「っ...すぅ...」
眠い。
ひたすらに眠い。
日付が変わる前にベッドに身を沈め、目を閉じたのにもかかわらず、結局日付が変わっても意識が落ちることは無かった。
「...いって」
眠気が限界に達して足がふらつき、掃除用具ロッカーに肩がぶつかる。
そのままふらふらと自分の席に座り、カバンを枕にして意識を落とした。
「三角さん、おはようございます...おや?」
「海鈴ちゃん、おはよう...?何見てるの?」
「あれです」
海鈴が指さした先を初華が追うと、カバンを枕に寝息を立てる碧の姿。
「神崎くん、どうしたんだろうね」
「十中八九あのライブでしょう。無理もないです」
「...そっか」
海鈴は手に持ってる紙パックに何かを書いて、それを碧の上に乗せた。
「何書いたの?」
「ラブレターです」
「...え?」
「冗談です。まぁ、エールですね。彼が起きてそれを見るかはわかりませんが」
程なくしてホームルームが始まったが、まだ碧は寝息を立てたまま。
教員に出席簿で軽く叩かれ、ようやく目を覚ました。
「おはようございます碧さん。眠気は取れましたか?」
「ぁ...たぶ、ん...?」
たかが数十分の睡眠を繰り返したところで眠気なんて取れるわけもないのだが、不思議と意識ははっきりしている。
まだ瞼を含め体全体は重いけれど。
目から入る情報は昼前だというぐらい。
耳から知れる情報はすぐ近くに海鈴がいることぐらい。
「...『おや、まだ微かに人間の匂いが残っていますね』」
「っ!?」
今のは誰だ?
目線を動かしても、ベースを操るマスクの少女はいない。
「う、みり...?」
「はい、海鈴です。ようやく名前で呼んでくれましたね」
「いや、今...なんか」
「眠気は取れたようですね、良かったです」
今の、なんだ?
海鈴の口から仮面のベーシストの声がした。
やっぱりそういうことなのか?
海鈴がティモリスと名乗った少女なのか?
「海鈴、さっきの...」
「おや、すみません。サポートの時間なので、失礼します」
逃げられた。
関係があるであろう初華ももういない。
2人そろって仕事?
いや、それはない。
だったら。
「...やっぱ、そうなのか」
仮面のステージのチケットを持っていたのは、彼女らが関係者だから。
ならなんで、俺に渡した?
仮面をしているのは理由があるはずだ。
少なくとも雰囲気作りだけではないはずだ。
「...やめよ」
机の端っこに避けてた紙パックを取って一気に飲み干す。
「...?」
指の腹に違和感。
裏側を見てみると、何やら書いてある。
『助けてください』
「...は?」
オリジナル展開を入れて早々に完結させないと
アニメが始まると設定に齟齬が生まれてPredere Omniaしなきゃいけなくなるので