「助けて...?」
紙パックには丁寧にそう書いてある。
何かされた?
「何を助けたらいいんだ...?」
と、携帯が震える。
『放課後暇なら、ここにお願いします』
と、マップが送られる。
「家...?」
誰かの家の座標だった。
海鈴の家?
「...分かんないけど、とりあえず授業は受けよう」
当然、その後の内容は1割も入ってこなかった。
どうにか睡眠まで至らず6限まで受けきり、足早にさっき送られてきた座標へ向かう。
花咲川からは結構遠く、逆に羽丘とか、月ノ森の方が近い印象を受けた。
「おや、早いですね。さっきぶりです、碧さん」
「まぁ、呼ばれたし。ここは...海鈴の家?」
「いえ、まぁ行きましょうか。関係者と言ってあるので、もし説明を求められたらそう言ってください」
「...りょう、かい」
正門を潜り、玄関口のインターホンを海鈴が押す。
程なくして玄関を開け出てきたのは。
「...あがって」
「失礼します。碧さんも」
「しつれい、します」
...若葉のお嬢さん?
なんでだ?海鈴とどういう関係が...?
「あの、さ。スケールがデカすぎてついていけないんだけど」
「最初に来たときは困惑しましたが、もう慣れましたので。碧さんもじき慣れると思います」
「...通うことになるの?」
「それは、プロデューサー様の意見次第ですかね」
通された先には滅茶苦茶広いリビング。
そんなに小さくない俺の部屋が余裕で3つは入りそう。
「こんにちは、
「ご苦労様でしたわ。あなた、お名前は?」
「...神崎、碧」
「碧さん、ですね。ギターの腕前は素晴らしいと聞いていますわ」
「いや、そんな。あの時の感覚なんてもう忘れたので」
海鈴はこの豊川さんという人にどういう説明をしたのだろう。
「自己紹介が遅れました。私、豊川
「ど、どうも...」
何がどうなってるのか1㎜も理解できない。
当事者である海鈴はどっか行ったし、この家の令嬢もいないし。
「えっと...なんで俺をここに?」
「...なにも、聞いてないのですか?」
「...学校が終わったらここに来いって言われただけ、なので」
「そうですの。でしたら、私から説明させていただきますわ。お掛けになって」
「はい...」
テーブルを挟んで対面する。
「神崎さん。あなた、バンドの経験は?」
「ない、です」
「では、なぜギターを?」
「...親のお下がりで」
親が使ってたギターはもうないけど。
「ではギターは独学で?」
「まぁ、そうですね」
「なら、好都合ですわ」
豊川さんの口元が歪んだ。
「碧さん」
「...はい」
「私たちの正体は、もう知っていて?」
「...仮面の、バンド」
「その通りですわ。そして、これは契約ですわ」
「契、約?」
悪いことを企んでいる顔、いやそれよりももっとどす黒いことを考えている笑みを受けた豊川さんが口を開いた。
「ーー残りの人生、私にくださいませんか?」
怒られろ?
うるせぇこれは二次創作だ