喧騒が届かない、静かなカフェ。
碧とにゃむは向かい合わせに座っている。
「あおこってさ」
スマホを視線を落としながら、雑談のような温度感でにゃむが続ける。
「あたしのこと都合のいい女友達として見てる節があるよね」
「...理由を聞いても?」
「今日のデートだって、『男一人じゃ入りづらいカフェ見つけたからついてきて』って、普通にいい感じのカフェ見つけたからお茶しよでいいのにさ」
碧は返答に迷っていた。
「いやその...にゃむって大人っぽいからさ」
「だから何?」
「...たまに思うんだよね、隣がこんなちんちくりんでいいもんかって」
「はぁ?あたしより背高いでしょ?嫌味?」
「いやそういうわけじゃ...」
めんどくさくなってきた、と碧は思った。
だが同時に、自分の言い方でこうさせてしまっているとも思った。
「あー、傷ついた。ジャンボパフェおごってくれなきゃ許さなーい」
「...最初からそれ狙いだったろ...いいよ、頼めよ」
碧はメニューを一瞥しながら投げやりに言った。
ジャンボパフェの値段に目をひん剥いたが、ポーカーフェイスでごまかした。
「すみませーん!このジャンボパフェくださーい!」
「...減量中じゃなかったのかよ」
「甘いものは別腹なんですー」
そんな軽口を叩きあってると、テーブルのど真ん中にどデカいパフェがどどーんとやってきた。
すなわち、ド強い。訳ではないけども。
「いっただっきまーす!!」
「...すみませーん、コーヒーブラックでお願いします」
ハイパー化パフェを大口で減らしていくにゃむを横目に、ブラックコーヒーを啜っている碧。
別に彼女の前でかっこつけたい、とかそういうわけではなく、単純に食べている姿を見ていると胸やけを起こしそうだから、と思って頼んだ碧だったが。
「あおこいつもカフェオレとか味付き水じゃん。あたし別に彼氏が甘党でも気にしないけど。無理してる?」
「うっさいな。そんなでっかい甘い塊食ってるお前見てるとなんかムカつくんだよ」
普段甘党であることを揶揄われ、お返しと言わんばかりに、胸が、という主語を意図的に省いて反論する碧。
「あおこも食べる?美味しいよ?」
「お前の幸せそうな笑顔みりゃわかるよ。あとその量どうせ食いきれないだろうしお前の残したのを貰うよ」
「あたし結構食べるからね?一口も食べられなくて泣くなよ~?」
「泣かねえよ。ガキじゃねえんだから。あと食いたかったら自分で頼むし」
ブラックコーヒーを啜りながら外を眺める碧と、腹の中に糖分の塊を放り込んでいくにゃむ。
しかし、その構図はすぐに崩れていく。
「...あお、こ」
「だろうな。ブラック飲むか?」
「...ありがと」
選手交代だ。
飽きることない甘さと質量が、にゃむの腹を埋め、興味を確実に無くしていく。
俗に言う飽きた、という状態になる前に、碧にパスした。
「...あっま」
「...最初の内からそのスタンスだと後悔するよ」
「...もう後悔してるよ」
時間にして10分後、ようやく容器を空にした2人。
懐を極寒にしながら碧が会計をし、カフェを出た。
「あー...しばらく甘かもん食べんちゃよかや」
「...満足したか?」
「満足どころか大満足や、しばらくパフェ見たら吐きそうになるほどにね」
「...なら良かったよ」
にゃむは足を止める。
それに気づいた碧が足を止め、後ろ歩きでにゃむの横に戻ってくる。
「どうした?」
「ありがとね、あおこ。楽しかった」
「...言ったろ、行きづらいから誘っただけだって」
「...ばってん嬉しかった。やけんありがと」
少し背伸びして、碧の頬に唇を落とす。
「...さ、帰ろ。あおこ」
「...はいはい」
...少なくとも、彼らは今の形で満足しているらしい。
3人称バカむずくて草
やっぱり1人称が1番やりやすい
率直に言って
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おもろい
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おもろくない