ハイスクールD×D 眷属になれない部員の話   作:アルタイル10

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編入と言えない過去

 駒王学園に編入することになったことでリアスさんからいろいろと提供されて暮らしがとても充実したものになっている。まずは家の提供で最初に寝させてもらったあの部屋を貰った。そして、お金である。しかもかなりの金額が。これは本当に助かる。旅で師匠(ばあちゃん)から貰った金と占いで僅かに稼いだお金はもうそこをついていたからだ。、これである程度はゆとりが出来る。とは言っても殆どが食費にだけしかつかわないだろう。そして、俺は記念すべき初めての学園生活の最初の関門、自己紹介をするところだ。ここでこけると省かれたと最悪の学園生活のスタートダッシュをきることになる。そして当たりを一度見てから口を開いた。

 

「初めまして、諸事情で海外から来た桐谷光輝といいます。日本人ですがずっと外国に住んでいたのでわからないところが多々あります。その時は教えてもらえると助かります。これからよろしくお願いします」

 

 そう言ってクラスの人たちに向けて一礼する。最初はこんな感じでいいだろうと思い、クラスの反応を聞いてみることにする。

 

「なかなかの好青年なんじゃない?少しテンプレすぎる自己紹介だけど」

「そうね。顔はまあ、普通。けど物腰柔らかくて接しやすいかも」

「それに帰国子女ってとこもポイント高いわね」

 

 そんな感じの会話が聞こえる。まあ、印象はよかったらしい。その後は席を決められ、教師が自分がクラスに慣れるために一時間自習にしてくれた。言い方からしてサボりたいような感じがあったが気にしないで置こう。だが、これだけは言いたい。そんなんでいいのか?、と。そして、案の定自分の周りに人が集まって質問攻めに合う。しかし、この高校は女子が男子よりも本当に多いと思う。確か、つい最近まで女子高だったからだろう。

 

「ねえ、どこの国から来たの?」

「ノルウェーからです」

「外国にずっといたのに日本語が上手だね」

「ここに来るってことは結構前から決まってたので勉強をしてたんですよ」

「何かスポーツとかやってた?」

「特に何かやってたってわけじゃないけど、スポーツは全体的に得意です」

「背高いね。何センチくらいあるの?」

「百八十ちょっとあります」

「たかーい」

 

 女子からの質問が次々と飛んでくる。これが高校と言うところか。同年代とはあまり接点がなかったため少し驚くが、意外に適応力が高いのかすぐになれた。しかし、あまり男子が質問してこないと思っていたが周りを見ると男子は男子で固まって会話している。あまり俺に関心がないのかと思っていたがこの女子の中に入ってこれないのだろうと思う。男子は少しこちらを見ると苦笑いして他の男子と会話を初めた。そんな中、殺気のような視線があることに気付いて、そちらのほうを視界に僅かに入れると三人の男子がこちらをものすごい形相で睨んでいる。一人は髪をかなり短くカットした頭の男子、そして眼鏡をかけた男子、そして、もう一人は茶髪の男子。三人は友達なんだろうがあんなにらまれる理由がわからない。そして、しばらくすると三人は俺を睨むのをやめて会話を始めた。その時に俺の視線に気付いたのか、茶髪の男子がこちらを向いた。だが、また二人と会話に戻った。何か会話をしているがこそこそと話しているため内容が聞き取れない。

 

 クラスの男子のことについて聞くと、あの三人を指してクラスの女子から忠告があった。あの三人組には関わらないでねと。名前を聞くと、兵藤、元浜、松田と言うらしい。この三人は悪い意味でかなり有名で変態らしい。覗きなどの行動を取っているらしい。何でつかまらないのだろうと思う。そして、そのことが聞こえていたらしく、こちらに罵声を飛ばしてから再び会話に戻った。そして女子たちからあのグループ、兵藤たちの話を聞いた。

 

 聞いて思ったがすごいと思う。別にかっこいいとかそういう感じのすごいではなく呆れるほどの所業の数々、まるで性欲の権化だ。聞いてて呆れた。まあ、少しは交流は持っておいてもいいだろう。特に兵藤とは。あいつはなにかを持っている。それもとても強力な何かを。まあ、少し落ち着いてからかな。今の状態はさすがに友好な関係を作れると言った感じはないし、一方的な敵を感じる。だから、今は保留にしてまだ来る質問の対応をしていった。

 

 

 

 

 俺は兵藤一誠。駒王学園の二年生だ。今日はなんかクラスの女子たちが少しだけ慌しいけどなんかあったのか?松田に聞いてみるか。

 

「松田、今日なんか騒がしいけどなんかあったのか?」

「いや、ないぞ」

「俺らにはどうでもいいことだよ、二人とも」

「元浜」

 

 その言葉に振り向くと元浜が眼鏡をくいっと上げながら立っていた。

 

「お前は知ってんのか?」

 

 松田がそう聞くと元浜が話し始める。

 

「どうやら転校生が来たらしい。それも外国の帰国子女」

「おお!女の子か!?」

 

 俺と松田は反応するが元浜は残念そうに溜め息を吐いたため理解する。

 

「なんだ、男かよ。イケメンでそっこうでもて始めたらそいつ滅びねえかな」

「確かに同意だ。だが、もしかしたら我らが同士だった場合、温かく迎えてやろうじゃないか」

 

 松田が物騒なことを言ってその後に元浜が言った。そんなことを話している間にチャイムが鳴り始め担任とその転校生が入ってきた。俺が転校生を見て思ったことはなんか普通の雰囲気を持つ奴だなと思った。担任がそいつに自己紹介するように促してそいつは言った。

 

「初めまして、諸事情で海外から来た桐谷光輝といいます。日本人ですがずっと外国に住んでいたのでわからないところが多々あります。その時は教えてもらえると助かります。これからよろしくお願いします」

 

 自己紹介はまるでテンプレのような答えだった。だが、別段どうでもいいことだ。女子たちも品定めするように桐谷という転校生を見た。上々な評価を貰っていたようだ。実にうらやましい。

 

 そして、転校生の席を言って、座ったのを確認すると担任は交流タイムだと言って教室から出て行った。そして、そいつの周りに女子が群がった。その瞬間、に俺たち三人は理解した。この学園に来て女の子にモテたどころかあのように囲まれたこともない俺たちにとってそれだけで敵と認識するには十分だ。そしてあの柔らかい態度を見ていると同じの学年にいる木場のように思えて来てしまう。

 

「元浜、松田。俺はあいつを見て一瞬で理解してしまったよ」

「イッセー同感だ。俺が同士かも知れないと思ったが間違いだと理解した」

「ああ。俺もお前らと同じことを考えていたところだ」

 

 そう言って俺らは桐谷光輝を睨みつけて小さく言った。

 

「桐谷光輝は木場祐斗同様俺らの敵だ!」

 

 三人で桐谷が後になってどんな不運になるかと言う妄想話をしていると俺はふと視線を感じた。丁度、こちらに背を向けてる女子生徒と話していると思っていた。視線はたまたま俺が視界に入ったからだろうと考えて二人との会話に戻る。そして、その中、あの桐谷って奴のとこの会話で俺たちの名前が出てきたが、女子たちの忠告だった。俺らは女子たちに罵声を飛ばして話を再開した。

 

 

 

 

 編入してから数日。勉強は師匠(ばあちゃん)からある程度のことを習っていたため、少しは理解できたがそれでも理解できないところがある。それも、宿題でだ。どうしようか考えたが、放課後だし、部長や姫島さん、もしくは祐斗に聞けばいいじゃないかと考えた。俺はさっそく足を伸ばした。案の定、部室に行くと全員揃っていた。

 

「あら、コーキ。今から祐斗をに呼んできてもらおうかと思ったけどその手間が省けたわ」

「ん?なんか用事でもあったんですか?」

「いえ、別に。ただ、あなたのこと。まだ全然知らないからこの機に聞こうかとね」

「私も興味ありますわ」

「僕は、君が旅をしていたときの話が気になるな」

「私もです」

 

四人にそう言われて少し考える。旅の話しは個人的に今度話すとして確かにあちらは幾つかこちらにいろいろと提供してもらってるため、少しくらい構わないと思った。

 

「じゃあ、旅の話しはまた今度するにして部長たちは何が聞きたいですか?」

「そうね。ルーン魔術以外に得意なものはないかしら?」

「そうですね。攻撃魔法をちょっとと、魔力コントロール。格闘術や銃、剣、ナイフの扱いも一応慣れています。まあ、メインはルーン魔術ですけどね」

「魔術師ってことだから近距離は苦手かと思ってたけどそんなことはないみたいね」

「うらやましいですわ」

「それは間違いですよ。俺は元々ファイターですから。どちらかと言うと本命は近接です」

 

 部長は感心し、姫島さんは少し残念そうに呟いた。

 

「剣にも精通してるんだ。よかったら今度ちょっと訓練にでも付き合ってくれないかい、コーキ君。一人でやるよりも組み手形式でやったほうがいい経験になるからね」

「私もしてほしいです。コーキ先輩がどんな感じで戦うのかを見てみたいですから。それといい経験になると思うんで」

「あらあら、二人とも積極的ですわね」

 

 祐斗と小猫がそう言うと朱乃さんが苦笑しながら言った。俺も、少しは感覚を失わないために快く了承する。

 

「でも、それだけの技術をどこで身につけたの?」

 

 部長がそう聞いてきたが、俺は口を閉ざした。俺がこんな技術を持っているのはあることがあったからだ。だが、正直このことは話したくないし、話す気もないと思う。思い出しただけで胸糞悪くなる。終わったことなのにまだ俺はあのことを引きずっているのか。部長は数日間過ごしてとてもいい人だとはわかっている。だが、俺はこの話はだけはしたくない。過去の奴らのことを思い出すだけであのときの感覚が甦る。

 

 姫島さんはそんな俺の様子の変化に気付いたのか部長に言った。

 

「リアス、彼にも触れてほしくない過去があるみたいですからこの話しはこの辺にしておきましょう」

「……ええ、そうね。コーキ、気を悪くしたならごめんなさい」

「いいえ。大丈夫です。でも、あまり俺の過去は詮索はしないでください」

 

 そしてしばらく沈黙が続くが空気を変えるために姫島さんが手を叩いて言った。

 

「さ、暗くなるような話はここまでにしましょう。コーキ君、旅の話しなら構いませんよね?キツイようなら無理強いはしませんわ」

「すいません、今日は頭を冷やすために帰らせてもらいます」

「そう。ほんとにごめんなさいね、コーキ。気分を悪くさせて」

「いや、部長は別に悪気があったわけじゃないからいいですよ」

 

 そう言って、俺は部室を出た。そしてほぼ無心に近い状態で歩いていたと思う。気付いたら、いつの間にか家の前に着いていた。本当に情けない。あの日を境に俺は断ち切ったと思っていたが思い出すだけでこうも駄目になる。やっぱり、あいつらと向き合うしかないのかと腕についているブレスレットを見ながら呟いて、マンションに入って行った。

 

 そして、次の日の朝になってすっきりした時にようやく昨日の目的を思い出した。

 

「やばい、昨日宿題教えてもらいに行ったのに教えてもらってない……」

 

 

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