迷う心の在り処   作:ユイトアクエリア

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思いついたはいいものの1000字を埋めるに至れなかったネタ3つを小話として書いた
文章力が欲しい


14.123:ヘイワナヒトトキ

小話1:俺と仮面と世界観

 

「ところでさ」

「何でしょうか」

 

4th masqueradeの打ち合わせ後、ふと気になったことを豊川に聞いてみた。

 

「俺って後ろ向いてるじゃん」

「そうですわね」

「仮面は世界観で守られるけど、初華...ドロリスとの身長差がさ」

 

俺が言おうとしてることに意図が掴めないのか、豊川はきょとんとしている。

 

「...というと?」

「いや...180超えてる女の子ってそうそう見ないじゃん?だからさ、その...理由づけどうするのかなって」

「ご心配なく。このご時世ですから」

「ご時世...まぁそれで行けるか」

 

(肉体)中身()の性別が違うなんていちいち咎めないか。

 

「...俺の初登場、めっちゃ俺って言っちゃったけど」

「一人称が俺の女性だっていらっしゃいますわ、おかしいことではないでしょう」

「...それもそうか」

「疑問は晴れまして?」

「お陰様で。時間とらせて悪かった」

 

お礼を言ってその場を後にしようとすると、「でも」と背中に投げかけられる。

 

「でも?」

「...ノリノリなのは結構ですが、頭を左右に振るのは...」

「...さんざんヘドバンしてるのに...?」

「お黙り、ですわ」

「...分かったよ」

 

結局4thでも頭をぶんぶん振って怒られるのは別の話。

 

小話2:俺と仮面と担当楽器

 

バンド練習の10分休憩、俺とドラム以外が水分補給でスタジオから出て行った。

 

「ねーあおこ」

「あお、こ?」

 

若干疑問符を付けながら、音源の方に振り向く。

ドラム、アモーリス。

表の顔は動画投稿者「にゃむち」、本名を祐天寺にゃむ。

 

「名前に「こ」がつくと可愛いんだよ?ういこ、むーこ、うみこ!」

「...で、ひとりだけ「ち」なのは触れませんけど、なんですか?」

「あおこってドラム叩けるの?」

「やったことは...無いですね」

 

記憶の限り、ドラムを叩いた経験はない。

 

「ギターもベースも勝手違うのに弾けるからさ、ドラム叩けちゃったりしないかなーって」

「...仮に叩けたとして、ドラムはサポートしませんよ」

「えー?なんでよー?」

「ダブルギターは良い、ダブルベースはまぁまだわかる、でもダブルドラムは聞いたことないですし」

「違うよ、あたしと代わるの」

「もっと嫌です、暇な時間絶対動画撮るでしょアンタ」

 

そう言えば、彼女はギクッという効果音が聞こえそうなほど顔を引き攣らせた。

 

「い、いやぁ~?ほら、ドラムって疲れるしぃ~?」

「上手い人は疲れないらしいですよ、叩き方でも見直せば十何曲ぐらいできるようになるでしょ」

「うー...あおこ手強い」

「...仮に俺がドラムやっても、みんなに迷惑がかかるので」

 

愚痴の様にこぼしたのを彼女は目聡く拾った。

 

「おっと?そっちが本音かな?」

「...本音、というか。部外者の俺が世界観壊すなんて、あっちゃいけないでしょ」

「うわー真面目。やってけないよ?」

「もう壊れてるんで気遣いは結構ですよ。『破滅(Ruinas)』なんでね」

「...ふーん」

 

こんくらい重い縛りを貰ってた方が、俺は戦える、気がする。

 

「じゃあ今度ドラム練習しようよ!」

「しません。したとしてあんたとは代わりませんよ」

「ケチー」

「ケチで結構」

 

小話3:花咲川の一幕

 

「はー...さっむ」

 

手袋を付け忘れた。

おかげで手全体の感覚がない、昇降口の自販機で買ったホットコーヒー缶を手で包んで、暖をとる。

 

「おはようございます、碧さん」

「みぎゅっ!?」

「面白い反応ですね、立希さんもそれくらいだと面白いのですが」

「真冬日の首ピタはダメでしょ、どう考えても」

 

俺の首筋に紙パックを当てて、そのままそれを飲み始める海鈴と、それを見て引き気味で苦言を呈する椎名。

割とこの風景がいつも通りだったりする。

 

「はー...ぎゅっ!?」

「あはは、ぎゅって」

「...アンタそういうことする人だったか?」

 

2度目の強襲は初華によるもの。

しかし、そんな事をする人ではなかったような。

 

「うーん、反応が面白かったから?」

「アイドルスマイルで躱そうとしないでもらっていいですか、めちゃくちゃ冷たいんですけど」

「じゃあ、はい」

「...人目は気にしてくれ」

 

今度は俺の首筋に両手を当て始めた初華。

バンド練の時ならいいが、今は学校だ。

 

「え...二人ってそういう関係なの?」

「アイドルがスキャンダルはまずいのでは?」

「...温めてるだけだよ?」

「...十分温まったから離してくれ、その二人とその他多数の視線が痛い」

 

居た堪れなくなったので教室を出る。

登校時に買った缶コーヒーは、すっかりぬるくなってしまった。

 

 

 




実際バンドの楽器何でもできるスーパーハイスペック(ウー)マンは存在するのか
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