ハイスクールD×D 眷属になれない部員の話 作:アルタイル10
違和感と死
そして、数日が経った。俺も通常通りに戻ったのだが、最近気になることができた。何か変な乱れを感じるのだ。気のせいならいいんだが。
学校に来てからも考えていたが、正体がまだわからないため、そのことを頭の片隅に追いやって参考書を取り出して、勉強を始める。自分は今は学生の身分なのだから勉強せねばなるまい。それに、やっておかなければ今の学力じゃ授業についていけない。最悪の場合留年となってしまう。通わせて貰ってる身分なのにさすがにアウトと思うので少しでも成績をあげて置こうと思っている。
とは言っているものの勉強がそこまで出来るわけない俺が参考書を読んだって理解できないもののほうが多くある。祐斗にでも聞きに行くか。ペン先をノートに軽く打ちつけながら考えていると、妙にテンションが高い兵藤が教室に入ってきた。
何だか様子がおかしい兵藤に、元浜と松田が話しかける。兵藤曰く、彼女が出来たんだ、と自慢していた。彼女が出来たのかと思った。どうやら、二人に自慢しているのが丸聞こえのためいろいろと、情報が入ってくる。彼女の名前は天野夕麻と言うらしい。どうやら昨日告白されたらしく、すぐにOKの返事をしたらしい。こちらからでは見れないが、写真を二人に見せびらかしていた。そしてデートの約束もしているらしい。
しかし、少し気になる部分がある。どちらかと言うと悪いほうの噂のせいであまり女性関係がないはずのいきなり彼女が出来るなんて。しかし、兵藤の彼女になった人物が一目惚れという可能性もあるのだが、変な気配が出てきてからなので少し心配だ。それにそこまで友好な関係が気付けていないため、なんも言えない。兵藤のことは後で、とりあえず部長に今の街の様子について報告することにした。
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報告をしてから特に問題は発生することは無く休日となった。特に街でも異変はおきていないため、やることもない。で、今は部長たちに、休みなんだから生活必需品とかを揃えなさい、と言われ、午後から搭城さんに町を案内してもらっている。
「ここが、一番安いところです」
「ありがとう。搭城さん。それとゴメンね。せっかくの休みなのに、街の案内してもらって」
「いえ、私も特にやることもなかったので大丈夫です」
なんともありがたいお言葉だ。部長に頼まれたからいやいや付き合ってるとか言われたら少々傷つく。しかし、搭城さんと並んで歩いて話すのは編入前のあれ以来だ。最初とは違い、ある程度仲良くなったので会話はあまり途切れることが無く、街を案内してもらってる。現在案内してもらっているのはなるべく安く、丈夫なものが置いている場所だ。旅の時の金銭感覚が抜けないせいでどうも節約気味な思考が働いている。まあ、それもそれでいい気がすると思っている。お金をもらっているが、あまり使いたくないのもあるからだ。そして、生活必需品を買い揃えて買い物も終わった。時計を見て、小腹が空くような時間帯だ。塔城さんがよければ何か奢ろう。
「今日はありがとう、塔城さん。よかったら、何か奢るけどどこか行きたいところある?」
「いいんですか?」
塔城さんはそう言ってきたので頷いた。すると無表情だったが目がとても嬉しそうにしていた。
「ありがとうございます。私のオススメの店があるのでそこに行きましょう」
そう言って連れて来られたのが落ち着いた雰囲気のある喫茶店であった。優しいオレンジ色のライトで照らされた店内はとてもくつろげそうな雰囲気を漂わせている。奥の席に案内されて、奥のソファー席に塔城さん、手前のイスに俺が座った。そして、メニューを開いて吟味する。コーヒーの横に種類があるのはとてもいい。こう見えて俺は食に関しては、それなりに食通と豪語しているつもりだ。どんなものかは店にある道具を見ればある程度なら分かる。分かるだけで使えはしないけど。塔城はすでに決まっているのか俺が選ぶのを待っているようだ。待たせるのは失礼だろうと思い、メニューを畳んで店員を呼んだ。
「エッソプレッソとイチゴのフレンチトーストを」
「カフェラッテと三種のベリータルトを」
注文を聞いた店員はすぐにカウンターの方に行って、他の店員にコーヒーの準備を頼むと奥のほうに消えて行った。そして、カウンターの店員がミルで豆を挽いている音を聞きながら話していると注文していたものが運ばれてきた。
コーヒーから立ち上る香りはとてもいい香りだ。塔城さんの頼んだカフェラッテにはクリームで可愛らしい猫の絵が描かれていた。なかなかの店員の趣向に少し気に入った。味も満足できるものだった。意外に隠れた名店なのかもしれない。今度、時間があいている時か息抜きにここに来るとしよう。そんなことを考えながら、塔城さんと今食べているものことについて話しながら楽しんだ。
「塔城さん本当にありがとう。今日は本当に助かったよ」
「いえ、こっちこそありがとうございます。ご馳走様でした」
「いやいや、いいよ。俺もあんな店を教えてもらったし。満足だよ」
「それでは、先輩。また」
「うん。また部室でね」
そう言って俺と塔城さんは別れた。日が沈む時間帯だし、せめて塔城さんを送って帰ったほうがいいんじゃないかと思いながら歩いている。いや、悪魔なんだし今からは強くなるから必要ないんじゃないかと?とか少し塔城さんには失礼なことかもしれないことを考えていると、何か不穏な空気を察知した。
「……公園?」
公園の中で何かが起こっている。僅かに感じる感じたことのようなないものの気配だ。気になって公園の中に入った。気配が散ったがそのほうに行くと、誰かが倒れているのが確認できた。そこに倒れていたのは同じクラスの兵藤であった。
「兵藤!!」
急いで兵藤に近づく。兵藤は浅い呼吸をして腹を押さえていた。腹には何かが貫通して行ったように大きな穴が開いていた。カードを取り出して素早く兵藤に乗せると魔力を流して発動させる。
「だ……れだ?」
兵藤はまだ意識があるみたいだ。まだ助かるかもしれない。もう一枚カードを取り出して再び兵藤の腹に乗せて魔力を流す。腹の傷は完全に塞がりが血も増やしたが、作る前に血が流れすぎている。ヘタしたらショック死するレベルだ。
「同じクラスの桐谷だよ!しっかりしろ、兵藤!」
声をかけて意識を保たせようとする。が、すでに、意識はなくなっていて、息もしていない。
「くそっ!」
地面を殴りつけた。遅かったと悔やむ。その時に見たことある魔方陣が現れて一人の女性が現れた。現れたのは部長で、俺を見てびっくりしていた。
「コーキ、あなたこんなとこで何してるの?」
「たまたま通りかかった公園で変な気配を感じたんで来たら、兵藤の腹に大きな穴が開いていて倒れていたから治療していました。部長は?」
「私はこの子に呼ばれたのよ。それでね」
そう言って部長は兵藤のポケットから僅かに出ている紙を指した。それを確認すると、魔法人がかかれたチラシだった。見たところ簡易の転移魔方陣のようだ。そういえば、悪魔の契約するときのものだった気がする。
「で、助かったの?」
部長が聞いてきたが、俺は首を横に振った。
「一応、傷は塞いで血も増やしたんですが、遅かったですね。大量出血の前にショック死しました。どうするんですか?」
「あら、もう、この子の持っている物に気付いてるんでしょ?」
「ええ、もちろん」
「なら、することも分かってるはずよね?」
部長は悪戯っぽく微笑んで言った。そしてポケットから悪魔の駒の
「これで、今日からあなたは私のものよ」
「といっても聞こえてませんけどね」
兵藤が転生し終えたところを確認すると俺は立ち上がる。
「一応、兵藤が転生して生き返ったので、俺はこれで」
「そうね。あなたは悪魔じゃないから、もういいわ。帰ってゆっくりなさい」
「では、また部室で」
「ええ」
そう言って俺と部長は別れ帰宅した。明日からは兵藤の監視でもしようかな、どんな感じかも気になるし。次の日の予定をある程度立てると、俺はベットに潜り込んで眠りについた。