死にませんし死なせません。
彼がいなくなるということは、ムジカ崩壊を意味するので(デカ主語)
修正:祥子の誕生日表記の誤記修正(1/14→2/14)
「...え?」
「いま、なんと?」
いやまぁ、そういう反応になるよなぁ。
俺も最近知っておんなじこと聞いたもん。
「まぁ、言ったまま。誕生日もその日に預かったかららしいよ」
「で、ですが。それでは同じ学年なのが説明が...」
「俺も思ったんだよねぇそれ、だから聞いてみたんだ。んで出てきたのが...これ」
写真を見せる。
「...これ、祥?」
「そ、でこっちが俺。なんとびっくり
「...キャラ変わってません?」
「いや深夜テンション」
までも呪術的な繋がりはないのであらゆるデメリットの肩代わりは不可能と。
うーん残念。
「...いつ、知ったのですか?」
「一週間ぐらい前ぐらいかな、知らん番号から電話かかってきてさ。誰かと思ったら祥子の爺さん!びっくりして危うくケータイ落としかけたよ」
いつも非通知なら出ないのに、なんか今回は出たほうがいいと思ったんだろうな。
「...電話?珍しいな...もしもし?」
『...神崎碧の電話で間違いないか?』
電話口から聞こえてきたのは老人の声。
特別しゃがれた若者の可能性もなくはないけど、一旦除外した。
「はい、そうですけど...あの、どちら様で...?」
『豊川定治...豊川グループの、といったほうが伝わるか?』
「ほぁ?」
『なんだその腑抜けた態度は』
すげえ偉い人から個人連絡来てるんだぞ、腑抜けた声の一つや二つ出るだろ。
「...んで、そんなお偉いさんがわざわざマネージャーも通さず何の御用で?」
『明日の朝一、豊川本家に来い』
「...メリットがねえ上にそんな物言いされて、はいそうですかって行くと思うのか、あんたは」
一旦反論してみると、
『業務命令だ』
とため息交じりに言われた。
...だんだんムカついてきたな。
「あんたの世代は命令好きだよな、それが一番上なら従わざるを得ないと思ってる」
『...何が言いたい?』
「俺は豊川の傘下に入りたくてムジカやってるわけじゃねえって話だ」
『...
「...は?」
なんだこいつ、何を言ってる?
『知りたければ、本家に来ることだ。業務開始後10分までなら待とう。以上だ』
「あ、おい!...切りやがった」
掛けなおす勇気はなかった。
というより、その面を見て一発殴ってやろうって気持ちのほうがデカかった。
「うわぁ、でけぇ...」
約束通り業務開始10分前に本家にやってきた俺は、1時間ほど遅れるかもと祥子に連絡を入れてから、とりあえずとインターホンを鳴らした。
『はい』
「神崎碧です。豊川定治さんとの約束があって来ました」
『...どうぞ』
すんなり門が開いたしあっさり入れた。意外とザルか?
「良いとこの家はでけえなぁ...」
入る前と同じような感想を呟きながら、大きい建物...住居を目指す。
「ごめんくださー...い?」
ようやく着いた本家には誰もおらず、さっきインターホン応対をしてくれた人間の影も見えない。
と、メール通知。
差出人は豊川定治。
『2階に上がって1つ曲がった一番奥の部屋だ』
「...んじゃあんたが案内しろよ...」
悪態をつきながら、指示されたとおりに動く。
2階に上がって1つ曲がると、ご丁寧に開け放たれたドアがある。
部屋の中には白髪のオールバック爺さん。あれがきっと豊川定治なのだろう。
空いてるドアでも一旦ノックぐらいはしとくべきか。
「...入りなさい」
「失礼します」
1歩踏み入れたその部屋は、どうやら書斎のようだった。
上も上で苦労があるのだろう、経営学や人心掌握術の本がずらっと並んでいる。
「じゃ、単刀直入に。俺が既に豊川の傘下だっていうのはどういうことですか?」
「言ったままだ。お前は豊川の子だ」
「...俺、一応神崎ってかっこいい名字があるんだけど」
「気に入っているなら使い続けるといい。どう変えようが、お前が豊川であることは変わらんのだから」
意味が分からない。
老人ってのは回りくどく話すのが好きなのか?
自認が詩人なのか?痛いポエマーの間違いじゃないのか?
「悪いけど、年寄りの例え話を聞けるほど俺のメンタルは強くなくてね。端的に話せよ、爺さん」
「...お前は、豊川の子だ。祥子の兄だ」
「...俺、7月生まれなんだけど」
「預けたのがその月だったか。生まれは2/14、祥子と同じだ」
「何を証拠に――」
ズンドコ...そんなこと、と続けようとした矢先、一枚の写真が差し出された。
「お前は一人ではない。きょうだいも、おる」ってやつ?
そう思いながら裏を見ても、特に名前とかが書いてるわけではなく。
表の写真には、浅葱色の髪をした女の子と、黒髪に少し青色が混じる男の子の赤ちゃんが写っている。
これが俺と祥子だと言いたいのだろう、この爺さんは。
「...爺さんは馬鹿じゃないと思うけど一応言っとくぞ。一卵性双生児は同性しか生まれない」
「知っている。お前たちは二卵性だ」
「...じゃあ、なんで俺に神崎姓を与えて遠くに投げ出した?」
「...お前は、豊川の恐ろしさを知らんのだ」
何かに怯える爺さん。あんたも豊川姓だろうが。
...いや違う、この爺さん、ほんとは豊川姓じゃないのか?
「...そんな臆病な性格で、よくグループの一番上にいるな」
「何?」
「いや、だからか。だから俺を飛ばして豊川姓の婿入りを防ぎ、初音の存在をひた隠しにして失脚を防いだ。膨大な負債も、祥子の親父さんに押し付けて自分はのうのうと上に立ってる」
「お前...」
「
血の繋がりはどうとかは知らない。
ただ俺は、従うべきと思う人間に従うだけ。
「俺をムジカから追放するか?やってみろよ。何の権限でできるってんだ?」
「プロジェクトは私の傘下なのだ、追放など容易い――?」
「今のムジカは祥子の物だ。孫娘の活躍を金儲けでしか見れないあんたに、勝ち目はないのさ。それに」
初華....初音からもらった写真を見せる。
カードゲームの切り札のように。
「こっちにはジョーカーもいるしな。公表してないのは祥子の慈悲だ」
「お前たちは、どこまでも...」
「血は争えない、ってやつさ、爺さん。またな」
「ってなわけで、啖呵切って出てったわけよ」
「...神崎、欲しい」
「意味合い変わってくるだろ」
一旦置いとく。
「つまり...私と碧は双子、ということですわね?そして、初音から見れば...」
「かわいい姪と、そこそこな甥が増えたわけだ」
「祥はかわいいし、碧はかっこいい」
「あーうん、ありがとな」
棒読みなのは許してほしい。
「祥のお兄ちゃんなら、碧は...わたしのお兄ちゃん?」
「...違うと思うけど」
「...お兄様」
...正直ぐっと来た。
そのままおうちに連れて帰りたくなった。
「わたくしの睦ですわ!」
「いや別に取る気なんかないって」
「連れ込まれたら、私、何されちゃう?」
「なんもしないだだだだだ」
祥子に全力頭ぐりぐりされてます。
忘れてないよね?一応俺怪我人だよ?
とある忘却人形「...モーティスが私をお姉さまと呼ぶのなら、ルイナスのことをお兄様と呼ばせなければならず...その場合はわたくしもお兄様と呼ばなければならなくなって...」
とある破滅人形「別に今まで通りでいいよ。いざとなったら守るだけ、俺はお兄ちゃんだからな」
Status
Name:豊川 碧→神崎 碧
Birthday:2/14→7/22
率直に言って
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おもろい
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おもろくない