ビルダーinハイラル   作:ゴランド

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Twitterでティアキン内の破壊兵器が量産されている事実を目の当たりにしながら投稿。自分もアレ作ってみたい!(子供のような目)


壊しなさいビルダー

 

 自身の前に広がる壁、壁、壁、一個飛ばして壁…。

いや、いやいやいやいや!ふざけんな!こんなの登れる訳無いだろ!デカ過ぎんだろ…!

……いや、落ち着け。冷静になれ俺…!普通に考えて女神様がこんなところに行かせる訳無いだろ!きっと退魔の剣に選ばれた剣士はこことは別の所にいるに違いない!そうだ、絶対そうだ!ヨシ!と言う訳でここは見なかった事にしよう。

 

──聞こえますかビルダー

 

「ファッ!?女神様!?」

 

──よくぞ退魔の剣に選ばれし剣士が待つ『始まりの台地』に辿り着きました。

 

「クソァッ!間違いであって欲しかったッ!」

 

 と言うかハテノ村から出発してから今までずっと静かでしたけど何かあったんですか?神託与えるのに文字数制限あるとか?

 

──今やハイラル全土は厄災の力が蔓延(はびこ)り、私の声を与えられる範囲は限られています。こうして声を届けられているのは貴方が始まりの台地に近づいたお陰なのです。

 

 これはつまり女神様が影響を及ぼせる範囲がその地域ごとに決まってる…と言う事でいいのかな?成る程、ハテノ村で声が聞こえたのは女神像があったからなの。こう考えると台地の上には剣士以外に女神像もあるって訳なのか。いやでもこんな高さじゃ登る事なんてままならないだろうけどさ。

 

──さぁ彼はこの上です。どうか頑張って…

 

 ま、待ってくれ!ちょっと待って欲しいんだ女神様!ハイリア人は普通、こんな高い所に登れるような能力を有してる訳では無いんだ!なのでもっとこう、救いは?救いはないのですか?

 

──その為のビルダー能力です

 

 つまり自分の力で頑張れと。そうかそうか貴女はそんなヤツなんだな。今まで見て来たかは分かりませんが俺クソ雑魚ぞ?身体能力が常人並み(自己申告)ぞ?この壁登れって…かーーーっ、やってらんねぇ。ア ホ く さ。このまま俺はゲルドの街へ向かわせてもらう!

 

──ちなみに上には廃墟と化してますがまだ見ぬ素材も眠っているでしょうし、古代技術の痕跡もあります

 

「始まりの台地、ビルダーとして乗り換える壁としては上々と言った所か(即答)」

 

 眼前を登りきればまだ見ぬ素材の宝庫…!それに加えて古代技術と言う唆られるワードもあるなんて。こんなの攻略する選択肢しか無いじゃァないか!

と、言っても既に攻略法は見つけてるんですがね奥さん。

 

「ハッハーァ!こんなの壁壊すしかねぇだろ相棒ォ!」

 

 相棒(ハンマー)を片手に台地の壁に向かって走る。こんなのハンマーで壁を破壊しつつ、上方へと掘り進めば自ずと辿り着けるもんさ!さぁ待ってな金銀財宝ォ(と言う名の素材)!

 

ハンマーを壁に向かって振い、ゴッと鈍い音を立てた……が俺はその一振りで木槌を落とす結果となった。待って、腕が…腕が痺れ……ッ。

 

──ビルダー、聞こえますかビルダー?その台地を覆う壁は特殊な構造で出来ており貴方のハンマーで壊す事は不可能です

 

「それ早く言ってくれませんかねぇ!?」

 

 はー、クソだわ。こんなのハンマーの振い損だよ。これ以上打つ手が無い……と思ってたのか!ビルダー能力は何もせず壊すだけじゃないんだ!オラァ!(土の)ブロック召喚!このブロックはただ詰むだけじゃなく女神パワーで地形や建物に隣接してる限り、ブロック状の素材を設置する事が出来るのさ!

 

つまり、どう言う事か分かるな?そう!壁に沿って階段状に設置すれば容易に登る事が出来るって訳だ!ガハハ勝ったな、素材取って来る。

 

ふしぎな力によって ブロックがおけない!

 

「は?」

 

ふしぎな力によって ブロックがおけない!

 

「は?(困惑) は?(確認) は?(再困惑)」

 

 おい、待て、おい。何だこれは(真顔)

 

──ビルダー、聞こえますかビルダー?その台地を覆う壁は特殊な構造で出来ており隣接してブロックを置く事が出来ません。

 

「何だよもぉぉおおおおお!またかよぉぉおおおおおおおッ!」

 

 何なんだこの仕様、キレそう(マジギレ)

いや落ち着け。落ち着け俺…アレだ。冷静に考えたら壁に沿ってブロックを積まなくても、少し離れた場所に積めばいい話だろ。何だ簡単な話じゃないか。あーあ、取り乱して損したわ。

それじゃ今まで集めて来た土や石のブロックを階段のように積み上げてイクゾー!

 

 

 

 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

 ハァ…ハァ……な、長い。ゴールまでの道のりが長いんだけど…!アレから沢山土を積み上げてるって言うのに全然高さが足りない!

もう物理法則が崩壊したオブジェと化してるのに全然届かないんだけど!しかも今でも結構な高さだから、ここで落ちたら一巻の終わりだ。

 

でも諦める訳にはいかない。俺はようやく登り始めたばかりだからな、この果てしなく高いビルダー階段をよ…それはそうと疲れたので休みますね。

ア゛ーッ゛、疲れ゛た゛ーーッ゛!

 

 台地に来るまでの道のりで集めておいた水の実で水分を摂取しつつ、周りの景色を見渡す。随分と積み上げたんだなと言う達成感と、ビルダー能力無しではここまでは来れなかったと言う事実を噛み締めながら、動いて熱くなった体を吹いて来る風で冷ます。

もう少しだ。あともう少しで台地の上に到着でき───ん、あれ?何かが飛んできてるようn

 

「って岩ァァ!?」

 

咄嗟に石ブロックによる壁を形成し、岩の豪速球を防ぐ事ができた。いきなりなんだったんだ?さっきのはどこから飛んで来たんだ…ってまた来たァ!?

 

「うおおおっ!壁ぇぇ!やばい!どんどん壁作っても飛んでくる岩で壊されるんだけど!?」

 

 と言うか本当に何処から岩が飛んできているんだ?石壁の陰から覗いた先。そこにはその身を土の中へ隠し、茂みに擬態する魔物の姿があった。そうご存じ『オクタ』である。しかも複数体がこちらに向けて岩石を飛ばして来ているのだ。このクソタコ共がよォ…!もう許せねぇぞオイ!

 

絶対に許さんぞ虫けら(タコ)共!ジワジワと嬲り殺しにしてくれる!

 

そうしてハンマー担ぎ、怒りの衝動のままオクタ共の元へ駆けていくと…!

 

「ここ一帯にいたオクタは邪魔だったから倒しておいたゴロよ」

「あっハイ」

 

 ハイ。既に倒されてました。通りすがりのゴロン族の人が大量オクタを普通にシバいてました。折角長い階段を降りて来たのにさぁ…。いやでもありがとうございます。

それじゃ自分はこれで……え、待ってほしい?なんで?

 

「あんなに目立つオブジェを作ったら魔物達がやって来るかもしれないゴロ。手伝うから撤去するでゴロよ」

「ぐぅの音も出ない正論!」

 

 

 

 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

 そんな訳で一緒に階段の撤去をしてくれたゴロン族のダニエルさんと共に近場の馬宿で休む事となった。こちらのダニエルさんは故郷のゴロンシティで鍛冶屋を営んでいたが、デスマウンテンに存在するトカゲ型の神獣の影響により火山弾が降り注ぎ、仕方ないので違う集落や街で鍛冶師として歩き回ってるとの事。

 

「ほう、そっちは台地の上に行きたいゴロか」

「そうなんですよ。あ、シチューどうぞ」

「と言うかどうやったらあんな物理法則を無視した階段を作れるゴロか…?」

「まぁビルダーだからできるとしか」

「お前さん凄いゴロな!?」

 

 ハイラルバスとゴーゴーニンジン、さらにヨロイダケの出汁をたっぷり含んだシチューを頬張りながら今後の方針について考える。

ダニエルさんが言うには俺の階段を作る案は悪くないがら身体能力がそれに追い付いてないとの事。うーんクソ雑魚ハイリア人。

 

口の中でホロホロと崩れるハイラルバスの身を堪能していると食用(?)の岩石をシチューに浸して食べるダニエルさんが話しかけて来る。

 

「そう言えばビルダーは他にどんな物を作れるゴロか?」

「他に…と、言われてもなぁ」

 

 これまで作って来たモノを口にするとダニエルは「ほう…ほう!」と目を輝かせていく。何やら好印象を与えている感じだ。

 

「そりゃ凄いゴロ!物を簡単に壊すのは勿論、新しく創り出すなんて素晴らしいゴロよ!」

「え、そう?マジ?いやぁ照れるなぁ。あ、なんか作りましょうか旦那?」

 

 スリングショットとかどうです?現在で俺1番の会心の出来なんですよ。まぁ弓矢が無いと作れないですけども。

するとダニエルさんはそれならば意見が欲しい、と呟きながら自分の身体以上の大きさを誇るバックから一振りの剣を取り出した。

 

「これは『巨人のナイフ』と言ってだな。高い威力!長い刀身!が、持ち味の剣だゴロ!」

「こりゃ凄い…!凄く…大きいです…!」

 

 ゴロン族のサイズを基準にした武器なのか普通のハイリア人では両手で持つ事になるであろう大剣を前に声を漏らす。

ビルダー的直感のおかげか、そこらの旅人が使ってるような剣とは大違いだと見るだけで分かる。だからこそダニエルさんが何故これを見せて来たのか理解した。

 

「これは……耐久性に難あり?」

「わ、分かるゴロか!何で分かったゴロ!?」

 

 正直に言って原理については分からん…(真顔) だけど触った瞬間に巨人のナイフの事が理解できてしまう。これに関しては経験や目が優れている訳ではなく、ビルダーとしての能力により、自分が持つ物を瞬時に理解する事が可能なのだ…と思う。詳しくは女神様に聞いてみないと分からない事なのでね。

…しかしこれは数回使うだけで壊れるレベルか…性能は良いのに脆すぎてなぁ。補強するにしてもすぐに刀身が折れるだろうし…駄目だ武器についてのノウハウが足りない所為なのかパッと思い付く物が無いぞ?

 

「うぅむ、改善点は…どうなんだろ?一から作り直すとか?」

「ふーむ…やっぱり完成させる為に他の地方にある技術を求める必要ありゴロね」

 

 ほう、他の地域にある技術とな?そう問いかけると種族特有の技術はどれも素晴らしいものだと言う。

例えばゾーラ族は造形に拘った金属加工技術、ゲルド族は宝石を中心とした装飾品加工、シーカー族はその種族独自の鍛治技術を。

はぇ〜、そりゃ凄い。これは是非とも他の街へ行ってみたくなるなぁ。

 

そう考えると宿屋の頭上よりバキバキィ!と何かが軋み折れる音が響いて来た。え、なに?何ぞ!?と思いながら俺達が外へ出て確認すると、何と言う事だろうか。宿のシンボルである巨大な馬頭の装飾品が捥げて地に落ちてしまっていたのである。そんな惨事が広がる光景に馬宿協会の人がショックを受けている。

 

「こりゃ酷いゴロな。根本からへし折れているゴロな」

 

 馬頭の装飾品を見るダニエルさん曰く、大量発生していたオクタが宿屋のシンボルに岩石をぶつけていた事に加え老朽化により折れてしまったとの事。これだからクソタコ共がよォ!

憤慨していると受付のおじさんがジッとこちらを見てくる。どうやら先程のダニエルさんとの話を聞いていたのか自分に馬宿の修繕を頼んで来た。マ、マジか…いやね?別にこっちとしては物作りとか凄い楽しいから良いんだけどもさ?見ず知らずの旅人に頼むのって結構勇気ある行動だなーって……しかし自分に頼ってくれるのはめちゃくちゃ嬉しいのでね。無論助けますよ?え、報酬?じゃ後で素材くれ!(笑顔)

 

 と言う事で馬宿の修繕を引き受けた俺がまず最初に始めたのは木材、石材、布を作る為に動物の皮を集める事となった。ダニエルさんが善意で協力してくれると言う事なので、ダニエルさんには石材集めをお願いした。それに対し自分は木材をハンマーで回収する傍ら、付近に居る猪や狐などの動物達をスリングショットで仕留める。

ちなみに今回の狩りで使う弾丸は『電気の実』と『チュチュゼリー』を組み合わせた『黄チュチュ弾(モドキ)』を使用している。本来ならば黄チュチュゼリーを使いたかったが黄チュチュは湿地帯に生息し、帯電する性質の為に中々倒すのが難しいとされている。それに対して電気の実や通常のチュチュゼリーは安価かつ入手しやすい為に代用品としてこの特殊弾を使わせて貰っている訳である。

ちなみに電気の実は単体としても使えるが、チュチュゼリーと組み合わせる事で着弾点から球状に広がる電撃放つ性質となる。その為に群れで動く獣達には効果的と言えるだろう。

 

と言うわけで素材回収ヨシ!(現場ハイラル猫)

ダニエルさんが戻って来た事で早速、修繕を……ん?ダニエルさん、一体何か用でも?

 

「お前さんにはコレを渡しておくゴロ」

「これは…?」

「ソイツは『ゴロン作業台』!折り畳み式で何処にでも持ち運びしやすい点が大工に大ウケのポイントだゴロ!あのサクラダ工務店が太鼓判を押す程に評判が良いとされてるゴロよ!」

 

 なんと、サクラダ工務店と言えば故郷(ハテノ村)で滞在している色々と面子の濃いサクラダさん達の事では無いか。最近来たばかりの大工の方々と言う事で興味こそあったがそんなに有名な人達じゃったか…!そんな大工の人達がイイね!するくらいの作業台をありがたく使わせてもらおうとした…。

 

その瞬間、自身の脳裏に溢れんばかりのアイデアの奔流が駆け巡る。

 

「ッ、お…おお……!」

「どうしたゴロか!?」

「い、いや…大丈夫。大丈夫…!むしろ絶好調だ…!」

 

 ビルダー能力が作業台と反応したのだろう。閃きが止まらない。作りたい欲が止まらない。この程度では自分は満足できない。修繕するだけでは魂の昂りを抑えきれない。

 

「なぁ、(受付の)おじさん」

「はい?」

「別に…1から作り直してしまって構わんのだろう…?」

 

スクラップ(破壊)&ビルド(建設)の時間だオラァ!




登場人物
『ダニエル』
ゴロン族の鍛治職人。職人にしては珍しく柔軟な考えを持っており主人公にゴロン製の作業台を譲る。巨人ナイフなどの武器を作っているがソレを完全なモノへ仕上げるべく各地を旅している…らしい。

『受付のおじさん』
旅人に対して受付と馬の預かり、連れ出しを行う馬宿のおじさん。馬宿協会に属しており主人公の「馬宿をブッ潰す!」宣言に腰を抜かした。もしかしたら頼む相手を間違えたのかもしれない。


【作製したアイテム】
シチュー:フレッシュミルク+ヤギのバター+タバンダ小麦+ゴーゴーニンジン+ハイラルダケ+ハイラルバスを組み合わせて作った料理。温かで濃厚なミルクの味わいが口の中で広がる一品。瓶に詰めて持ち運び可能。

黄チュチュ弾(モドキ):チュチュゼリーと電気の実を合わせて作った特製弾。相手に命中すると爆ぜたチュチュゼリーにより濡れた体を刺激により放電した電気の実により相手を痺れさせる。ダメージこそ少ないが相手の足を止めるのに打って付け。
黄チュチュゼリーの代わりに主人公が作った。



次回こそ始まりの台地に突入できれば良いなぁ…!
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