ハイスクールD×D 眷属になれない部員の話   作:アルタイル10

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再開と認識

 あの後は特にはぐれ悪魔など、町には特に異常は発生はしていないし、特にすることもないから部室でのんびりと過ごしたりしている。変わったことと言えば、俺も来れる時は夜の部活の仕事に顔を出しにこいと言われたくらいだ。とは言っても俺は部長の眷属ではないため魔方陣を使えるわけではなく、ただ、部長と姫島さんの話し相手という形で出てきている。まあ、本当にたまにになるだろう。実際人間の俺にとって夜は眠くなる。夜行性の人間もいるがそれは少数の人間だけである。

 

 で、今日は部長たちと話していたのだが俺がそろそろ、瞼が重くなってきたので先に帰らせてもらうことにした。校舎から出て、まだ夜風が体に当たる感じが心地いい。こんな生活も悪くない。ただ、こうやって学校で友達と何気ない会話をしたり、部室でも同じようなことを行っても飽きはこない。こんな生活もいいんじゃないかと思っている。特に、目的があったわけじゃないが、来た意味はあった。

 

 そんなことを考えながら歩いていると、急に魔力の乱れをすぐ近くで感じた。すぐにその場から離れる。そして、今まで自分のいたところには光る槍のものが刺さっていた。これは一度見たことのあるもの。

 

「奴の援軍に向かおうとしたときに会うなんてな、数奇な運命よ、小僧」

「その声とこの槍。ドーナシーク」

 

 そう言って槍の刺さる向きからドーナシークがいると思われる方向を見る。そこには数人の堕天使が翼をはばたかせて滞空していた。まさか、こんな夜中に会うなんて本当に運がない。戦うかと考えたが、今は銃の弾丸が少し不足していてる。なので、空中相手は少し厳しいだろう。それに、あまり面倒ごとを起こすなとこの前部長にお叱りをもらったばかりだ。少し面倒かもしれないが、ここは逃亡に徹するとしよう。

 

「お前たちはフリードのところに向かっていろ。私はこいつに用がある」

 

 ドーナシークがそう言うと、数人の堕天使はどこか飛んで行った。この空間に残ったのは俺とドーナシークのみ。そしてドーナシークは光の槍を出して地上に降り立ち俺を見据える。

 

「あの時以来だな。あれほどの屈辱にあわされて私はお前をどういたぶって殺そうか考えていたとこだ」

「それはそれは。堕天使さまにそんな思われるなんて吐き気しかしないね」

「はっ。黙れ、小僧が」

 

 ドーナシークは槍を俺の心臓目掛けて投げてくる。それを交わして、指に魔力を込める。それに気付いたドーナシークは更に光の槍を作って俺に投げてくる。それも避けて、魔力の宿った指で宙をなぞる。書くのは二文字。くのような字と、Lを逆にした文字を魔力で書いて浮かび上がらせる。一つは希望のルーン、ケンと読み、火を象徴している。そしてもう一つは流動のルーン、ラグと読み水を象徴している。

 

「問題です、ドーナシーク。水と高温の火を合わせるとどうなるでしょうか!」

 

 そう言うと同時に文字から、高温の火と、大量の水が現れる。そして、その二つがぶつかることによって一気に周りが水蒸気に満たされる。その瞬間、俺は少しの魔力で体を強化して学校に向かって走る。なぜ家でなく学校なのか?それは、後のことを考えると学校のほうが安全だからだ。

 

「おのれ小僧ぉぉ!逃がさんぞ!!」

 

 振り向くとそこにはさっきまで余裕を残していた表情が完全に崩れ、怒りを表していた。しかも煙幕代わりの水蒸気を飛ぶことによって避けていたようだ。まあ、翼があるからそういう行動に出たんだろう。すこし考えが浅はかだったようだ。ドーナシークが投げる槍を避けながら、学校に向かおうとするが少々相手もしつこい。また魔力を指に込めて二等辺三角形を無限のような形で書く。これは、ダガスと言う、認識のルーンで象徴するのは日光だ。

 

「こんな、暗い夜にかなり眩しい光を見るとどうですか!」

 

 そう言って目を覆うと同時に目の前のルーン文字がものすごい明るさの光を出した。ドーナシークそれを見てしまい、目をやられたようだ。

 

「小僧ぉぉぉぉぉぉ!もう許さんぞぉぉ!この私を散々こけにしてくれおってぇぇぇ!」

 

 ドーナシークの叫び声が夜に木霊するがそれを無視して退散していく。学校まで行けば大丈夫だろう。さすがにあの中までは追ってこないはずだし。ドーナシークを撒けたなと思い、息を整えるために立ち止まった。しかし、ここで止まるのが行けなかった。目の前を通り過ぎる複数の人影、その複数の人影の中には先ほどドーナシークといた連中がいた。そして、先ほどはいなかった白髪の男、の白髪の男の後ろを歩く金髪の少女。そんな奴らが目の前を通る。そして白髪の男が俺に気付いた。

 

「おんやまあ?こんなところに誰かいるじゃあーりませんか」

 

 白髪は独特な喋り方でこちらを見ている。その顔は昔見たことのある快楽殺人者と同じだ。しかし、俺は別の意味で言葉を失った。奴の着ている服装だ。それは教会にはほとんど必ずいる神父の服、それを見た瞬間、頭の中から逃げると言う考えが消えていた。

 

「さっき、クソ悪魔どもを殺せずじまいで不完全燃焼なんだよぉー。だからぁ、俺のために死んでくれなぁーい!」

 

 神父の言っていることは全くもって意味がわからない。だが、そんなことはどうでもいい。俺は目の前にいるそいつを片付ければいいだけなのだから。

 

 いつの間にか光る剣を持った白髪の神父は目の前にいて、光の剣を振り下ろしてきた。素早く腰からカードを取り出して、カードから剣を抜き取る。まだ完全に抜ききれていない状態で神父の剣を受け止める。

 

「おんやまぁ。こいつは驚いた。普通の人間じゃなくて、そのカードに書かれた文字からして魔術師だったのねぇん。しかも、中々見所があるじゃないですかー。ちょっとできるんならお前の名前俺の大事な脳のメモリーに記憶してもいいZE!」

 

 ふざけた口調で言う神父の間合いを一瞬で詰めて斬りつける。それを神父は受け止めようとしたがすぐに離れる。まるで何かから逃げるように。完全に避けたはずなのに胸から横腹にかけて切り裂かれていた。血が出ているが傷は浅いようだ。

 

「おいおい、こんな奴が町にいるなんて聞いてねえぜ……」

「フリード!そいつは私の獲物だ!貴様はさっさとレイナーレ様のところに魔女を連れて行け!」

「はいはい。言われたとおりにしますよぉ」

 

 ドーナシークが追いついたようでフリードという神父にそう言うと、逃げるように他の堕天使につかまり飛んで行った。その後を追う。しかし、光の槍がそれを邪魔をする。もちろん前を飛ぶ堕天使ではなく後ろから追いついたドーナシークだ。神父がいなくなり、頭が冷えてきた。()()神父を見ただけで頭に血が上ったみたいだ。少しはまともになっていると思っていたんだが、まだ、本物を見ると殺意が湧く。しかし、そんなことより今はドーナシークだ。目暗ましはもう使えないだろう。どうやって逃げるかを考える。

 

「小僧。一度だけでなく二度もこの私を愚弄しよって。貴様をなぶり殺しにする以外ないだろう!!」

 

 考えている途中に槍を投げてきた。まあ、戦いの最中に考える時間を与える敵なんて普通考えていないだろう。槍を剣で弾いてそのまま更に距離を取る。剣を構えてドーナシークと対峙する。ドーナシークも槍を構える。そして、ドーナシークは俺に向けて駆け出す。

 

「小僧ぉぉぉ!」

 

 一度槍を投げて更に槍を展開しながら、突っ込んで来る。こちらはクイックドロウの容量でカードから素早く銃を出すとドーナシークに向けて放った。弾丸が不足しているがもう、こいつは面倒だからここで倒すことにした。

 

 ドーナシークの肩に当たった銃弾は肩を破壊して腕を切り離した。

 

「ぐあああああああ!!」

 

 ドーナシークは自分のなくなった肩口を押さえながら苦痛の叫びをあげる。その隙に槍を避けて叫ぶドーナシークの正面に行く。

 

「キサマァァァ!!」

 

 それに気付いたドーナシークは肩から腕を放して槍を取り出そうとするがその前に斬首した。宙を舞う首。そして、バタッと音を立てて倒れる体。血を浴びないように避けて剣についた血を払ってカードにしまう。

 

「……やるすぎたかな。これは」

 

 ドーナシークだったものを見ながら呟いた。辺りにも血が飛んでいて、とても悲惨なことになっている。

 

「とりあえず処理しなきゃ」

 

 そう呟いて流動のルーンを書いて水を出すと、水を操作してここら一帯に飛び散った血を洗い流す。そして、その間に俺はドーナシークの死体、首と体を集める。

 

「これでよし」

 

 ドーナシークの羽を一枚毟ると魔力を指に集めて死体にルーンを刻む。刻むのハガル、破壊のルーンだ。象徴は雹。だが、ルーンそのままの意味を込めれば銃弾のが当たった時と同じ現象を起こすことが出来る。だが、弾丸とは違い、刻んだ物自体の破壊のため、ドーナシークが消えることになる。刻んで、しばらくするとドーナシークの死体は一瞬で消えた。

 

 しかし、今日の出来事で完全に俺の中であることが決まる。現在、町にいる堕天使は俺の敵だ。ドーナシーク同様に攻撃をしようとしてきた。あの時はドーナシークが命令していたため、どこかに行ったが、命令さえなければ攻撃してきたであろう。これはすでに相手がこちらを敵と認識してて俺を殺そうといったところだろう。

 

「敵を殺すって言うことはどういうことか理解してるんだろうか、堕天使たちは」

 

 そう呟くと、その場を後にした。もちろん、そこはすでに戦いの後といっても誰も信じないほど最初に来た時同様の道であった。

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