迷う心の在り処   作:ユイトアクエリア

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君がそれを望んだのなら
祥子の誕生日をミスるという大ポカをやらかし
ムジカ物書きとしてあるまじき失態...


46:Si id volueris

「...暇だ」

 

その辺にリンゴでもいればリンゴをからかって遊んだんだけどな、入院中の碧です。

現在入院2日目。血吐いてぶっ倒れたんで経過観察込みで入院3週間とか言われちゃって、暇で暇で仕方ない。

突然入院決まったからまともに泊まる用のセットないしさ、ケータイの充電とかももうやべえわけよね。

ま、血統だっていうなら仕方ないか。抗ってやるけどね。

そんなことを考えていると、病室のドアが開く。

 

「...碧、起きてる?」

「睦?おはよ」

「おはよう。起きててよかった」

 

何やら大きい荷物を持った睦が来た。

朝からご苦労様。

 

「その荷物は何?」

「お泊りに必要なもの、いっぱい」

「...一応、ここ泊まれはしないよ?」

「だから、碧用」

 

マジで至れり尽くせりだな、俺がなにした?

 

「ありがと、ごめんな。こんなにたくさん」

「好きでやってるだけだから、大丈夫。それに、今度は私が、碧を助ける番」

 

助けた記憶はモーティスの一件だけだし、あとは俺が助けられた記憶しかないんだけどなぁ。

 

「好きでやってるって、言った」

「...あ、そういう?」

「...うん」

 

睦の白い顔に紅が差す。

どこかで「脈ありでーす!!」とパンダが言った気がするが、一旦スルー。

まぁ、いつかは向き合わないといけないと思ってたさ。

 

「...その、さ。睦は、なんで俺のこと、そんなに」

「ずっと、私を見てくれた。誰かの代わりとか、誰かの子供とか、そういうのじゃなくて。ちゃんと「睦」って、そう呼んでくれて、そう接してくれた」

「...あぁ、まぁ、その...お恥ずかしながら、出会った当初はみなみさんの子とは知らず」

「それが嬉しかった。みなみちゃんの子供じゃなくてちゃんと、私として見てくれてるのが、嬉しくて」

 

一個人として見られるだけでそんなに?

でも、そうか。

少なからずあの大女優の、といわれるなり尾ひれはついたはずだ、さぞ生きにくかっただろう。

とりあえずほめてあげようと、頭に手を乗せた。

 

「...碧?」

「偉い、偉い。よしよし」

「...碧、神崎姓ちょうだい」

「スピード感エグッ」

 

あげないよと頭から手をどけると、少し悲しそうな顔をした。

...そういえば、ムジカに入ってから会った時もこんな感じだったっけ。

 

「碧、あったかくて安心する」

「そりゃよかったよ」

 

睦が俺の手を握り、何かを決意したかのようにこちらを向く。

 

「...ちゃんと、好きだから。考えて、おいて」

「...や、俺はその枠に入らない。俺は調停者(Ruler)だからな」

「あんまり、かっこよくない」

「心持ちの話だよ。誰にも傾かない、そんだけ」

 

少し残念そうに顔を伏せる睦。

 

「わかった。でも...もし生きるのがつらいなってなったら、おいで。一緒に堕ちよう」

「...ちょっとドキッとしたよ」

「私は本気、ずっと待ってる」

「できるなら、お世話になりたくないね」

 

 

 

 




これでなんで碧君は手出さないんですか?不思議でしょうがないんですけど

率直に言って

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