millsage書いたからこっちもかくかぁの気持ち
――これは、どういう状況なんだろう。
俺は今、どう見ても小学生にしか見えないような子に引っ張られている。
しかし言葉遣いは大人のそれだ...ちょっとかしこまりすぎな部分はあるけど。
「む?どうした?」
「あぁいや、俺は何で引っ張られてるのかなって」
「少し聞きたいことがあるからだ。黙ってついてきてくれ」
「...うっす」
どうやら逃がしてくれる気はないようだ。
で、引っ張ってるのはさっき会った少女、
どうやらバンドを組んでいるらしい。
「あまり有名ではないのは承知している。もともと持ち前のライブハウスで好き勝手に音を鳴らすだけだからな。別に認知されなくても構わない」
「...見られないのは寂しいでしょうに」
「...かもしれないな。少なくとも、私はまだそうは思わない」
「...そうですか」
ふと、彼女の足が止まった。
「お前もバンドを組んでるのか?」
「俺は...一応、所属は」
「そうか。名前は?」
「...AveMujica」
名前を聞いた瞬間、彼女の顔が少し驚いたように見えた。
「AveMujica...そうか。だからか、お前に聞きたいと思ったのは」
「...えっと、話が見えないんですけど」
「ついてくればいいといったのは私だからな。しばらく連れられてくれ」
「...あいあい」
はたから見たら犯罪みたいな絵面で連れまわされること10分。
「ここだ」
「...アクセサリーショップ?」
「あぁ。別に高価なものがあるわけでもない。入るぞ」
確かに高価なものはない、が。
「...なんか居づらいな」
「そうか?」
「...すっごく店内が女の子女の子してるから...」
ものっそいファンシーな店だった。
思わずドン引いちゃったよね、あぁ。
「気後れすることもない。気まぐれな妹の荷物持ちぐらいに思ってくれ」
「妹...?」
「不思議か?関係性を示すなら不自然だが、別に根掘り葉掘り聞かれるわけでもあるまいに」
「...そっすね」
本当に幾つなのこの子は、俺より大人だよ?
「それがいやなら姉でもいいぞ。余談だが、私はお姉ちゃんと呼ばれたことがないので、呼んでくれてもかまわない」
「いやかまうでしょ。んで、ここでの目的は?」
「バンドメンバーへの贈り物だ。家族への感謝の気持ち、とも言う」
「家族...?」
「蕾叶が...うちのリーダーが言ったんだ。私たちは家族だって」
若干斧持って殴り掛かってきそうな巨漢がチラついたが、そんな輩ではないだろう、きっと。
「そこで、お前だ」
「...何故?」
「生憎私はそういうものに対して疎い。お前の意見を求める」
緩めに指をさされ、店内を軽く見渡す。
「...無難に、ネックレスとかでいいんじゃないかな。別の意味はあるにはあるけど、そこまで深読みしないと思うし」
「...束縛、か?」
「あんたそういうの知ってるのね、じゃあ別にいいや」
「...いや、いいアイデアだった。私たちにぴったりなものを見つけたからな」
彼女が見せてきたのは鍵がついたネックレス。
「家族だから鍵、か。いいんじゃないかな」
「私にしては冴えていると思った。早速買って来よう」
「...俺が出そうか、それ」
「む、いいのか?」
「...なんかの縁だ」
感謝する、という言葉と共に手渡されたネックレスをもって足早に会計していく。
意外といい値段するのね。
「あい、お待たせしました」
「早かったな。ありがとう」
「...気に入ってくれるといいな」
「あぁ」
後日、交換した連絡先から写真が届いた。
曰く、「家族の証が増えた。私は幸せ者だ」とのことだった。
にしても、初めて会った気がしない。
あの感じ、何だったんだろう。
続かない