴の掌の上なんだ。俺はこれから訪れるであろう自身の結末に恐怖し、絶望する。走馬灯って本当に流れるものなんだなと感心しながら、俺は自分の生涯を振り返る。俺はごく普通の一般家庭に生まれた。裕福でも貧乏でもなく、暮らしぶりは平均的なものだった。でも、両親や兄弟とは仲が良く、少ないながらも信頼できる親友がいて、趣味のソシャゲにも没頭できていた。何の捻りも無い、普通の人生だった。でも今ではそれが一番幸せだったって思える。最後に家族や親友の顔を一目でも見たかった。父さん、母さん先立つ不孝をどうか許してください。走馬灯が切れた瞬間に俺の眼前に広がっていたのは、俺の身体に群がる奴の群れだった。どうやらあいつは一匹で来た訳ではないらしい。気が付けば、腹部から腿部にかけてを奴らに貪られている。肉を切られる激痛が何度も全身を駆け巡るが、麻痺毒によって動きを封じられた俺はただ見ていることしか出来ない。少し他の奴よりも大きな個体が胸部めがけて毒針を注入してきた。激痛と同時に何か固形物が体内に侵入するような感覚がした。それから間髪入れずに、体内が焼ける様な痛みがした。俺はその痛みに耐えられずに意識を手放した。

 

 

 

 

You were killed by a Bnahabra.

 




 ブナハブラは、虫ではありますが、火に集まる習性があります。MH3~MH4Gにかけて登場したアイテムである「たいまつ」を使うとゲーム中でもその様子を確認できます。当時のROMを持っている方は是非試してみててください!さらに彼らは卵と酸性の液体を他の生物に注入することで、死体の腐敗を促進させつつ卵を孵化させるというリーパーもびっくりな生態を持っています。つまり、裕太君に侵入した固形物は…

 さて、裕太君は死んでしまいましたが、この物語はどうなるのでしょうか?!また次回をお楽しみにお待ちください!
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