「ん...ん?」
大量吐血で気づいたら意識が飛んでた碧です。おはようございます。
点滴やら酸素マスクやらなんやら繋がれてます、一命は取り留めたって感じかなぁ。
多分いっぱい血吐いたからだろうね、のどが痛い。
「生きてるな...」
しかしまぁ、ぶっちゃけ死んでもよかった感は否めない。
これから先もきっとこういう事態に直面するだろうし、そのたびに死にたかったなあの時って思うのは避けたい。
まぁ、極論か。
それに。
「...死んじゃいや、か」
加護と呪いは表裏一体、死ねない呪いは不死の加護。
呪術師、あるいは呪詛師の家系であれば、言霊に呪いを含ませることもできたんだろうさ。
そんなことを思っていると、カラカラと控えめの音が鳴り、病室のドアが開いた。
「...碧」
祥子だ。
びっくりさせないように、今起きた感じにしておくか。
「...ん、祥...?」
「碧!?目が覚めましたのね!よかった...」
なんでかびっくりされちゃった。
なんでだろうな。
「...俺、何日寝てたの?」
「ざっと...3日ですわ」
「...ギター弾けないかもなぁ」
1日のさぼりは3日分の怠り、3日+入院中もまともにギターなんか弾いてないから、勘を取り戻すのに1か月以上かかるな。
ま、俺がギター弾く席が残ってればの話だけど。
「皆さんを呼びますわね」
「あぁ、うん...まぁ、生き永らえた、ってだけだろうけど」
「...それについて、お医者様からお話がありました」
深刻な表情。
今回は奇跡です、次はないです、とかかな。
まぁ血縁的なもんだし、仕方ないかもな。
「今回の碧の病状、お医者様にも分からなかったそうです」
「...まぁ、豊川の血じゃねえかなとは思ってるけど...ん、分からなかった?」
どういうことだ?
「再検査は?」
「ないものを調べることはできませんので」
「...えっと?」
「...碧の今回の原因不明の吐血、すでに治っている、とのことです」
は?
いやいや、おかしい。
血の話だぞ?
「えぇ、あなたさんざん吐いたでしょう?その血は」
「まぁそうだけど...体の血ぜんぶ吐けるわけじゃないんだぞ?」
「えぇ、ですがあの量。失血死の可能性だってあったのです。輸血で対応したそうですわ」
「...まぁ、不可能じゃないか」
でも、ここは一般病院のはずだ。
そんな高等な技術を持った医者がいるのか?
「...あなた、一応芸能人ですのよ?その辺の病院に入れたらパニックになるでしょう?」
「...意識ない推し見てて楽しいかな...」
ともかくここは大学病院以上の病院であり、一応は血液置換はできるのか。
まぁ大量に血吐いたし、普通に緊急輸血のほうが可能性高いけど。
なら症状が治まったのも納得は行く。
「ともかく、完治おめでとうですわ、碧」
「...完治、したのかね」
しばらく血を吐かないだけ、そう考えるほうが心構え的にも自然だ。
完全に治ったわけではないのだろう、きっと。
またいつ血を吐くかはわからないし、心構えはしとかなきゃな。
...心?
何か、大事な何かを。
忘れているような、そんな感じがする。
率直に言って
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おもろい
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おもろくない