ファンタジー学園ゲームに転生したので金魚のフンになります   作:テムテムLvMAX

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錬魔術。そして金策。

 ご機嫌うるわしいでしょうか、金魚のフンです(未確定)

 

 錬魔術の素晴らしさは語った通りですが実際に使うとどうなるのかは見てもらったらよろしいかと。錬魔術自体はもう覚えておきました。前世の数Ⅱより簡単よ。今の母上が合成まで使えたので元手はタダなのだ。

 

 では家から最寄りの市場から『魔術屋』を探し出し突撃します、今回は『ひかりの種』と『まぼろし草の根っこ』合わせて100フォル(日本円換算で千円程)を十個買う(合計1000フォル)。失敗しなければ十倍の値段が帰ってくる筈だ。

 これは『アシタナイト』プレイヤーには常識の序盤の金策になる、このゲームってアイテムとか装備に凝りだすとすぐ金が溶けるのでやり込むプレイヤー程『大商人』とか『金の錬金術師』とか『歩く国家予算』と比喩される。金は天下の周り物? 金も天下も俺の物がプレイヤーには相応しい。

 

 

「すいません、『ひかりの種』と『まぼろし草の根っこ』を十個ずつ下さい」

 

「あいあい、ほいよ……何をすんだ? 坊っちゃん」

 

「僕は錬魔術師でね、小遣い稼ぎだよおばちゃん」

 

「ほう珍しいね、このおばちゃんも手伝ってあげるわ! 

 それにしても最近の若者は錬魔術を云々──」

 

 

 以下魔術屋のおばちゃんの愚痴なので割愛、必要な素材を持ち帰り家に用意した錬魔術専用の術式円陣の中へ素材を並べる。そして家にある木炭を少々使う。

 

 今から作るのは高級素材『魔力のオーブ』のメイン素材『紫炎の塊』だ。

 

 まず『ひかりの種』『まぼろし草の根っこ』を1∶1で合成します。この時まとめて合成出来ると手間が省けて良いですね。

 

 出来上がった10個の『魔除け玉』を今度は木炭と一緒に全部使う、出来上がると『紫炎の塊』になる。

 

 

 紫炎の塊は魔物の核である魔心石と合わせると『魔力のオーブ』になる。今回は魔心石を父上から融通していたのでそれで作りました。

 

 魔力のオーブってのは武器や道具に魔術を封印したいときに使われる素材で『魔具』製作には欠かせないのだ。

 

 

「まるまるツルツル、良い球形だ」

 

 

 さぁこれを売ってやろう、と勇んで魔術屋の所へ持っていったら

 

 

「ウチじゃ買い取れない、高過ぎるよ」

 

 

 なん……だと……! だってたかが1万フォルだろ? 

 

 

「買い取って欲しいなら買うけど、はした金しか出せない。魔力のオーブなんて高級品買い取ったこともないよウチは。今はソイツ高いんだよ、何でも魔族との戦争が近いんだってさ」

 

 

 うーむゲームではそんなことなかったのに……仕方ないか、これも現実だということの証明だと思うほかなし。リアルになったから物価の上がり下がりが追加されていると思えば……駄目だ経済シミュは苦手だわ。

 

 それにしても魔族との戦争ね……戦争と言うものの準備にどれだけ時間が掛かるか分からないが少なくとも在学中に起きるはずだ、ゲームの流れ通りなら。

 

 おっと今はそんな事は良い、現金出せないなら素材と交換しちゃうのも手ですね

 

 

「この魔力のオーブと素材を交換、残りはお金でいいので買い取れません?」

 

「そうかい、それならこの店のモンは全部持ってきな」

 

「へぇ?!」

 

「魔力のオーブは最近需要が高まってきてね、高値で売れるんだよ。坊っちゃんさえ良ければ素材を用意するし取り分も8割は保証するよ、残りの2割でもおばちゃん遊んで暮らせるのさ」

 

 

 そりゃいい事聞いた、この条件は良いものだ。

 

 

「じゃあそれでお受けします。明日には十個納品しますからお願いしますね、それでは」

 

「頼もしいね、また明日。え? 十個って聞き間違いじゃ無いわよね、一日で十個って本職より早いわ…… 

 

 

 手に抱えきれないほど素材を持って帰りーの、素材を整理して必要な物だけ取ったらあとは親に渡してーの、僕は黙々と魔力のオーブを作る。もうこれだけで楽しいと思ってしまうのはゲーマーのサガか。

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 翌朝、魔術屋のおばちゃんにきっちり十個納品しました。その時に「え……マジかこいつ」的な顔で見られたのは不本意。

 

 ともあれ販路獲得です、早速売上が手元に来ました。

 

 

「ひぃふぅみぃ……ほい、しめて5万フォル」

 

「あれ、計算より少ない」

 

「まぁこれは、おばちゃんの取り分」

 

 

 坊っちゃんのはこっちと言われて見れば1万フォル袋が二十袋はある、2割でも5万フォル、残りは20万フォル……

 

 

「え、たっか20万!?」

 

「坊っちゃんの仕事は今はそれだけ求められているってことさね」

 

「今後ともよろしくお願いいたします」

 

 

襟首を正しきっちり頭を下げる、おばちゃんが居なかったらそもそも売ることも出来なかった、その恩義あまりある。

 

 

「礼儀正しいのは好きさ、良けりゃウチで働かないか? って言いたいけど生憎この魔術屋は人手は足りてるしねぇ……」

 

「そこまでお世話になるわけには」

 

「そうだ! その金で店出しなよ、きっと繁盛するようにおばちゃんも教えてあげるからね、仕入れルートも教えちゃう」

 

「あの話聞いてます?」

 

「キャーそうとなったら忙しいわね! おばちゃんちょっと店買ってくる!」

 

「おばちゃーん!?」

 

 

 止められねぇ勢いで店を飛び出していった、あの御老体のどこにそんなパワーが……だ、だめだ、あれは僕の手に負えないぞ!? もう完全に魔術屋に仕立てるつもりの目だった、僕まだ十歳なんですが? 

 

 これなんて親に説明したら良いんだ……

 

20万フォルの時点でアウト?そうですね()

 

 

 

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