「おはよーございまぁ...」
朝6時。
準備のためにステージへ向かう。
さすがに会場には一番乗り...
「おはようございます。碧」
ではなかった。
「おはよ...さすがプロデューサー、早いね」
「えぇ、神の威光を見せなければなりませんもの」
「そんな気張るなよ、せっかくのMyGO!!!!!とのステージだ」
「わかっておりますわ。適度に休息は取るつもりです」
そういうことじゃないんだけどなぁ、とか思ってると、パタパタと足音がする。
「祥ちゃん早いよぉ...」
「ゆっくりしていても良いと言ったでしょうに。とはいえ、おはようございます、初華」
「おはよ、初華」
「...うん、おはよう、祥ちゃん、碧くん」
3人で目を見合わせて、口角を揃って上げた。
なんだか、悪いことを企んでる気分だ。
午前11時。
ムジカは全員集合、迷子はどっかの野良猫がまだ来てないとかで少し気が立ってる様子。
「あいつ...マジで今日だけは遅刻とかすんなって言ったのに」
「楽奈ちゃんにそれ言うの結構無駄じゃない?」
「言わないより言った方がマシでしょ」
高松だけが蚊帳の外だ。
少し話してみるか。
「...高松、楽奈は来ると思うか?」
「...来る、と思う。楽奈ちゃん、今日、楽しみだって」
「...じゃあ、来るかもな」
とは言ったものの、来ないの方に天秤は傾きつつある。
立希は祥子に相談している。
「...最悪来ないかも。ごめん」
「...まぁ、手はありますわ。その時はその時ですわよ」
祥子が一瞬こちらに目線をやった。
...ま、そうなるよな。
本番3時間前。
「はぁ!?熱!?」
立希が電話しながら驚いている。
まぁ、そんな気はした。
「...祥子、ごめん」
「想定外、ですが想定内ですわ。プランBで行きましょう。碧」
「...サポート代とか出る?」
「何をふざけたことを。友人の手伝いで金銭を要求するのですか?」
「...冗談」
2割ぐらいは冗談じゃなかったが、まぁいい。
2日間あるんだ、1日ぐらいなら持たせられるさ。
「...神崎君、出るの?」
「不安か?」
「...ちょっとだけ。楽奈ちゃんじゃ、ないから」
「音は近づけられるように努力するよ。存在感は隠せないしな」
高松の不安もわかる。
いつだかのサポートで海鈴が入った時も、思うように声が出ていなかったというし。
「立希、スコア貸して。今日やるやつ全部」
「...あいつ、出てこない?」
「...もう病まねえよ。ご要望とあらば」
「呼ばないから。神崎のままでやってよね」
言葉とともに、差し出されるタブレット。
「サンキュ」
「壊さないでよね」
「誰が壊すか」
3時間もあれば覚えられる。
さて、やろうか。