ハイスクールD×D 眷属になれない部員の話 作:アルタイル10
帰って寝る前に弾丸をどうするか考える。弾丸はアメリカやヨーロッパにいた頃にはそこまで手に入れるのは苦労しなかったが、日本に来ると、弾丸の流通ルートがかなり絞られてあまり手に入らなくなった。堕天使に会った時の対処が少し厳しい。マガジンと弾の入った箱を取り出し、弾を数える。弾数はマガジン一つ分しかない。これは参った。さすがにこれだけじゃ足りない。ルートが確立するまでしばらくは剣のみとなりそうだ。
箱の中にある弾に破壊のルーンを一つ一つ、丁寧に刻んでマガジンの中に込める。そして銃にマガジンを装填させると収納する。これで準備は整った。ということで学校のために寝ることにした。
☆
学校でいつもどおりにしているのだが、今日は兵藤が来ていない。何故かは放課後、祐斗たちにでも聞くとしよう。あまり、気にしないで俺は授業を受けた。
何事も起きなかった学校もすでに放課後になった。だが、なぜかいつもどおり俺は教師の手伝いと言うことを頼まれていた。なぜ俺にばかりと思う。俺は教師のパシリではないはずだ。そんなことを呟きながらも仕事をする俺もそうだが。そして、教師から頼まれたものを渡して部室に向かった。
旧校舎の前でちょうど姫島さんと部長が出てきた。
「あら、コーキ。ごめんなさい。今日は部活を中止することにしたわ」
そう言って謝る部長。だが、俺はそのために部に来たわけではない。バックから昨日、ドーナシークから毟った羽を見せる。すると、部長と姫島さんは驚いていた。
「あなた、これをどうしたの!?」
「昨日、俺が部活の帰りに堕天使のドーナシークに遭遇しました。最初は部長たちがまだいると思う学校に行こうとしたんですけど、結局撒けなかったんで、戦って倒しちゃいました。死体は破壊のルーンを刻んで消滅させたんでもうありません」
俺は昨日の出来事を話す。神父に会って少し頭に血が上ってと言うとところは言わなかった。別に言わないでいいと思ったからだ。そして部長はそれを聞くと、溜め息を吐く。
「あなたは、私の言ったことを守ろうとしているのかしてないのかはっきりしないわね」
部長は苦笑いしながら言った。姫島さんはいつもどおり笑みを浮かべてあらあらといっている。そして部長は俺に向かって言う。
「今から、祐斗、小猫、イッセーが堕天使の本拠地に乗り込むわ。祐斗と小猫だけでも十分かもしれないけど、あなたも行って頂戴」
「了解しました」
そう言うと部長と姫島さんは魔方陣を展開してその中に入りどこかに行ってしまった。そして、俺は部室に行くと塔城さんと祐斗、そして兵藤が戦闘に行く準備をしていた。
「そんな格好でどこに行くつもりですか?」
その言葉に全員の視線がこちらを向く。
「まさか、お前、俺らを止めるつもりなのか?」
少し怒気が含まれた兵藤が言う。しかし、俺はそれを首を横に振る。
「戦闘、に行くんですよね?それに、はぐれじゃないもの。堕天使と」
そう言うと兵藤は少し驚いたが首を縦に振った。
「俺は、アーシアを堕天使の野郎どもから助けに行くんだよ」
「そうですか、アーシアって言う子がどんな子か知らないけど、それなら俺も同行させてもらうよ」
そう言うと、兵藤は驚く。後ろの祐斗と塔城さんはいつもどおりの表情だ。この二人はある程度俺のことを理解しているのか特に反対はしない。
「お前みたいな奴がついてきてくれるのは嬉しいんだけど、何でついてこようと思うんだよ?」
「昨日、お前が依頼に行った後俺は帰ったんだけど、その帰り道に堕天使に襲われたんで。だから、その報復と組織の壊滅を。殺る覚悟があるならあちらは殺られてもいい覚悟があるはずだからね」
そう言うと兵藤はしばらく考えて頷く。
「ありがとな。よし、じゃあ準備も整ったし、アーシア救出作戦を決行しますか!」
そして、俺らはアーシアという子を救出するために移動を開始した。
☆
アーシアという少女が捕らわれていると思われる場所に着く。どうやら教会のようだ。これはさすがに苦笑を浮かべてしまう。俺らは教会が見える位置で様子を窺う。
祐斗曰く、堕天使はこの中にいるらしい。俺も魔力もの乱れを探して、見つけることは出来るが教会や神社の中だと気付くことは出来ない。まあ、誰か一人でも分かるやつがいればいいかということで祐斗が出した、この教会の見取り図を見る。
「聖堂のほかに宿舎。怪しいのは聖堂だろうね」
「宿舎は無視して良いってことか?」
「おそらくね。この手の『はぐれ悪魔祓い』の組織は決まって聖堂に細工を施しているんだ。聖堂の地下で怪しげな儀式を行うものなんだよ」
「どうして?」
兵藤の質問に祐斗は淡々と答えていく。そして、大体のことを理解して単純にこのまま教会に入りそのまま聖堂の地下に向けて突っ走るという作戦に決まった。作戦といっていいかは不明だがいいだろう。そうと決まったら俺たちは教会の前まで来て顔を見合わせて頷いた。兵藤を戦闘に教会の入り口から乗り込んだ。そしてしばらくすると、パチパチと聖堂に響く拍手が聞こえてくる。物陰から見たことある白髪の神父が出てきた。
「ご対面!再開だねぇ!感動的だねぇ!お三方ぁ!そして、この前はよくもやってくれたなぁ、クソ魔術師ぃ!」
俺は頭に血が上らないように我慢しているが、正直、あまり落ち着けない。だが、ここで怒りのままに敵と戦うのは足元をすくわれる可能性がある。ある程度、頭に登りかけた血を下げるために神父に向けて言う。
「俺も感動的な再開には入らないのか、クソ神父よぉ」
今まで丁寧な口調は砕けているが、それは仕方ない。初めて、丁寧な口調じゃない俺の話し方を聞いた三人は僅かに驚いていた。そんな俺に兵藤が聞いてきた。
「おい、お前。あいつのこと知ってるのか?」
「ああ、昨日堕天使を倒す前に会った」
そう言うと神父がへらへら笑いながら言う。
「あー、ドーナシークのおっさん様はやられちゃったのねぇ。特に崇拝をしてるわけじゃないからどうでもいいんだけどね!というか、俺ぇ、悪魔さえ狩れればどうでもいいんですけどね!だけど、その前にぃー、そこのクソ魔術師にやられた傷が疼いてきちゃうからまずは、そっちから死んでもらいますか!」
そう言うと神父は腰から銃と光の剣を取り出して、こちらに向けて走る。俺は懐から剣を取り出した。
「どうやらアイツの相手は俺がしたほうがいいようだ。行けよ、ここは俺がやっといてやるから、アーシアって子を助けて来い」
そう言って、俺はもうすでに目の前にいる神父の振り下ろす剣を受け止める。
「頼んだぞ、
「頼みます、コーキ先輩」
「頼んだよ、コーキ君」
その言葉を聞いて頭に登っていた血少し抑えられたように感じた。塔城さんと祐斗はいつもどおりだが、今まで認めていなかったのか、俺の名前を呼んだことなかった兵藤が俺の名前を呼んだのだ。少しは仲間と認めてくれたらしい。
「なに、気持ち悪いこといってるんですかぁ!キモイんだけど!吐き気がするんだけど!空気が汚れていくんだけどぉ!地球温暖化の原因ってお前たち見たいな悪魔が原因だよなぁ!そんな、キモイことぐらいするなら死んで地球の肥やしにでもなってればぁ!俺ってば地球に優しい男だなぁ!」
正直何を言っているかは理解不能だ。だが、実力結構高いようだ。鍔迫り合いの状態から、銃を俺の額に当てて引き金を引いた。それを神父を剣を押し返して振りぬくことで避ける。その瞬間に指に魔力を込めてルーンを描く。流動のルーンを描き、水を出現させるとその水に魔力を込めて、威力を高める。そしてそれ飴玉くらいの大きさに分離させると神父に向かった射出する。
それを見た神父は冷や汗を浮かべていた。
「いやいや、そんなのくらったら俺死んじゃうじゃん」
「さっさと死んどけ、クソ神父」
神父はそれを必死に避けるが、銃は蜂の巣状になり、剣は避けるのに必死で落としていた。神父は弾丸を急所に当たるのは阻止できたが他の部分は血に濡れて赤黒く染まっている。
「殺すとか言っていた奴が無様だな」
「てめぇ、桐谷とか言ったなぁ。俺はお前にフォーリンラブだよ。絶対殺すからな」
「テメェが死ね」
そう言って剣で斬首するために踏み込もうとすると、体からいくつも黒い物体を落とした。その瞬間、視界が真っ白になる。
「スタングレネード!?」
油断した。完全に目が潰れた。ここじゃ魔力の探知が出来ない。すぐさま攻撃に耐えられるように魔力で体を強化した。そして視界が完全に戻った時には神父の姿はなかった。逃げられたようだ。
「クソっ!」
逃がしたことに苛立ちを覚える。だが、今はあの神父を追うよりも仲間の救援だ。すぐに聖堂の奥にある階段に行って下る。そして、そこには見たことがない堕天使と、神父がたくさんいた。この数の神父を見た俺は今まで抑えていたものが一瞬で外れた気がした。
「桐谷!フリードを倒したのか!?」
「ああ」
兵藤に返事を短く返した。兵藤の腕には一人の少女が抱えられていた。正直、あの状態じゃ邪魔になるだろう。
「兵藤。上に行ってろ。祐斗、塔城、道を作れ。後の神父は俺が全員殺す」
そう静かに俺は宣言した。
☆
兵藤先輩の後に続いて私たちは教会に入った。そこにはあの言葉が変な神父がいました。
「ご対面!再開だねぇ!感動的だねぇ!お三方ぁ!そして、この前はよくもやってくれたなぁ、クソ魔術師ぃ!」
この中で魔術師というと一人しかいない。私の前に立っているコーキ先輩だ。一人ではぐれ悪魔を倒していたり、悪魔の駒を有していないのに戦車のような特徴を持っているよく分からない先輩だ。だけど、信用はできる。特にこれといった確証がないが、この人は恩をあだで返すような人ではないということは理解している。しかし、コーキ先輩とこの神父の接点はなかったはずだ。兵藤先輩を助けた時にはいなかったはずだから知らないはず。
「俺も感動的な再開には入らないのか、クソ神父よぉ」
初めて聞くコーキ先輩の砕けた口調。それはどこか、怒りを孕んでいるように聞こえる。そしていつあったのかそのことが気になったのか兵藤先輩がコーキ先輩に聞いていた。
「おい、お前。あいつのこと知ってるのか?」
「ああ、昨日堕天使を倒す前に会った」
コーキ先輩は厄介ごとを自分から関わりたいのか巻き込まれてるのか分からない人だ。そんなことを考えていると、コーキ先輩はカードから剣を取り出す
「どうやらアイツの相手は俺がしたほうがいいようだ。行けよ、ここは俺がやっといてやるから、アーシアって子を助けて来い」
神父の攻撃を防いで言う。その言葉に私やみんなが頷き、聖堂の地下へと向かう階段に走り出した。
「頼んだぞ、桐谷!」
「頼みます、コーキ先輩」
「頼んだよ、コーキ君」
私たちはコーキ先輩を信じて階段を下った。そして階段を下り終え、下の階層に着き部屋へと入る。そこには、たくさんの神父と一人の堕天使がいた。
「アーシアぁぁぁぁぁ!!」
兵藤先輩が叫ぶ。磔にされている子が先輩の救いたい子らしい。だが、儀式がちょうど終わったらしく彼女の神器を取り出した。兵藤先輩は彼女のところに向かう。だが、神父たちに、邪魔をされそうになるが、その一人の神父を私が殴り飛ばした。他にもいたがそこは祐斗先輩が切り伏せる。そして、邪魔する神父を払いながら私たちはようやく、彼女のところまで着いた。しかし、彼女の顔に生気はあまり感じられない。彼女を庇いながらの戦闘は厳しいと思う。
そんな時、階段の方から一人の男が現れる。それはコーキ先輩だ。だが、ここに入ってきたときのコーキ先輩の雰囲気が今までとは違う。優しい雰囲気は見る影もない。それに気付いていない兵藤先輩はコーキ先輩に言った。
「桐谷!フリードは倒したのか!?」
「ああ」
短く答え。あたりを見て言った。
「兵藤。上に行ってろ。祐斗、塔城、道を作れ。後の神父は俺が全員殺す」
その言葉を聞いた瞬間、私たちは彼に少し恐怖し、頷くことしか出来なかった。