ハイスクールD×D 眷属になれない部員の話 作:アルタイル10
俺はその言葉を言うと指に魔力を込める。開戦の合図とも取れる俺の言葉により神父どもは俺を殺そうと剣や銃を構え、襲い掛かる。一番近い神父が剣を振り下ろしてくる。それを体を前に出して剣の刃に触れないようにすると魔力を込めた指で体にルーンを刻む。もちろん、刻むは破壊のルーン。刻まれた神父は、破壊のルーンが発動するとともに姿を消した。一人の神父が消えたのに驚く神父たちその間に一人の心臓に剣を突き立て、もう一人にはルーンを刻んで消滅させる。
僅かな時間だが、そのおかげで兵藤はすでに入り口の前に着いていた。
「絶対帰って来いよ。桐谷、木場、小猫ちゃん!帰ったら俺のことをイッセーて呼べよ!絶対だぞ!俺たち仲間だからな!」
そう言うと兵藤は部屋から消えて言った。その後を追いかけるように堕天使も追いかけていくが俺はそれを無視して目の前の神父たちを薙ぎ払った。何人かは光の剣でガードするがあとは、剣に体を斬られ、絶命する。ガードした神父どもたちも、腕が痺れて光の剣を手から離れていく。
「チクショウ!なんなんだよこいつ!」
「化け物が!」
神父たちは俺を見ながらそう叫ぶ。だが、たとえこいつらに何を言われようが何も感じないし、どうとも思わない。そして、いつの間にか、自分の目の前には完全に神父たちの姿は消えていて、ただ無残に切り刻まれた死体しかなかった。
それで俺はようやく頭が冷えて、自分の姿を見る。血に染まり、制服も所々切られている。それを見て溜め息を吐いた。
「大丈夫かい、コーキ君」
そんな俺に向けて祐斗は声をかけてきた。
「いや、正直、そこまで大丈夫な気がしない。自分で言うのもなんだけど、あれじゃあ、ただの殺人鬼だ」
「そうだね。いくら何でもやりすぎだよ。だけど、
「ああ。そうしてくれると助かるよ」
先ほどの言葉に少し引っかかるが、過去も話さない奴が他人の過去を聞くのは無粋だろう。
「……先輩。大丈夫ですか?」
塔城さんも心配してくれてたようだ。俺は大丈夫と言って死体に近寄る。そして、一体ずつルーンを刻むと魔力と時間の無駄なため、大きなルーンを地面に刻んで、そのルーンを囲むように円を書く。そして、その円から離れるように言うと再度魔力を流して、発動させる。魔力を帯びた破壊のルーンは僅かに光ったかと思うとクレーターのような穴を作って、その上にあった死体を消した。その時に、紅い魔法陣が現れる。
「ふぅ。どうやらついた見たいね」
「そうみたいですわね。教会内に敷くのは少しばかり緊張しましたわ」
姫島さんと部長が現れた。そして地下のクレーンを見て絶句する。視線だけで訴えかけられる祐斗と塔城さん。祐斗は苦笑いをしながらこちらに指をさし、塔城さんも無表情で俺を指していた。
「このクレーターの説明をしてもらいましょうか?コーキ」
「説教されないなら」
そう言って説教をしないと言われて説明をし始めた。しかし、説明をするときになぜ正座させられてるかには疑問だった。そして部長に説明を終えると結局説教された。部長に騙された。
☆
そんなことも会ったが、聖堂の地下を後にして上に上がる。上に上がると兵藤があの堕天使を殴り飛ばした瞬間だった。堕天使は兵藤の篭手に殴られてそのまま壁に激突すると、壁は壊れ、でかい穴を作った。その少し奥に堕天使が倒れている。兵藤は力尽きたのか倒れそうになるがそれを祐斗が支えた。
「よー、遅ぇよ、色男」
「ふふふ、部長に邪魔をするなと言われてたのと、コーキ君の説教があって遅くなっただけだよ」
「え、部長が?それに何で桐谷が説教?」
「ええ、その通りよ。あなたなら堕天使レイナーレを倒せると信じていたの。それとコーキは今回の件は少しやり過ぎていたからお説教してたのよ」
そう言われて、俺も少しは反省している。確かに俺はやりすぎたこと自体は少し反省している。でも、神父や教会関係者を見るとすぐに沸点を振り切るため、仕方ないんです。頑張ってはいるんですがね。俺を見た部長は堕天使レイナーレを一度見ると兵藤に言った。
「勝ったのね?」
「ええ。なんとか勝ちました」
「フフフ、えらいわ。さすが私の下僕君」
部長は兵藤に近づいて鼻先をつんとつついて微笑んでいる。
「あらあら、教会がボロボロですわね。部長、よろしいのですか?」
困った様子で言う姫島さん。
「……なんかやばいんですか?」
「教会は神、もしくはそれに所属する宗教のものだし、今回みたいに堕天使が所有している場合があるでしょ?そのケースだと、私たち悪魔が教会をボロボロにすると、後で他の刺客たちから狙われることがあるのよ。恨みとか報復とかでね。そこら辺はちゃんと理解したかしら。コーキ?」
部長は俺にそう言ってくる。先ほどの説教の中で散々言われて理解しているつもりだ。部長に頷いて返答すると兵藤のほうを向いて今回は大丈夫と説明を始めた。
「部長、持ってきました」
その声がする方向を向くといつの間にやらいなくなっていた塔城さんがレイナーレを引きずっていた。
「ありがとう、小猫。さて、起きてもらいましょうか。朱乃」
「はい」
姫島さんが手を上にかざすと宙に水が生まれる。魔力変換によって作られたものだろう。俺はルーンを使わないと出せないからうらやましい。それを気絶しているレイナーレに向けて被せた。その時の表情は実にいい笑顔だった。ドSと聞いていたが本当のようだ。
水を被ったレイナーレは咳き込みながら目を覚まして体を起こす。それを部長は見下ろして言った。
「ごきげんよう、堕天使レイナーレ」
「グレモリー一族の娘か……」
「はじめまして、私はリアス・グレモリー。グレモリー家の時期当主よ、短い間でしょうけど、お見知りおきを」
部長が優雅に挨拶をする。しかし、それを聞いたレイナーレは睨む。しかし、その後不敵な笑みを浮かべて言った。
「してやったりと思っているでしょうけど、残念ね。今回の計画は上に内緒ではあるけど私に同調し、協力してくれている堕天使もいるわ」
「その堕天使が助けに来てくれると思っているんですか?」
そう言って俺は一つの黒い羽を取り出した。もちろん、これはドーナシークから毟ったものだ。それに続き部長も懐から二枚の羽を出した。
「この一枚は、堕天使ドーナシークのものです。これは襲い掛かってきた彼を消滅する前に毟ったものです」
「そして、この羽は堕天使カラワーナ、堕天使ミッテルトの物よ。同属のあなたなら見ただけで分かるわね?」
これを見たレイナーレの表情が恐怖の色に塗られる。そして、部長は堕天使が行動している理由を淡々と語った。そして祐斗が部長を褒め称えるように言った。
「その一撃を食らえばどんなものでも消し飛ばされる。滅亡の力を有した公爵家のご令嬢。部長は若い悪魔の中でも天才と呼ばれるほどの実力の持ち主ですからね」
「別名『紅髪の
姫島さんが笑いながら言う。滅亡姫。恐ろしい名前だ。部長がそんな別名を持っていたなんて。しかし、そんな部長は兵藤の篭手を興味深そうに見ていた。
「赤い竜に紋章……。そういうことね。堕天使レイナーレ。あなたの敗因はこのこの神器をただの神器と思いこんでいたせいよ。『
その言葉にレイナーレは驚愕の表情を浮かべた。
「ブーステッド・ギア……『
まさか、最初に会った時からなんとなく、強力なものを持っているとは感じていたが、そんな強力なものだったなんて思わなかった。部長の説明によると十秒ごとに力が倍増していくらしい。なんて恐ろしい神器なんだ。だが、それでもそんなに待ってくれる敵なんていないだろう。本当の戦闘を経験しって、自分でどうやって使うか考えないといけない。考えていると、部長に兵藤が謝っていた。どうやら、俺が部室に来る前に何かあったようだ。しかし、部長はそれを許してくれている。そして、兵藤からレイナーレに視線を移す。
「じゃあ、最後のお勤めをしようかしらね」
目に先ほどの優しいまなざしが一変して冷酷さを帯びている。近づく部長を恐れ、後退いくレイナーレ。だが、すぐに止まってしまう。
「消えてもらいましょうか?堕天使さん。もちろん神器も回収させてもらうわ」
「じょ、冗談じゃないわ!この癒しの力はアザゼルさまとシェムハザさまに!」
「愛のために生きるのもいいわね。でもあなたは汚れすぎている。エレガントじゃないわ。私はそういうものが嫌いなの」
部長はレイナーレに向けて手をかざす。
「俺、参上」
ふざけたポーズを決めて神父、フリードが現れた。いつの間にか穴だらけの服が変わっていて新品になっている。
「わーお、上司が超ピンチっぽいじゃん!どうしよう!」
「助けなさい!私を助ければ褒美でのなんでもあげるわ!」
レイナーレはフリードを見て聞きしていたがフリードから放たれる言葉は残酷なものだった。
「無理。人数的にも不利。というか、そこの魔術師にやられて僕ちゃんの体はボロボロなのです!そんな状況で助けることなんて不可能!諦めてください!」
フリードはふざけた口調でそう告げた。レイナーレも何か言い返しているが全て無視する。フリードは俺のほうを見て、にやりと不適な笑みを浮かべる。
「桐谷くん。お前は絶対に殺してあげるよ。壊された銃とかの請求であなたの命を奪いにいくぜ!それまで楽しみに待ってろよな!」
「雑魚が喚くな。今ここでそのふざけた口に鉛の弾を飲ませてやるよ」
そう言うと同時に足に魔力を込めてフリードのところに向かおうとするがその前にフリードは姿を消した。その瞬間、にまたやってしまったと思った。口調が砕けていた。自分でも知らないうちに頭に血が上っていたみたいだ。部長と姫島さん、そして兵藤は俺の砕けた口調を聞いて驚いていた。
「そこまで気にしないでくれると助かります」
いつもどおりの口調でそう告げる。部長たちは察してくれて何も言わないでくれた。
「さて、下僕にも捨てられた哀れな堕天使レイナーレ、言い残したいことはある?」
そう言うと、兵藤に向かって懇願し始める。
「イッセー君!私を助けて!」
「この悪魔、私を殺そうとしているの!私、あなたのこと大好きよ!愛してる!だから一緒にこの悪魔を倒しましょう」
この言葉を来た俺はレイナーレに近づいた。その行動に助けてくれると思ったのかレイナーレは兵藤から俺に懇願するのを変えた。しかし、俺は別に助けようと思っていない。
「何か勘違いしてるようだけど、俺はあなたを助けないよ。ただ、一つ言いたかったんだ。人を殺す覚悟があるやつは殺されてもいい覚悟がある奴だけだよ。だから、あなたにもその覚悟があったはずだよね?懇願なんてみっともないことをしないでさっさと消えてください」
そう言うと、レイナーレは懇願するのを諦め、希望を失ったかのように目から光が消えた。それを見て、兵藤も言った。
「部長、頼みます」
「私の可愛い下僕に言いよった罰ね。消し飛びなさい」
部長の手から放たれる魔力により堕天使レイナーレは消し飛んだ。残るのは僅かに残るレイナーレの羽と自分から漂う血の匂いのみだった。