迷う心の在り処   作:ユイトアクエリア

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在り処ルートだとImprisonedできなかったので
ここで作ります(?)


35:Imprisoned

事務所のロビー。

高松に再びの道案内中。

 

「燈ちゃん」

「ぁ、えと...」

 

覚えてなさそうな高松に助言する。

 

「三角初華、これから一緒にライブやるんだから、覚えなよ高松」

「...ぅん、えっと、なに...?」

「燈ちゃんって、どうやって歌詞書いてるの?」

「ぇ...っと、思った、ことを、書いてる...」

 

と、ノートを差し出す高松。

 

「ほぁ~...へぇ~...ふぁ~...」

「初華、溶けてる」

「...あっ!うん、すごかった...私とは違う、燈ちゃんが作る、世界...」

 

同じボーカル、求められる世界を創る者と、自分の世界を創る者の違い。

 

「初華ちゃん、も...書いてみたらいい、と思う」

「わ、私に、できるかな...?」

「空き部屋ならあるぞ」

 

部屋の鍵を差し出す。

 

「私には、そんな」

「祥子のメロディからくみ取って歌詞を書くのもすげえと思うぞ。俺にはできない」

「私も、すごい、と思う。その、詩は、伝わるから」

「詩は、伝わる」

 

初華は燈にノートを返すと、俺の手から鍵を奪っていき、その足で部屋に転がり込んでいった。

 

「大丈夫、かな」

「あいつなら、平気だよ」

 


 

高松はバンド練に行ったので、今は休憩中。

 

「あら、碧。初華を見ませんでした?」

「そこの部屋でインスピレーションをスマホにぶつけてる」

「...というと?」

「高松のノート見て、何かひらめいたんだってさ」

 

俺がそういうと、祥子がうんうんと頷いている。

 

「燈の歌詞は確かに素晴らしいものでしたわ。私も張り切って作曲したものです」

「だから心の叫び(CRYCHIC)か。なるほど。ところで、もう一曲増えるっていったら、どうする?」

「もちろんセトリに入れますわ。その場合はMyGO!!!!!の皆様にももう1曲出していただかなければなりませんが...」

 

と、MyGO!!!!!専用のスタジオから誰かが出てくる。

 

「ん、長崎」

「そよ。お疲れ様ですわ」

「祥ちゃんに神崎さん、お疲れ様です」

 

ご丁寧に頭を下げる長崎。

前に一度見た時より、だいぶ鳴りを潜めているような...。

 

「碧でいい。それと、余所行きの仮面は早々に外した方がいいぞ」

「...碧くん、愛音ちゃんとそっくり」

「誉め言葉として受け取っとくよ」

 

バチバチしてるように見えたのか、祥子が止めに入る。

 

「その...お二人は、仲があまり...?」

「いや、そういうわけじゃない。お互い遠慮しないだけ」

「初対面で見抜かれたから隠すのも面倒なだけ」

「そう、ですの...よかったですわ」

 

...毒気が抜けるとは、このことだろうな。

 

「で、二人は何してるの?休憩中?」

「えぇ。といっても、すぐ作曲に...あっ、そうですわそよ!」

 

思い出したかのように、祥子が長崎の手を取る。

 

「な、なに...?」

「MyGO!!!!!として、演奏できる楽曲は5曲だけですか?」

「え、えっと...その、ないことは、ない、けど...」

「はっきり言いな、あるけど祥子に悪いのが1曲、恥ずかしくて思い出したくもないのが1曲って」

「何で知ってるの!?」

「そりゃライブ行ったからに決まってんだろ」

 

AveMujicaのトリガーとなったあのライブも、MyGO!!!!!のトリガーとなったあのライブもちゃんと観た。

 

「っ...そういうわけだから、祥ちゃん、もう一曲はあきらめて...」

「前はともかく後ろはできるだろ。忘れたっていうならライブ映像もあるぞ」

 

退路がなくなったと悟ったのか、長崎は大きなため息を一つ。

 

「幸せ逃げるぞ」

「誰のせいだと思ってるの?...とにかく、その件はみんなに聞いてみるから」

「えぇ、お願いいたしますわ」

 

じゃあねと手を振って戻る長崎を見送ると、ちょうどよく初華が出てくる。

 

「祥ちゃん!歌詞、できた!!」

「早っ」

「ほんとに早いですわね!?」

「燈ちゃんのノート読んで、どんどんアイデア湧いてきて...その、読んで、くれる?」

「えぇ、もちろんですわ」

 

初華のスマホを受け取り、読み進めていく祥子。

その顔がだんだん酸味を摂取したような顔になっていく。

 

「祥子?」

「祥ちゃん?」

「その、とても、気持ちが乗ってる詩ですわね」

「俺も見ていい?」

 

許可を取り、祥子の横からのぞき込む。

 

「...わお」

 

なるほど、こうなるのか。

わかってはいた。

「祥ちゃんは光」と言っていた初華...初音の心の内を曝せば、こうなると。

まさか、こんなにも直球だとは。

しかも、作詞者の独特の語彙で中途半端に美化されている。

祥子のあの顔も、わからなくはない。

 

「碧くんの意見も、参考にしたんだ」

「俺?」

「『ちゃんと伝えろ』って、言ってくれたから」

「...そうか。で、祥子、曲かけそう?」

「...やってやりますわ。わたくしは、AveMujicaのオブリビオニス、豊川祥子ですわ!!」

 

 

 




10話のImprisonedで泣くし、
12話の特殊ED:KiLLKiSSで鳥肌は立つし
13話の天球で涙が枯れる

あるあるだと思います
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