迷う心の在り処   作:ユイトアクエリア

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断章:とある人形の独白

一旦幕間とさせていただく
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Fragmentum: De Soliloquio Cuiusdam Pupae

小さいころ、「お人形さんが痛い痛いだからやめなさい」と怒られたことはあるだろうか。

小さいころじゃなくてもいい。いつでも、どんな時代でも。

「物に魂が宿っている」前提で話すような奴はごまんといる。

しかし、そんなのは言い訳に過ぎない。

現にそいつらには見えていない。物に憑く魂ってのは、基本的には悍ましい。

日本人形の呪いがその例だ。永遠に伸び続ける髪、悍ましい以外の何物でもない。

まぁともかく、無機物に「魂がある」と仮定するのは、結構有用だということだ。

どんなガキでも言うことを聞く。その場限りでも「お人形さんごめんね」と言って棚の上に丁寧に置く。

まぁ、そうやっていうことを聞かせる奴ほど、無感情に人型のものを捨てたりするんだけどな。

...何の話だっけ?

あぁ、そうそう。

「お人形さん痛い痛い」の話だったな。

お人形目線から言わせてもらおう。

 

――めちゃくちゃ痛い。

 

そりゃあもう痛い痛い。

関節という関節逆パカされたときは漏らすかと思った。漏らすもんないけど。

平気で頭は捥ぐし四肢も捥ぐし上下半身に分けやがる。

お前の望みを言え、どんな願いでも叶えてやろうじゃねんだわ。

 

...んで、永遠喋ってるおまえは誰なんだと。

 

俺だよ、ルイナスだよ。

 

碧の大層なご病気と大層な記憶奪い取って落ちてきたから暇で暇でしゃあねえんだ、付き合ってくれよ。

 

さてまぁ、どっから話そうかね。

とりあえずまぁ、なんで俺が生まれたかって話はしようか。

きっかけは碧が自覚する前だし、生まれた時からきっといたんだろう。

んで、生まれて早々河川敷行きが決まって泣くこと1週間。

今の神崎家に引き取られてそれから15,6年成長したわけだが、河川敷から引き取られるまでの間の記憶は俺がブロックしてた。

都合がいい?ほっとけやい。

 

あー、ちょっと待って。

 

...あぁ、でっけえ咳出た。

 

で、えーと...あぁそうそう。

定治の爺ぃが密告したせいで思い出しかけたみたいだが、あれもあれで嫌な奴だよな。

「引き取られた」だってよ、捨てた癖に何言ってんだ。

んで、そんな厄介な記憶と、俺が2回ぐらい体使った記憶は全部回収してここにいるっちゅうわけだ。

 

で、お前はどこにいるんだって?

 

...まだ碧の中だよ。

 

目覚める気もねえし目覚めるわけもないんだけど、このままだとどっかに依り代がねえと乗り移れないったらありゃしねえ。

ちゃんと消えられるはずだったんだけどなぁ、ミスったか?

それともこの体の中でやることが残ってんのか?

どっちにせよ、やる意味はある。俺が成仏するために。

碧を健康体で、あいつらのもとに送ってやるために。

 

さて、演者は一人、観客はゼロ。

寂しい人形劇を始めましょう。

俺が俺であり続ける限り、この舞台の幕は閉じないのだから。

 




ルイナスは碧の副人格であると同時に、碧の遊び相手でもありました。(碧の記憶なし)
ルイナスは物言わぬ遊び相手に徹しました。碧を刺激しないためです。
ルイナスという存在は、碧のストレスの具現化でもあるのですから。

率直に言って

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