ファンタジー学園ゲームに転生したので金魚のフンになります 作:テムテムLvMAX
エリン・サーディブル、ノーマルクラスのサードになりました。ぶい。
気になるであろう入学式の様子はマジで地獄すら生温い発狂の渦だったので思い出したくない……
まぁそんなこんなで学園生活です、事前に学生寮は確保しているし懐かれちゃった火の精霊にもバレてない、あいつ追い出したのに偶に遭遇するんだよ、こわ。
入学テストを見てくれていたミラン先生の姉、ミリア先生がノーマルクラスの総担任、総責任者ってことね。
一個のクラスで百人超えるので三つに教室を分けてそれぞれに教師を3人付ける、そのトップがミリア先生になる。
分けられた教室には名前がつけられ、サード、セカンド、ファーストと呼ばれている。成績の良い者はファーストへ、悪ければセカンド、サードへ、生徒に合わせた教育を施すための措置だと学園は説明しているが、生徒側には順位付けにしか見えんだろうな。
僕は気にしませんけどね!
少々疲れたので入学式の流れで来ていた教室でクーネさんとゆっくり寛いでから寮へ帰ることにした。
「エリンさーん、ついに学生ですね~」
「そうですね~」
「もう私達同級生なんですからもっと砕けた態度で良いんですよ?」
そうは言ってもクーネさん王族(復帰予定)だもん……
「そういう訳には「もしかして私の家を気にしてます?」はい……」
「だったらこれは『命令』です! 仲良くおしゃべりしなさい!」
最近クーネさんが僕に積極的に話してくれる気がする、ドウテーイの勘違ーいじゃなければいいけど。
それより王族より勅命が下ったのでクーネさん、いやクーネとの態度を改める事にしよう。
「じゃあクーネ、これからもよろしくな」
「はい先生!」
「なっ、先生ってもう前の話でしょーが」
「ダメです♪ エリンさんは私の生涯の先生ですから」
真正面から恥ずかしげもなく言い切ったクーネに頭が痛くなる、他の生徒も居たのにそこそこ大きな声で言ったので視線を集めてしまって心も痛い。
ダメージを受けているのは僕だけだった、ぐふ。
「クーちゃんとエリン居る〜? あ、いたいた」
「あ、シドリー待ってよぉ……」
「お前はいつまでも変わらないよね、そこが良いんだけどさ、アシュレイ」
おっと重要人物に早速エンカウントですか。幼馴染も添えてバランスも良い。
こちらから出向くつもりだったが向こうから来てくれるなら願ったり叶ったり。
「ようこそシドリー、歓迎するよ。まさか
「アハハ! そう! そうなのよ! コイツってば運がないのよ昔から、ね?」
「運、無い方です……えっと、エリンさん? でいいんですよね?」
「はい、よろしくアシュレイさん」
「呼び捨てでいいよ、なんかさん付けは慣れないから」
お前ちょっとは主人公らしくキリッとしろ? イケメンがオドオドしたって庇護欲掻き立てるだけだからな? 女子の視線釘付けだからな? これはシドリーも大変だなぁ、ライバルは多いぞ。
「シドリー、お近づきの印にこれどう?」
「なにこれ?」
「惚れ薬「ブフッ!?」効果は保証する、契約級の呪縛が掛かる優れものだよ?」
「んなもん渡すなぁ!? ただの劇物だわ!」
ふーむ原作シドリーなら喜んで使いそうな物だがこの時期はまだ拗らせてないのか……まぁ健全が一番だな。
「お兄さん! 早速商売ですか? やりますね〜♪」
「ルージュ、君もサードか、もっと賢いと思ったけど」
「残念ながら平民はここが限界なのです、どこかの誰かさんのお陰で儲けてはいますけどね〜」
魔術屋のおばちゃんの孫娘、ルージュもここになったようだ。
うーんとなるとクーネ、シドリー、アシュレイ、ルージュ、そして僕でパーティ組むことになるのかな。
パーティというのは学園の取り組みの一つ、チームワークを育む為に何名かでグループを作ることが許されている、パーティを組むと学園の所持する『ダンジョン』の使用権が与えられ、ゲーム的に言うならダンジョンポイントを貯めてアイテムと交換出来る。
最低3名、最大は10名でパーティを組める。もちろん組まなくても授業でダンジョンに潜る時は先生が付いてくれるので二人組作ってーの悲劇は回避される。
「へぇルーちゃんってエリンの古馴染みなんだ」
「そうです! 身長が低いので年下に見られがちですがエリンと同級生ですよ!」
「ルージュさん以前何処かでお会いしました?」
「クーネさん? でしたよね、エリンの魔術商店で一度は顔を合わせてる気がするのですよ」
「やっぱりですよね〜!」
ルージュを中心にシドリーとクーネが賑やかに会話していた、僕はその輪を一歩引いて見ていたがそれは気弱なアシュレイも同じようで気まずい顔をしている。
「なぁアシュレイ、あの入学式の話、僕感動しちゃってさぁ、僕にも出来る事無いかな?」
「えぇ? いきなり?」
「うん、精霊を見えるようにするメガネとかマジックベールとか欲しいならいつでもあげるよ」
「ん!? いやいやいやそこまでお世話になれないよ!」
「いーじゃん、友達でしょ? 僕達もう」
「とも、だち? ──ありがとうエリン、友達なんだね? 良いんだよね?」
えぇ、そうですとも、
存分に騒いだ僕達は、夕暮れ時になってから解散した。
ずっと待っていたランユン、いやコウテン様にめちゃクソ怒られたのは言うまでもなく……皆は時間に気を付けようね、特に人を待たせている時は。