ルイナスが右手を前に、左手を後ろに回しながら礼をすると、小さい拍手が3つ起こる。
「問題点はぱっと見つかりませんでしたが...」
「初めてなのにすごかった、ね!祥ちゃん!」
「えぇ、もう少し改良すれば、オーディエンスに見せられるほどの舞台になるでしょう。ですが...」
祥子が拍手をしなかった2人に目線を向ける。
「あたし、演技志望だったから言いたいんだけど。というか言わせてもらっていい?全然下手だよ」
「...にゃむ、言い過ぎ。でも、まだ全然なのは言う通り」
演技が達者な2人にそう言われて、MyGO!!!!!のテンションは少し落ちる。
「ま、だろうと思ったよ。ムジカでさえプロを呼んでやっとだったんだし、アマが教えりゃこんなもんって再確認できた。っていう進捗でどうだ?」
「...まぁ、それでいいでしょう。皆様もそれでよろしくて?」
「ま、いいんじゃない。じゃ、私たち練習あるから...おい野良猫、寝るな」
「つかれた、ねる」
立希に引きずられるようにして、楽奈が出て行って扉が閉まる。
と思ったら、立希の顔だけ扉から出てきた。
「祥子、神崎借りていい?」
「えぇ。なにか?」
「ギターが寝たから合わせらんない。神崎、来て」
神様に目配せすると「どうぞ」とだけ言われたので、MyGO!!!!!用のスタジオに向かった。
「サポートギターしに来たよ」
「2,3曲合わせて。スコアは貸すから」
「了解」
いつもは楽奈がいる場所。
準備をして、深呼吸を一つ。
破天荒なギター奏法。
楽奈の動きを。
落とし込む。
自分のギターに、できる限りのことを落とす。
――力貸せよ。
『――?』
――合わせるなら、お前がいい。
『――。――?』
――任せた。
「うるさい野良猫!まだ準備ちゅ...え?」
確かに、今目の前のギタリストからいつも目の前にいるギターの音がした。
けれど、今いるのはあいつじゃない。
「立希ちゃん?どうしたの?」
サポートで呼んだだけ、あいつは期待に応えようとしてくれる。
でも、この不安感は何?
「立希ちゃん?」
「...いや、なんでもない」
かぶりを振って思考を追い出す。
スティックを握りなおし、深呼吸。
「行くよ」
スティックを打ち鳴らし、カウントをとる。
曲は焚音打、いくらプロでやっているって言ったって、難しい曲のはず。
「え――」
涼しい顔で弾いている。
と、いうより。
「楽奈...?」
そんなはずはない。
楽奈は会議室の隅を借りて寝かせている。
だから、そんなわけはない。
なのに。目の前にいる神崎のギターは。
紛れもなく、うちのギターの音。
気づけば曲は終わっていて、その時になってようやく目の前のギタリストに夢中になってることに気づいた。
「りっきー?お水飲んだ?」
「立希ちゃん、これ...」
「...燈、愛音...そよも、集合」
水を持ってきてくれた燈と愛音、そよも呼びつける。
「なになに?」
「...神崎のこと、どう思う?」
そう聞くと、そよがため息をつく。
「この状況でする話じゃないよね」
「違う、神崎の音の話」
「...楽奈ちゃんの、音」
どうやら燈には伝わったらしい、ありがとう。
「どういうこと?」
「碧さんが楽奈ちゃんの音を真似してるってこと。普通はできないんだけどね」
「でも、あいつはできる。あいつが本当に神崎なら、追いつくので手一杯だから」
スコアも見ず、楽奈のパフォーマンスさえやって見せた。
「お前、誰」
『よっ、久々』
「...ルイ、ナス」
無意識に後ずさる。
それを見て、ルイナスは苦笑いをする。
『別に不調じゃなくて、ただの交代だよ。さ、やろうぜ』
どうして今年のアニメは何かと他作品で例えられるのでしょうか
AveMujica然りGQuuuuuuX然り