……あ…頭が痛い…
……体…も…動かない……目は…開けそうだ…
そう考え、全力でまぶたを開ける。
…ここは、どこだ…。さっきまで室内にいたはず…
目を開けると、そこには先ほどまでいたリビングではなく、狭い路地裏のような光景が広がっていた。この現象を理解しようと考えているうちに、頭の痛みが治ってくる。
「…いったん、ここから出ないとな。」
幸いにも、少し歩いたところに灯りがさしており、抜けられそうだ。まだ足取りは重いが、ゆっくりとそこへ歩きだす。
「……マジで、どこだここ?」
抜けた先には、自分の記憶にはない光景が広がっていた。そこそこ都会なのか、高いビルやマンション、デパートなどが見える。今は夕方で、帰宅ラッシュなのだろうか人通りも多い。
「な、なんだぁ?人なのか??」
中でも目を惹くのが、かなり大柄な体にツノの生えた緑色の肌の人?や腕が4本生えてる人?である。そう観察していると、周囲の目が自分に向けられているのに気がついた。
…なんだ?もしかして俺の格好とか…っておい!俺布切れ1枚しか羽織ってねぇ!!なんでぇ!と、とりあえずここから離れよう…。
そうして走っているうちに、ふと近くのビルの窓に反射した自分を目にする。その姿を見て、驚愕し、立ち止まってしまった。
な!?お、俺じゃない!誰だ、これ!
そこには、布切れ一枚を羽織った、モジャモジャ緑髪の両頬にそばかすがついた少年が映っていた。布切れには何か文字が書いてある。
……出久…?「でく」って読むのか?
とその時、何かに腕を掴まれ、目が覚めた時とおなじような路地裏に引き込まれた。かなりの力で引き込まれたのか、勢いよく奥へ飛ばされた。
「痛えっ!何してんだくそ!」
そこには、いかにも半グレのような見た目の男が、小太りな男とガリガリな男と一緒にこちらをニヤニヤしながら見つめていた。
「よぉガキ!今ちょいと彼女に振られてなぁ?ムシャクシャしてんだ、ストレス発散につきあってくれねぇか?」
「マサヤくん!飽きたら俺にもかしてくれど!」
「自分の運を呪うんだな!アハハ!」
まあ、そこからは殴られたり、蹴られたりで散々だった。最初は抵抗したものの、1対3では勝負になるはずもなく、すぐにリンチされた。
「なぁ?こいつで"個性"の試し撃ちしようぜ!誰も見てねぇしよぉ!」
「マサヤくんナイスアイデアだど!」
「いいねぇ!僕からやって良い??」
するとそのガリガリな男の爪がみるみる伸びていき、50センチほどになった。
…な、なんだ!?爪が伸びた??どうなってんだ…。
すると、その男はニヤニヤしながら、勢いをつけてこちらに振りかざし、腹に突き刺さった。
「いっ!!…ガハッ…」
「次は俺の番だ!!オラァ!!」
次に受けたのは、半グレの男の肥大化した腕によるパンチ。それを先ほど刺された腹の傷のところに直撃した。そこからは殴る刺すの応酬で、意識がどこかへ飛びそうだった。
…なんで…なんでだ…俺が何をした?何をしたんだぁ!!理不尽だろ…こんなの…
ふと、この前みたアメコミのドラマが思い浮かぶ。とても足が速いヒーローだった…。まるで赤い雷のような…
…どうせ死ぬなら、やられっぱなしで終わりたくないっ!!一発殴らせろぉ!!
そう思い、立ち上がって一歩足を踏み出す。
ダンッッッ!!!!
バゴォォォ!!!
一瞬だった。とてつもないスピードの拳が半グレ男の顔面を捉え、壁にめり込むほどのパンチを決めた。
…嘘…だろ…。こんなに速く…まるであのヒーローのような…
「マサヤくん!!おめぇ!許さないど!!」
「もっと刺されないとわからないかな?」
そう言い、襲いかかってきた2人のうち、小太りの方の顎に雷速で潜り込みアッパーをかまし、ガリガリな男の胸に赤い雷を纏った腕を突き刺した。
「ゴハァッ!!お、おまえぇ…まさか殺す気か…」
「お返しだ。死にはしない…と思う。」
そのまま3人は意識が切れたのか、何も喋らなくなった。その間、少年は自分が発現した能力について考えた。
…俺が、思い浮かべたら発現したのか?だとしたらかなり強くないか?これ。少し試してみるか。
と、試しにとある漫画で読んだ他者から生命エネルギーを吸い取る能力を思い浮かべてみた。
よし!これで、あとはこいつらに触れると…おぉ!!治った!!やっぱり仮説はあっていたか!!よし、次はこれを…
次に、これも漫画に載っていた、相手の動きを見切ったり、幻覚を見せる目を思い浮かべた。するとこちらもしっかり発現した。能力を使用すると目が赤くなるところもちゃんと再現されてる。そして、四つ目を発現させようと別の能力を思い浮かべたら…
…あれ?これは発現しない…なんでだ?
その後も別の系統の能力などを試してみたが、どれも発現しなかった。
まさか3回だけとか?それとも期間を空けないと再使用できないのか?どちらにせよ今はまだわからないか…。まあ、能力のことは置いといて、次は服と金だなぁ。こいつら、金持ってるかなぁ。
尚、半グレ男の財布は3万円ほど入っていたため、ありがたく頂戴した。服も剥ぎ取ったため、全裸放置になるのだが、可哀想なので元々着ていた布切れを被せてあげる。
…感謝しろよな!その代わり、服と金はもらってくからな!さて、試しにそこらを歩き回ってみますか!さっき発現した能力の練習も兼ねて!
そして、少年は赤い雷を纏い、一瞬でその場から消えていくのだった。
技クロスオーバー
Flashから「スピード」
NARUTOから「写輪眼」
生命エネルギーが〜は思いついたやつです笑超再生とかだと強すぎて面白くないと思いまして。相手に触れる手間を加えました笑