幼なじみと再会したけどその先輩に気に入られた話。 作:あきこま
こんばんわ、あきこまです。
私が書いてる他の作品は割と1話長めでお送りしているのですが、この作品は効率上げるために結構小分けで行こうかなと考えています。
というわけで2話です、よろしくお願いします…スヤァ。
ただいまー! と元気な声が反響する中、お邪魔しまーす! とか、お邪魔しますとか、お邪魔でーす! とか色んな声がする。誰が誰とか解るからそれなりに付き合いはあるんだろうなと思ってしまう。
小町・由比ヶ浜・雪ノ下・一色の順にリビングに姿を現し、まず小町がテーブルを見て固まる。
「これ、本当に比企谷くんが?」
「まぁ……一応」
「あの短時間でお米の準備から鍋の完成まで……これが本当なら先輩相当料理できますよ……」
「凄いねヒッキー!」
3人の反応はそこそこ、だが一名確実に俺だけでやったという事実に納得していない人物がいるのも確か。
リビングに入ってからというのも一言も発していない小町ちゃんはなにかに気付いてそうだ。
ご飯をよそったりと頂く準備が整ったところでようやく小町先生が言葉を発する。
「お兄ちゃんお茶がでてないよ。小町も手伝うから」
「お、おう悪い」
キッチンに追い込まれたところで3人に見えないようにこちらに話し始める。
「で? 誰が協力したの? あの三人はここに来るまでの間携帯すら触ってないし、沙希さんに戸塚さんは予定あるはずだよ?」
「なんで余計に二人分予定把握してるかはさて置き……後でもいいか? すぐに説明できる気がしない」
「おぉ、お兄ちゃんが珍しく隠さないなんて」
「隠したところでいずれバレるし、早い方がいいだろ」
「その開き直り方は小町的にどうかと……まぁいいや! 今日ご飯食べたら雪乃さん家でパジャマパーティー行ってくるね」
「おう」
近江彼方直伝の「女性に嬉しい、リコピン・ビタミンたっぷり鍋」を〆のご飯まで頂いた四人は嵐のように去っていった。と言うか小町が引っ張って行った。
雪ノ下はその場で「意外とやるのね」と挑戦的な笑みを残し、由比ヶ浜は笑顔で「ヒッキー凄いよ! すっごい美味しかった!」としっぽがあったらはち切れんばかりの勢いでブンブン動いてるのがわかる興奮具合。
一色はと言うと。
「先輩のご飯美味しかったです♪ これはもう私も対抗して先輩に夜ご飯をご馳走する機会が必要ですね! 今度我が家の食卓にご招待しますのでその時はよろしくです! あ、勿論先輩方にはナイショですよ?」
先輩方というのは……恐らく雪ノ下と由比ヶ浜のことを指してるんだろうが、なぜ隠す必要が……というかなぜメール。
もう7時近くになってしまっているが女性としてはこんな時間に夜ご飯はまずいのだろうか。平塚先生なんて何時でも食べてそうな気がするけど。
ともかく、突然やってきた恐怖のイベントは去ったので俺はその功労者の二人を労わないとバチが当たると思う。
部屋へ呼びに行こうと、階段をのぼり自分の部屋に入るとそこには異様な光景があった。と言うよりいくら自分の部屋と言えど女性がいるのだからノックくらいするべきだったのだ。
片や俺のベッドでめちゃ寝てる近江彼方先輩。そこ……思春期男子のベッドなんですが……この際それは置いておく、問題はもう一人の方だ。
「何してるんです? そこのシオッティさんや」
「待ってる間に本を借りてたのですが、本棚に戻したあとここに戻る時躓いてしまって……というよりそのシオッティって私の事ですか? 愛さんみたいな呼び方を……」
と言う栞子さんは床という名のクッションに寝そべっており、顔はベッドの下を向いている状態。呼び方云々よりもそこにしか目がいかない状態である。
「……随分と綺麗に転ばれたのですね? シオ子さん」
「今度はかすみさんみたいな……い、いや違うんです! 偶然です! 本当です」
「えー本当にござるかー?」
「と、とにかくわざとじゃ無いです! 本当です!」
慌てた様子で栞子は正座に座り直して反論する。まぁ、正直そこ見られても平気なように対策はしてあるんだが……時代はインターネットだ。
「で、栞子さんや。この人起きてくれないの?」
「私の呼び方に統一性無さすぎでは無いですか? ……彼方さん、一回寝ると中々起きないんですよ」
それがわかってるなら頑張って起こしててくれてもいいじゃないですかね栞子さんやい。と思ったがそこまでにする。
この先輩を起こす為には……。
・一緒の布団に入って何をしてでも起こす。
・甘い一言を囁いて起こす。
・栞子と協力して起こす。
突如脳内に某サバイバルホラーゲームの三部作目みたいに選択肢が出てきた。
……なんか二番目の選択肢強調されてる気がするけど気にせず俺は無難な三番目を選ぶ事にした。
「栞子、少し協力してもらっていいか?」
「はい、彼方さんに早く起きて頂いてラーメン食べに行きましょう!」
意外と君も食べたかったのね? ラーメン。それもそうか、国民食だものね。
二人で肩を叩いたり、体全体を揺さぶってみたり、呼びかけてみたりした。
「スヤピzzZ」
「やはり起きませんね」
俺の気のせいではないなら今のスヤピは起きてるにカウントしていい気がするんだが、栞子からダメ判定が出たので継続する事に。
・一緒の布団に入って何をしてでも起こす。
・甘い一言を囁いて起こせ!
……さっきの二番目めっちゃ強調されてきてない? なんなら命令形になってるし、しかも一番目圧されてるじゃん。
それでも屈しない俺は一番目を選ぶ事にし、この布団に寝てるのは小町と念仏を心の中で唱えながらモゾモゾと布団に入ろうとしたのだが。
「な、何をしているんですか八幡!」
と、呼ぶ声が入った為中断。
「いや、ほら選択肢がね?」
「なんの話しをしているんですか! 女の子の布団に躊躇いなく入ろうだなんて……」
これ……俺の布団なんだよなぁとツッコミそうになるのを全力で抑えて考える。
となると選択肢が一つしかないわけだが……ほんとにやるの?
恥ずかしいなぁ……いい匂いだなぁと思考が色々変な方に占拠されつつある脳内をさておき、未だにスヤピ? してる彼方さんの耳元に顔を寄せる。さっきは何とか念を唱えて作業化できたけどこればっかしはシャンプーの匂いとか女の子独特の良い匂い等色々混ざって八幡的にはメンタルやばいんだけど。
おいそこ、布団に入るのも変わらねぇだろとか言うな、背中合わせで逃げるつもりだったのがバレちゃうでしょ。
顔を近づける直前、ふと栞子の方を見た時は固唾を飲んでこちらをみていた。そういう顔できたのね君。
「あ、あのー近江先輩? 起きてくれませんかね? ご飯行けないんですけど」
「スヤァ」
「起きてくれたら……ひ、膝枕をするんだけどなぁ」
「……ス、スヤァ」
「間がありました! 八幡! あと一押ししてください!」
「もうひと段階上か……」
間がある時点で俺の中では起きてるんじゃないかと思うんだけど違う? 起きてないのん? 既に俺の顔が茹でダコのように真っ赤なのに……。
「今度一日家政婦を(栞子が)やろうかなぁ」
「え」
「スヤァ」
「……ダメか」
「(気の所為ですか? 私がコケにされている気が……)
彼方さん! 家政婦サービスですよ(八幡の)すごく楽できますよ!」
「仕方ないなぁー」
「やっぱり起きてやがったこの人……」
「じゃあ八幡くん、今度よろしくねー」
「え? 俺じゃなくてそれは」
「八幡が言った時は渋ってました(不本意ながら私は家事がダメダメなので)
でも私が言った時は起きました(八幡はそれなりに器用にこなすので)
つまり、八幡ですよね?」
なんだろう、言外に栞子から圧を感じている気がする。
「そういうわけで、今度よろしくねー」
「私には膝枕をお願いしますね」
「おいちょっと待てそれは……」
「違うとは言わせませんよ? 二つ出した提案のうち八幡の案は一つしか通らずですし、私は遠回しに傷物にされましたので」
「いや言い方おい」
「なので、私には膝枕です。あと反省文を提出してもらいます」
「え」
「冗談です」
「……とりあえず飯食いに行かない?」
「……そうですね、また後でにしましょうか」
「おー」
バターン!!
「お兄ちゃん雪乃さんに渡すはずだったお土産何処にあったっけ!! ……ん?」
「こ、小町ちゃん? ドア壊れるでしょ? もう少し静かに開けなさい?」
「久しぶりですね小町!」
「おー噂の妹さんだぁ」
「え、これどういう状況……?」
声が小さいよ急に……。
今回出した料理は、名前全然違いますけどニジガクの料理三人衆チームが作る料理を参考にさせて頂きました。ファンブックにレシピが載ってます。(アニメイトやゲマ等で入手できます。)気になった人はぜひぜひ。
私はちょっと心折れそうになってますがいずれやりたいです。