「...ん、来たな」
「まぁ、来いって言われたし」
事務所のロビーに集まる、ばらばらの制服集団。
名を『MyGO!!!!!』、今をときめくガールズバンド。
「スタジオ案内するよ、こっち」
「事務所って広ー...」
「うちはまだそこそこな規模だからあれだけど、でかいとこはもっとでかいよ」
今回は、来月に控えている合同ライブの打ち合わせに来てもらった。
「到着、ここなら自由に使って大丈夫。
「祥子のやつ、ほんとに神様なんて言ったんだ」
「私が神になりますわ!とか言ってたよ。まぁ神様も万能じゃないから、俺がいるんだけど」
雑談を挟みながら、手早くセットしていく。
...だいぶ早くなったな、俺。
「あ、あの」
「ん、どうした?」
「...祥ちゃんと、話せますか」
「...今日はそのために来てもらったからね。今すぐの方がいい?」
彼女の首が縦に振られる。
「OK,ちょっと待ってて」
端っこに移動して、祥子に直接電話する。
これができるのは、ムジカメンバーである特権だな。
...まぁ、スタッフ枠でもできなくはないけど。
「もしもし、神様?」
『...そう呼ばないとダメなんですの?』
「高松が話したいって。準備できた?」
『えぇ、整っておりますわ、いつでも』
「はいよ」
電話を終え、MyGOを連れ立ってスタジオを出る。
「んじゃ、行こうか」
「ここの2階が会議室フロア...んであっちがお手洗いで、あっちがフリースペース...ん」
会議室への案内がてらあたりを歩いてると、見覚えのある黒髪。
手を振りながら小走りでこちらに寄ってくる姿に、愛音が声を上げる。
「sumimiのまなちゃん!?なんで!?」
「まぁsumimiも同じ事務所だし。おはようございます、まなさん」
「まなでいいって言ってるのに~、MyGO!!!!!のみんなもおはよー!」
愛音以外は勢いに圧されてるみたいだが、愛音はサインください!まで言う始末。
いやまぁ、分からなくはないが。
「あ、ういちゃん少し借りてるから、ちょっと遅れるって言っておいてもらえる?」
「了解です。じゃまた後で」
ムジカのシックスマン兼マネージャーもだいぶ慣れてきたな。
子慣れた対応を見てか、立希が呟く。
「...なんか、ちゃんとメンバーじゃん」
「ちゃんとメンバーだよ、『ルイナス』だからな」
「いや、そうじゃなくて、その」
「『馴染んでておかしい』とか思ってるんじゃない?」
言いづらそうにもごもごする立希に、そよの援護射撃が入る。
「思って、は...いや、ごめん。ちょっと、思ってる」
「思ってんかい。まぁいいよ、デビューの時にも言われたし、だいぶ慣れたし」
心臓のあたりを親指で指す。
「
「あお、いいかお」
どことなくどや顔のように見える楽奈に笑いかけてから、このフロアの中で一番大きい会議室のドアを叩く。
「神崎、以下MyGO!!!!!、入ります」
ドアを開けると、祥子の頬を突いているにゃむと、止めることなく見守る海鈴と睦。
「そんな軍隊みたいな入り方しなくても」
「神様の御前だからな。ちゃんとしないと」
いうと、祥子の頬を堪能していたにゃむが手を離す。
「じゃあ、神様をいじり倒すあたしらって不敬罪で死刑かなぁ?」
「...祥は、そんなことしない」
「そうですよ、豊川さんへの信用が足りませんね」
「信用云々じゃないと思うけどなぁ...あ、初華少し遅れるって」
「了解ですわ」
デビュー当時の剣呑な雰囲気は鳴りを潜め、すっかりガールズバンドになった。
決して悪く言いたいわけではなく、危うさがなくなった、という意味だ。
「...祥、ちゃん」
「...燈、久しぶり...でもないですわね、学校で会ってますもの」
「...でも、久しぶり」
「この姿では、そうですわね」
何も姿は変わっていないが、『バンドとしての』というのが省略されているんだろう。
少し浮遊感のある空気が、ドアの音で消える。
「すみません!sumimiの方で遅くなっちゃって!」
「問題ありませんわ。今から始めるところですので」
祥子の目の色が変わる。
過去を懐かしむ色から、未来を見据える色へ。
「皆様、お集まりいただき、ありがとうございます。これより、合同ライブの企画会議を、始めさせていただきますわ」
このルートだとImprisonedないんだよな、初音のくそデカ感情を拗らせてないから
碧め、神曲を1つつぶしたな(???)