と思ったら続編生えちゃった!!
だからって終わらせるわけじゃないぜ(?)
翌日、初華を抜いたムジカの4人を会議室に集めた。
初華...初音とは通話を繋げて、別室にいてもらっている。
本人へのあれこれを言われる前に俺が矢面に立つべきと、俺が勝手に判断した。
「さて、集まってもらったのは他でもない。結構大事な話をするためだ」
「大事?ういこがいないのと関係ある?」
にゃむが部屋を見回して言う。
「そ、本人の許可は取ってる。この場に本人がいないのは...精神的なあれだ」
「私達からどう言われるか分からないから、一旦退避、ということですか」
...見間違いじゃなければ、ちょっと寂しそうに見えたな。
「そういうこと。じゃ、語弊がないようにまとめたのを簡単に話すぞ」
初音が豊川の血縁であることは、言わなかった。
「...初華が」
「三角さんの名前は初華ではなく初音で」
「今までずっと言ってなかった、ってことだよねぇ」
「...大分、飲み込むのに時間が必要ですわね」
まぁ、無理もない。
電話の向こう側の彼女は、大丈夫だろうか。
「じゃ、率直に聞こう。どう思った?」
「どう、とは?」
「我らのフロントが名前を偽っていたことについて」
少し嫌な聞き方をしたが、これも真意を聞き出すため。
後で詰められるのは、俺一人だけでいい。
「...名前がどうあろうが、彼女は大事なメンバーですわ。それに変わりはありません」
「...今までと、一緒」
「ういこだろうがはつこだろうが変わんないし」
「...信用、されてなかったんですね」
海鈴の言葉で、気が抜けてしまった。
「海鈴、信用で落ち込むのやめようか。誰でも言えることじゃないんだから」
「...まぁ、そうでしょうけど。でも、三角さんは三角さんです」
「...だってよ、初華」
ポケットに忍ばせた携帯を取り出して、問いかける。
程なくしてドアが開き、おずおずと初華が入ってきた。
「えっ、聞いてたの?」
「初華を責めるのはなしだぞ。全部俺がやったことだ」
「でも、聞いていたならわかるでしょう?これからも変わりませんわ、初音」
「さき、ちゃん」
祥子の言葉で緊張が解けたのか、その場にへたり込む初音。
「...隠し事はもうなさそうだし、祥子、後で時間くれ」
「分かりましたわ」
ツアーで披露した新曲や、諸々の合わせを終え、祥子と共に別室に移動する。
「それで、話とは?」
「...初音のことだ。これはみんなの前で言うことじゃないと思って」
祥子は疑問符を浮かべた顔をする。当然だ。
「結構衝撃的なことを話す。覚悟はあるか?」
「えぇ」
「じゃあ、簡潔に。初音はあんたの爺さんの子だ」
「...え?」
飲み込めないのも、よく分かる。
「つまり、隠し子...?」
「豊川からしたらそうなるのか。じゃあそうだな」
「...そう、ですの。なら」
祥子はいきなり立ち上がった。
「これは、初音と碧以外、知らないことですのね?」
「...どうなんだろうな、初音が初華を名乗ってsumimiが出来てたのは、少なからず爺さんの力添えあってだろうのことだし。推測だけどな」
「とすると?」
「事務所には話が通ってるんじゃないかなって。もちろん守秘義務だから外には漏れない」
「と、すれば」
祥子が何か企んでいる顔をする。
「これは、使えますわね」
「使える?」
「隠し子がいたとなれば、グループの沽券に関わりますわ。そんなの、使えるに決まってるじゃありませんか」
自信満々に言う彼女を見て、そうだ、祥子はそういう子だったと思い出す。
「...碧?何を笑っているんですの?」
「いや、祥子はそういう人だったなって思い出しただけ。仮に解散なんかしても、祥子はきっと挫けなかっただろうな」
俺がそう言うと、祥子は「いいえ」と、かぶりを振る。
「あなたがいなければ、ここまで持ち直さなかったし、解散もしていたでしょう。あなたのおかげですわ。ありがとう」
「...いや、俺は何もしてないよ」
直接的に手を下したものは一つもない。
メンバ―各個人が、あるいは俺じゃない
俺は何もしてない。
「碧。感謝は素直に受け取るべきですわ」
「...そうだな。ありがとう」
「もっと嬉しそうにしてくださいまし」
「...それが出来たら、苦労しないんだ」
素直に受け取るべき、俺がずっとできないこと。
俺がずっと、恐れていること。
「碧。あなたが言ったんですのよ?隠し事はなしだって」
「違...くはないのか。まぁ大したことじゃないよ」
「言ってごらんなさい」
「お礼の裏、勘ぐっちゃって怖いんだ」
ただそれだけ。
「...感謝しているのが分かる。でも、余計に何かあるって思っちゃって」
「...では、表立って言いますわ。私の「ありがとう」は「これからもよろしく」の意を込めてますわ」
「...なんかズレてる気がするけど、まぁいいか」
祥子は、こういう人だ。
何も知らない俺が、言えたことじゃないけど。
豊川祥子、豊川祥子神とかになってレベル10億とかになりませんか?
なりませんか()