ハイスクールD×D 眷属になれない部員の話   作:アルタイル10

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結果と招待状

 レーティングゲームに参加できない俺はその日は学校ではなく自分の家にいた。部長たちに相談したのだが、駄目といわれたためである。

 

 眠ろうとしても、今俺だけ、悠々と眠ることは出来なかったし、彼ら、イッセーを含めた部長の眷属たちが心配だった。

 

 俺は彼らに即席ではあるが、ある程度のことを教えた。それでも、ライザーの眷属に勝てるかどうかは分からない。しかし、彼らの勝利を信じ続けていた。

 

 眠れない状態のまま夜が過ぎていく。何時間経っただろうかも正直わからない。ただリビングのイスに座り、肘を突いて動いていない。

 

 と、その時、玄関の方から、魔力の乱れを感じた。どことなく感じたことのあるような魔力の乱れ。これは魔方陣を出すときのものだ。つまり、家の前に誰か着たことになる。部長たちかもしれない。そう思ったが、必ずそうとは限らない。魔方陣を使うやからなんてたくさんいるのだから。

 

 警戒をして、カードからいつでも銃と剣を取り出せる状態にしておく。そして、しばらく待つとチャイムが押される。それにゆっくりと近づいて、マイクで誰かを確認する、

 

「どちら様でしょう?」

「グリモリー家のメイド、グレイフィアです。先ほど終了したレーティングゲームの結果をお伝えにきました」

「そうですか。結果はどうですか?」

 

 武器を仕舞ってグレイフィアさんにマイク越しで話しかける。

 

「結果を伝える前にあなたにお会いしたいという方がいるので、このドアを開けていただけませんか?」

 

 そう言われ、俺は一度ドアからその人物を確認する一人はもちろん銀髪メイド服のグレイフィアさん。そして、もう一人、部長と同じ紅色の髪をした、青年。だが、その人からにじみ出る魔力は凄まじい力を秘めていることを感じさせる。少し警戒しながら扉を開けた。

 

「やあ、初めましてだね。桐谷光輝君。そんなに警戒しなくても何かするつもりはないよ」

 

 そう言って両手を上に上げてひらひらさせる。それを見て敵意がないことを示す青年。それで本当に敵意がないことを察知した俺は彼に頭を下げる。

 

「先ほどは警戒してすみません」

「いや、いいよ。僕こそいきなり来てすまないね」

「いえいえ。それより、俺に用があるんでしたね?こんなところで立ち話もなんですし中にどうぞ」

 

 そう言って二人を中に招き入れる。リビングに行き対面に座る。お茶を用意しようとしたら、グレイフィアさんが俺の家の機材の場所をどこで知ったかは知らないが紅茶を用意してくれた。

 

 紅茶を一口飲んで口を潤す。美味い。朱乃さんの入れてくれる紅茶も美味しいが、この人が入れるものはもっと美味しい。さすが貴族のメイドと言ったところだろう。

 

 と、そんなことはおいといて、俺はグレイフィアさんが連れてきたこの紅髪の人に話しかけた。

 

「自分に用があるそうですが、どのようなご用件でしょう?」

 

 洗礼された動きで紅茶を飲んでいた青年に問いかける。

 

「ん?ああ、すまない。自己紹介もまだだったね。私はサーゼクス・グレモリー。リアス・グレモリーの兄だ。よろしく。で、用件だったね?正直、リアスが気に入っている人間がどんな子なのか気になってね。それで、レーティングゲーム後にちょっとお邪魔させてもらったんだ」

 

 青年。部長の兄と名乗るサーゼクスさん。この名前は聞いたことがある。確か、ライザーが部室に来た時に言っていた。

 

「そうですか」

 

 サーゼクスさんの返答に返事を返して紅茶に口をつけた。

 

「しかし、君は不思議な人間だね。魔力量も戦闘力もそれこそ、人間にしてはおかしいくらいのものだよ」

「すこし経歴が変なだけですよ」

「そうかい。そのあたりを聞きたいのは山々だけど、また今度にさせてもらうよ。こっちもいろいろとしなければならないことがあるからね」

 

 サーゼクスさんはそう言って両肘を突いて手を組み合わせて言った。

 

「今回のレーティングゲーム、リアスとライザー君のものだけど、ライザー君の勝ちだよ。さすが、不死身の能力と言ったところかな。なかなか良い戦いだったんだけど、やっぱり、リアスには不死身はまだきつ過ぎたみたいだね。兵藤一誠っていう男の子だったかな?彼がライザー君に立ち向かったんだけど、倍化をしすぎて体が持たなくてね。戦う前にはもう限界だったみたいだ。それでも、彼は諦めずに立ち向かって行ったよ」

「それだけ、イッセーは部長をアイツに渡したくなかったんでしょう。みんなもそのはずです。その答えを聞いて俺もとても悔しい気持ちです」

「そうだね」

「なら、なぜあなたの親は部長とあんな奴の婚約を……すいません。部外者が口を出しすぎました」

 

 少し眷属でもないのに、御家騒動に口出しすぎだと思った。それで謝る俺を見てサーゼクスさんは笑みを浮かべる。

 

「いや、いいよ。この件に関しては、君の言いたいことには一理ある」

 

 そう言うサーゼクスさん。ならどうして。その言葉が口から出てこようとするが、堪える。サーゼクスさんはグレイフィアさんに何かを言うとグレイフィアさんが一枚の紙を渡してきた。紙にはグレモリーの魔方陣が書かれてある。

 

「君も、リアスとは関係があるからね。パーティーの招待状を渡しておくよ。これがあれば魔方陣でいける式場にいける」

「……自分を呼んだら場が混乱するではないでしょうか?基本的に悪魔ばかりのいる式場でしょう?」

 

 そう言うとサーゼクスさんは不敵な笑みを浮かべる。

 

「そうだろうね。でも、大丈夫さ。そこら辺は僕が君が来た時に対処するよ。君には僕の余興にでも乗ってもらおうかと思ってるからね。魔術師である君ならもう一つの場を盛り上げられそうだからね」

「……」

 

 あまり頭の回転が早くない俺にはまったくこの意図が読めない。この人は何をさせたいのか?

 

「ただし、余興ではライザー君への手出しがはしないように頼むよ。サプライズを頼むんだけど、悪いがその主役は君じゃない。だから、彼の眷属とで手を打ってくれ」

 

 そう言われて俺は、サーゼクスさんが俺に何をさせたいのかはっきりする。この人は、部長の婚約の件を別の形で破棄させたいようだ。そして、ライザーは別の誰かと戦わせる。たぶん、イッセーだろう。そうだと思い、口角を上げて紅茶に口をつけると言った。

 

「分かりました。ですが、自分も私用で遅れてしまいますがよろしいですか?」

「もちろん。君ともう一人のサプライズゲストと一緒に来てくれるとものすごく助かるよ」

 

 そう言って、席を立ち上がるサーゼクスさん。

 

「それじゃあ、式でまた会おう」

「はい。また」

 

 そう言ってサーゼクスさんがリビングを出て行く。その後に続いてグレイフィアさんが軽く礼をして出て行った。そして、玄関が開く音はしなかったが魔法陣が展開されたような感じがしたので、そのまま帰ったんだろう。

 

「さてと、じゃあ式の前にもう一人と相談するかな」

 

 俺はそのまま、イッセーのところに向かった。

 

 

 

 

 イッセーのところに来たのはいいが、イッセーはレーティングゲームでブーステッド・ギアを酷使しすぎて現在は意識がない状態らしい。アーシアの神器で外傷のほうはすべて治っているのだが、体力、気力、精神力まではアーシアの神器でもどうすることも出来ない。

 

「アーシアさん。イッセーは大丈夫だよ。絶対に目を覚ます」

 

 目を覚まさないイッセーを心配そうにするアーシアさんを励ますために声をかける。アーシアさんも信じているため、それに強く頷いて返しているが、まだイッセーが起きる気配はまったくない。

 

「分かってます。絶対にイッセーさんは目を覚まします」

 

 眠っているイッセーの横でずっと涙を堪えながら呟くように言った。

 

 本当に参った。パーティーは二日後だ。俺はアーシアさんにイッセーの世話をするのは良いが自分の体にも気をつけるように言うと、学校に向かった。

 

 すでに俺の休みの期間は切れており、学校に行かなければならないからだ。本当に今はこの学校すらも休みたい気分だ。

 

 そして、イッセーが目を覚ましたのはちょうどパーティーのあると当日であった。

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