率直に言おう。
ムジカのステージで響く俺のギターは、とてもオーディエンスに聞かせられるものではなかった。
しかし、その場の雰囲気と、土壇場で積み上げた路上ライブの緊張と。
後は、
俺のギターは、ムジカに馴染んだものとなったのだろう。
終演後のSNSでも、悪い意見は目立たなかった。
ただ、まぁ。
「あぁ~...」
「と、溶けてる...?」
めっちゃ疲れた。
「...碧くん?」
「ん~?あ、初華、お疲れ~」
控室を開けたのは、すでに着替えた初華。
「お、お疲れ様...大丈夫?」
「めっちゃ疲れた...けどだいじょうぶい」
力なくVサインをして見せれば、初華は笑って、俺の頭を撫でた。
「あはは...頑張ったね」
「...やめろよ、子ども扱いすんな」
「頑張ったのは事実だから。褒めないと」
めちゃくちゃ慈愛に満ちた顔で撫でられてる。
なんでそんな撫でてるんですか?
「う、初華?」
「なーに?」
「撫でるの止めてもらっても?」
「えへへ、ヤダ」
助けてくれ。
なんか勢いで膝枕されそうで。
「素直に撫でられてればいいんだよ~」
「初華ってそんなキャラだった...?」
「碧くんだけだよ?あとさきちゃん」
「身内あまあまアイドル...」
こんなことされてるって捲れたら俺殺されそう。
...まぁそもそも、ガールズバンドに男がいるっていうのもそこそこ殺されそうな要因ではあるが。
「なぁ、初華」
「なに?」
「AveMujica、ずっと続くといいな」
「...うん。ずっとやりたい。さきちゃんと、皆と。碧くんとも」
「...光栄だね」
もう少しだけ、向けられているこの感情には、見ないふりをしたい。
そうでなければ、俺はここにいられなくなるのだから。
世間が、メンバーがどうとか、そういう話ではない。
俺の覚悟の問題だ。
その時が来たら、きっと揺らいでしまうから。
「碧くん?」
「...いや、何でもない。バンド内恋愛で拗れるのは祥が一番嫌がるだろうなって思っただけ」
「...そう、だね。我慢しなきゃ」
「...なぁ、勘違いならいいんだけどさ、俺のこと好きなの?」
そう聞けば、初華は顔を真っ赤にして、消え入りそうな声で「うん」と言った。
「なんで?」
「なんでって...かっこよくて、やさしくて...」
「...ベタベタすぎない?」
「あとは、本当の私を見てくれた。否定しないでくれた。嬉しかった」
「...そっか」
真っ直ぐな好意が眩しい。
もしかしたら
まだ、気づかないフリをしていたい。
「ん、初華。独り占めはよくない」
「わぁ睦ちゃん!?こ、これはその...」
「私も碧を褒めたい。いい子だね」
「...あのなぁ」
...俺はいつからこんなわんこポジションになったんだ?
率直に言って
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おもろい
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おもろくない