迷う心の在り処   作:ユイトアクエリア

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2か月過ぎちゃった、ごめんなさい


4/7:八幡海鈴

「碧さん、少しいいですか」

 

練習終わり、海鈴に呼び止められる。

 

「ん、どうした」

「明日、お時間ありますか?」

「明日はオフだし...あるよ」

「では、私の用事に付き合ってください」

 

 

と、いうわけで来たのはRiNG。

持ち物はベースのみ、まさかとは言うまい。

 

「おや、早かったですね」

「待たせるのもあれでしょ」

「いい心がけです、では行きましょうか」

 

ふと気になって、わざわざ事務所のスタジオではなく、RiNGを使った意味を聞いてみた。

 

「この方が、お忍びデート感が出るでしょう?」

「ベース背負ってるパンクな女の子は海鈴しかいないんだよ」

「AveMujicaファッションが流行ってるとか聞きました。にゃむこから」

「それはあくまでステージ衣装の話な、あとにゃむちだぞ」

 

距離感が近いと言われれば返す余地もないのだが、クラスメートで同じバンドだとそうなってもおかしくはない。

何よりスタジオ内ならだれも見てない。

 

「ところで、今日が何の日がご存じですか?」

「4/7...誕生日?」

「正解です。ところでそうだとわかっているなら、何かプレゼントの1個でもあるということですか?」

「...や、ごめん。ない。というより、何あげて喜ぶかわかんなくて」

「碧さんならそんなことだろうと思って、今日は前もってRiNGに来たんです。正解でしたね」

 

この2手3手先を読んでる風に見せてるのは何なんだ、信用のためのサポート撤退すらライブ感で決めてただろうに。

 

「要は俺の時間をくれってこと?」

「さすが碧さん。学年5位は伊達じゃないですね」

「読心術は教育外だよ」

「まぁ、細かいことはいいですね。早速始めましょう。ハイパーベーシストによるベースティーチングです」

「...うっす」

 

もう、どうなってもいいか。

 


 

「とはいっても、碧さんは一通りギターが弾けるのでそこまで躓くことはないと思います」

「まぁ、ギターができりゃみたいなことは聞くけどさ。ほんとかそれ。逆の方が楽って聞くぞ」

「信用してください」

「できねえよこればっかりは」

 

すっかりメンバーからの信用を気にするようになってしまった海鈴だが、ベースの腕は落ちない、どころか上がってるまである。

祥子が直談判したのもわかるな、顔がよくてうまいベーシスト、そうそういない。

 

「まぁ、きれいな顔してるので」

「そうだな、逆によくMVであそこまで歪められたのかは気になるよ」

「知りたいですか?」

「いやいい。ただでさえいい顔に囲まれてるのに歪ませたら批判卒倒だ」

「碧さんもいい顔してますよ」

 

忘れてたわけじゃないが、海鈴はイケメンフェイスだ。

近づかれるとドキドキする。

 

「2時間もあればできるものですね。合格です」

「...それ、は、光栄だね」

「ドキドキしましたか?」

「...そういうとこだぞ、信用なくすの」

 

ギターほど多いわけではないが、ベースにもコードがあって、一通りそれを弾けるようになった、というところで、利用時間制限が来たようだ。

 

「おや、時間ですか。もう少し教えたかったのですが」

「結構基本は身についたよ、ありがとう」

「いえ、礼には及びません。先ほど言ったとおり、碧さんの時間をいただいたので」

「俺はもうちょっと付き合えるけど」

「ならもう少し...とはいけないんです。急用が入ったので」

 

少し顔が綻んでいるところから、立希かと思ったが言わないでおいた。

 

「了解、じゃまた...明日?」

「そうですね。また明日。たまにベースセッションもしましょう。今日はありがとうございました」

「はいよ」

 

 

――後日、ちょっといいハンドクリームをあげた。

肌荒れしたとこは見てないから、多分肌に合ったんだと思う。

よかった。

 

 

 

 

 




(足)長ぇって!!
うみりんはつかず離れずの距離感だと思ってるけど
多分ライン超えたら信用モンスターになるんやろな
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