モンスターだらけのARKを生き延びろ   作:あるこばれの

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 今回、エクスプローラーノートの内容を話の展開上少しだけ原作から改変しています。あらかじめご了承ください。


Version16.6:次なる目標

 やはり、大型モンスターの戦闘能力には他とは一線を画すものがある。ここは森の中。普通なら、モンスターとの遭遇を恐れてあまり来たくはないのだが、今は事情が違う。先日テイムに成功し、晴れてペットとなったアオアシラを伴っているのだ。今もブルファンゴの群れと接敵していたのだが、一瞬の内に片付いてしまった。強靭な前脚を利用した引っ搔きを二度、三度と放てば厄介な獣も肉塊に変わり果てる。小型モンスターや環境生物もそれを理解しているからか、人間だけで出歩いた時とは違い、こちらへ攻撃してくる事は無くなった。ランポスやジャグラスら肉食動物の群れが相手でもボスがいない状態であれば、手出しはして来ない。こうして変化もあり、俺たちは以前よりも安心して遠出が出来るようになり、また狩りが大幅に効率化したことで肉や皮を大量に入手出来るようにもなった。俺たちは嫌でも島での生活における大型モンスターの重要性を理解させられた。アオアシラは小型モンスターと比較すれば圧倒的な力を持つが、それを以てしてもリオレイアやアンジャナフ、ショウグンギザミなどより強力な生物に対しては戦力としてやや心許ない部分はある。今後はそれらのモンスターを手中に収めるための方法を模索しなければならないだろう。

 

 

 昼下がり、俺はペットたちの餌集めを終えて休憩を取っていた。アオアシラが拠点に来てからというもの、餌の確保が一気に大変な作業に変貌した。以前は小型モンスターと環境生物しかいなかったため、多くの量は必要無かった。アプトノスのラッキーにはそれなりの量が必要に見えるが、実のところ、重量にして俺たち四人分の合計よりも多少多い程度で済んでいた。アプトノスは体格の割には、消費する食物の量は多くない。そのうえ、主食となるベリーや草はその辺に大量に生えているし、次の日になれば何事も無かったかのように再生しているので、事実供給には困らなかった。しかし、大食いのアオアシラが好物とする魚やハチミツに関しては、供給が追い付かないのが現状だ。そのため、餌は肉で代用しているが、大量に採れるアプトノスやガーグァでも数匹狩らねばならない。都合良く海岸にいない時は、今朝の様に森の中まで探しに行く事になる。

 

 

 何をするでもなくペットたちの様子を眺めているが、喧嘩をしたり肉食動物が草食動物に襲い掛かったりする様な事も無い。この島の生物はテイムされた途端一気に毒気が抜ける部分がある。みんな大人し過ぎて逆に不気味なくらいだ。秀夫の家で飼ってたネコなんかは、俺が触ろうとする度に手やら顔やらを引っ搔いてきていた。正直、その位やんちゃなのが動物の普通だと思っていたが、この島の生物たちにはどうも当て嵌まらないらしい。それは大型モンスターであるアオアシラでも同様だ。常識的に考えれば、安易に近づこうものなら挽肉にでもされそうだが、全く以てそんな兆候は無い。こちらが出した指示には寸分違わずに従ってくれる。夜中に鳴く事も無ければ、噛み付いてくる事も無い。そこらの飼い犬なんかより余程優秀で、頼りになる。

 

 余りにも人間にとって都合が良過ぎるその様は、彼らが作られた存在であることの証明なのかも知れない。有難いと思う部分もある。しかしその反面、俺たちの知らない時代では生命を創り出す事が一般的になっていると考えると、得体の知れない恐怖感に襲われる。この時代の人々は一体何を思ってこんな島を作ったのだろうか?ただの道楽か、はたまたそうしなければならない程の逼迫した事情があったのか。知りたい様で知りたくない。知りたくない様で知りたい。複雑な気持ちだ。

 

 「裕太、ちょっといいか?こんな物を拾ったんだ。」

 

 物思いに耽っていると、不意に隆翔から声を掛けられた。その手には手帳らしき物が握られている。

 

 「それは?どこで見つけたんだ?」

 

 「探索がてら遠出しててな。ここから北へずっとまっすぐ進んだ所に雪原が広がっているのを見つけたんだ。そこで導蟲が反応したと思ったら、謎の箱と一緒にこれもあった。危うくもう少しで凍え死ぬところだったよ。」

 

 「大丈夫なのか?」

 

 「数分もいなかったからな。それと、秀夫が作ってくれた革の服の質が良かったのもあるかな。」

 

 差し出された手帳を見ると、ヘレナ・ウォーカー氏の名前が書かれているのを確認できた。彼女は以前に発見した物とは別の記録も残していたようだ。何か進展を齎してくれる様な有益な情報が無いかと、期待に胸を躍らせながら開く。

 

 『ハウリングウルフは各地の洞窟を巡りアーティファクトの捜索を行っていたが、アイアンブラザーフットに起こった事を知るなり、中止してしまった。その対応には頷けるが、私が窮地に立たされるのは免れない。私があの巨大な蜘蛛と戦闘になったとしても、間違いなく勝ち目は無い。

 

 アテナが味方に付いてくれたとしても、私は立ち向かう事よりも危険から逃れる事を優先するだろう。なにせ私の銃は狙いの定まらない豆鉄砲で、拳もマシュマロの様に軟弱なのだ。オベリスクが作動して何かが起こった際には、私自身が生き残るための代替手段が不可欠だ。

 

 交渉ノート:糞の話はしてはならない。睨まれても睨み返さない。唐辛子(未加熱)を持参すること。』

 

 ウォーカー博士の研究も一筋縄ではなかったようだ。記録を読む限りでは、オベリスクの起動を行うためのアーティファクトを探すために部族から多くの援助を受けていたと見受けられる。だが、それも大きな危険に直面したことで打ち切られてしまったようだ。また、「巨大な蜘蛛」として言及されている存在は、ネルヴァ氏が戦った赤オベリスクのドラゴンと同様の「守護者」である可能性が高い。いずれ俺たちも一戦交えるかも知れない。ともあれ、ウォーカー博士がオベリスクの起動を各所に働きかけていることから、ネルヴァ氏の記録に出た人物と同一である可能性は更に高まったと言える。

 

 次に気になる点は、「ハウリングウルフ」という集団の名前だ。実はこれと同一の名がヨンキ氏の記録にも登場している。ウォーカー博士の記録では「ティラノサウルス」という文言が登場しているため、彼女が活動していたのはまだこの島の生態系が古代生物で形作られていた時代だ。一方、ヨンキ氏の方はその生態系の壊滅が描かれている。そのため、ヨンキ氏の記録の方が時系列として後である可能性が高い。

 

 ここで、具体的にどれ程の時間の開きがあるのかという疑問が湧く。しかし、現状ではそれについて細かく推察できる判断材料は乏しいが、注視すべきことではあると思う。それを知れれば、この島が何年維持されているのか、ある程度の数字が見えてくる。俺はさらにそこから、島を脱出してからの長期的な身の振り方をある程度予見できるのではないかと考えている。

 

 いくら未来には超技術が存在すると言っても、この島には莫大な維持費が掛かるのは間違い無い。そして、この島が維持された年数が長いほど、運営者の規模も必然的に大きくなる。数年程度であれば、資産を持った個人などが道楽で建造した可能性も考えられる。そうであれば、この島は非合法な施設とも推察できる。その場合、楽観的ではあるが、島から脱出した後に当局などに証拠を持って保護を求めれば、元の時代に帰れなくとも最低限の生活と安全は保証されるかも知れない。だが、数十年単位とかになれば話は別だ。この場合では、運営者は疑いようもなく国家や巨大企業などになる。となれば、仮に脱出できても逆戻りさせられたり、もっと酷い環境へ送られたりする様な最悪の未来だってありうる。皮算用でしかないから現状で考える意味は薄いかも知れないが、いずれ直面しなければならないのもまた事実だ。まだ見ぬ記録等も含めて頭の片隅に置いておいて損は無いだろう。

 

 そして最後になるが、目先最も重要だと考えられるのは、アーティファクトの在り処が洞窟であるという情報だ。全く当てが無かっただけに、今この情報を得られた利点は大きい。記録によると、洞窟は複数存在するものと思われる。それでも一定の目星が付けられるならば、当ても無く島中を彷徨うよりは建設的だ。洞窟の位置についてはオリバーに確認するのが良いだろう。また、探検のための装備を秀夫に作って貰うよう頼まないといけない。それに、遠出をするならばもう少し戦力を増やすのもアリだろう。これからやるべき事が大分明確に見えてきた。先人の記録様々だ。

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 あの後、秀夫とオリバーを交えて改めて今後の動きについて話した。オリバーによると、一か所だけ心当たりのある場所があるそうだ。ただ、その洞窟は入口は狭いため、大型モンスターの中でも比較的小柄な部類に入るアオアシラでも中に入る事は難しいそうだ。さらに、中はかなり暗いうえに毒を持った生物が犇めき合っており、オリバーでも入口までしか見た事が無いらしい。そのため、万全を期して、小型でなおかつ戦闘力も両立した生物をテイムする必要が生じた。その候補となったのは「ガルク」と呼ばれるモンスターだ。ガルクは脚力にとても優れたモンスターだそうで、平面での速度は言わずもがな、起伏の激しい地形でさえも易々と踏破する程の跳躍力を兼ね備えているらしい。それに加えて戦闘能力も高く、大型モンスターとの戦闘から生還できるだけのポテンシャルも秘めているという。

 

 そのガルクが生息しているのは島のほぼ中央に位置する「レッドウッドフォレスト」と呼ばれる巨大な赤杉の木が自生するエリアだ。その地帯は沼地と同等かそれ以上に危険なモンスターの巣窟となっており、アオアシラだけでは戦力不足だそうだ。そのため、この周辺でもう一匹大型モンスターをテイムしてから探索に臨む運びとなった。その対象として名が挙がったのは「ゲリョス」だ。その理由としては、アオアシラと同様に好みが明確で、テイム方法を推察しやすい点が大きい。ゲリョスは光る物を非常に好む生物で、良質な鉱石を発見した際には、周囲に危険があろうと飛び込んでいくという。この性質はちょうど、アオアシラが戦闘そっちのけでハチミツに飛び付く点と、ある意味では非常に似ている。そのため、前回のテイムと同じ方法が適用出来るのではないかというのがオリバーの考えだ。

 

 ゲリョスは鶏冠に水晶を蓄える事が出来る。これを嘴と摺動させることで、光蟲のそれを超える強烈な閃光を発生させられるそうだ。その際に用いる水晶の質が高いほど、閃光の強さも大きくなるという。また、その水晶の輝きはオスが異性へのアピールに使う道具でもあるらしい。そうした理由から、彼らは光り物の捜索に余念が無い。俺たちは今回テイムするに当たってその性質を利用させてもらう。そのためには、まず何よりも水晶の原石が無ければ始まらない。

 

 俺たちは水晶を求めて空路、山岳へと繰り出すのだった。




 小説本編でテイムされたモンスターや環境生物がもしARKに実装されたらという体で能力を妄想するコーナーの第二弾(第一弾はVersion15.13あとがきにて)を行おうと思います!

 今回はにが虫&アプトノスです!(ゲームに合わせるため原作設定や小説と一部異なる点があるのは悪しからず)

にが虫
区分:肩乗せ生物
テイム方法:手渡しテイム
テイム時の餌:腐った肉
能力:一定時間ごとにインベントリ内に「にが虫のエキス」を生成する。これはサバイバーに対してはアンチドーテの代替品となる。また、恐竜に使用すると60秒間炎上ダメージと出血ダメージを無効化する。


アプトノス
区分:騎乗可能生物(要サドル)
テイム方法:ペット&手渡し(アストロデルフィスと同様の方式)
テイム時の餌:ベリー、野菜、キブル
能力:①通常攻撃:頭突き(基礎10)、体当たり(基礎25)
   ②周囲に敵対的な生物が近付くと鳴き声を上げて知らせてくれる。
   ③すべての資源に対して50%の重量軽減を持つ。
   ④肥料と同等の効果を持つ特殊な糞を排泄する。
   ⑤周囲に肉食生物がいる際、鳴き声を響かせることで、自身および周囲の
    草食生物に被ダメ15%カット&移動速度20%アップのバフを付与する。
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