ティアキンになってますます厄災度が増してるぞこの英傑…
「別に…1から作り直してしまって構わんのだろう…?」
「はい!?」
「いきなり何を言い出すゴロか!?」
まぁいきなりの解体宣言に不安になるのは無理もないだろう。しかし今の自分ならそんな事朝飯前にも等しい。受付のおじさんにハテノ村で民家や店の修繕を行った経験があると伝えるとすんなりと了承してくれた。とそれと同時に
・家畜用の小屋
・薪、ランプ用の油、馬用の餌を保管する倉庫
・旅人や馬宿で働く人達が満足できる内装
と言ったモノを所望のようだ。一から作り直すんだからコレぐらい出来るよなぁ(ニチャァ)と言う事なのだろう。クソッ仕事量を増やしやがって!ああ分かったよ!やってやるよ!(歓喜)
それでは早速、ダニエルさんから借りたこの作業台を使って色々な物を作っていく。用意するのはここら一帯の木々はほぼ伐採して入手した木材の数々!ちなみに伐採した後、どんぐりや小鳥の木の実を植えたので環境破壊云々の話題は勘弁して欲しい。
それではこちらの木材を箱、扉、屋根、
先ず始めに馬、家畜用の小屋を作っていく。集めた木材を積み並べて行きつつ窓と柵を設置する。風通しを良くする為の横長形状の窓を取り付け、そして柵で仕切った中に木材を加工して作った
おお!と受付の人や家畜の世話をしている馬宿協会の方々が良いリアクションをしている間に倉庫もバンバンと作っていく。こちらは先にハンマーで地面を浅めに広く掘削した後に、石材の土台を敷いていく。今回作る倉庫はネズミや害虫による被害を抑える為にも地面よりも一段高くした形式*1にしておく。そして木材(ブロック)で四方形の形状へ組み立て、屋根も設置!玄関前に灯りを設置して、倉庫の完成!
思った以上に早いスピードで出来上がってる事実に内心ヤバいな…と思いつつも、こうして馬・家畜小屋と倉庫が完成した事に達成感を覚える。
いやぁ、良いな…!前まで出来なかった事がドンドン出来ていくって言うのは気持ち良いなぁ…!
「もう倉庫を完成させたゴロか!しかも作りも頑丈だし凄いゴロね!」
「いや、まだまだですよ…さてと。ここからが本題だな」
あくまでメインはこの馬宿そのもの。上方で目立っていた馬のシンボルが無い馬宿が、その姿で早く修復して欲しいと訴えかけて来てるようだ…!
さて、ここからどうやって解体していくかだけど。その前に作っておきたい物が幾つかある。再び作業台へ向き合うと自分はポーチより魔物の素材である『ボコブリンの牙』とダニエルさんがとって来てくれた『石材』を取り出す。
「そいつをどうするでゴロか?」
「これを…こうじゃ!」
それらの素材を組み合わせて『かぎ爪』を作り出した!
「それは…かぎ爪ゴロか?一体何に使うゴロ?」
「それに関しては…すみませーん、この『縄』使わせて貰っていいですか」
「ん、ああ。予備が沢山ある上にこんな立派な馬小屋や倉庫を作って貰ったんだ。好きなだけ貰っていきなさい」
やったぜ!ダニエルさんの期待に応えられないが、これ単体ではなんの役にも立たない。だが、先程受付のおじさんより貰った『
ロープをスリングショットにセット。加えて自分に括り付けた後に宿屋の上に向かって…フックを発射!
「よし…!引っ掛かった!それじゃダニエルさん上行ってくる!」
「き、気を付けるゴロよ!」
ロープをグローブ越しに握りながら、宿屋の壁を蹴り上げ上へと登っていく。うん、途中で壊れるような心配もないし良い感じだ!
馬宿の1番上まで登った俺は不安定な足場に四苦八苦しながらもハンマーで解体していく。上から徐々に壊していく事で建物が崩壊するのを防止、何事も無く順調に解体作業を終える事が出来た。
「ほ、本当に解体…と言うか更地にしおったコイツ…!」
「だ、大丈夫ゴロか?ちゃんとした宿屋を建てられるゴロか?」
いや、そんなに不安にならなくても…もう少し信頼してくれてもいいんですよ?…えっ?建物をあった場所を更地に変えた人の言葉を信じるのは骨が折れるって?
……ヨシ!それじゃあさっさと始めるとしよう。最初に土台として木材の床を敷き詰めつつ建築物を支える為の柱を建てていく。中央の大黒柱とその周りを囲う形で他の柱を設置した後に壁を作っていく。
そこへ中央の柱を沿うように階段用の板を取り付けながら、馬宿の屋根も構築。そして塔状の建築を行う際にはフックロープを上方に飛ばした後に自身の体に縄を括り付けておく。それにより高所での活動がしやすくなり、テント部分をドンドン組み上げていく…!
と言うわけで
前の宿屋との変更点としては前のと比較して内装を広くした事。そひて暖炉+料理場、更に大黒柱に沿って設置した二階へ続く螺旋階段と言ったものを追加した。
夜場はとにかく冷え込みやすいので宿に訪れた客人用に暖炉を用意。ちなみに多人数の旅人やキャラバン隊を想定して複数人同時に暖まれるよう少し大きめのサイズだ。そして料理場についてだが個人的に質の高い食事と言うのは幸せな事なのだと考えている。冷える外で焚き火に当たりながら食事をするのも良いと思う…が、悪天候下での屋外料理なんて気分が最悪どころの話では済まない。
なので思い切って宿屋の中に
そして特に拘ったのが2階の存在だ。螺旋階段を登った先にはフワフワの羊毛を使った特別仕様であるマーロンベットの数々とバルコニーの存在だ。ぐっすりと安眠できるベットに見晴らしの良い景色がセットになっている為に、視界を介して癒してもらおうと考えたのである。
「こいつは凄い!これなら寒い時期も快適に乗り越えられるしお客人も暖かく迎え入れる事もできる!…できるんだが……」
「ビルダーお前さん。肝心な物を取り付け忘れているでゴロよ?」
好評なのとは裏腹にダニエルさんや馬宿の人達がとある一点を注目する。それは馬宿のシンボルである巨大馬の装飾だった。
宿に取り付けられずに地面に鎮座しているそれが嫌でも目を引く事になるだろう。しかしコレは決め手だ。建築物として、馬宿としてのシンボルとして最後に取り付けるべきと考えていたのだ。
最後の仕上げとして自分は作業台へ向き合うと『オクタ風船』『ロープ』『皮』を組み合わせてある物を作り始める。
オクタ風船の浮力と、皮の空気を掴む面、ロープによる束縛を合わせる事により自分は『バルーン気球』を生み出した!
これを馬宿のシンボルである巨大装飾に取り付けて松明で火を灯す事で、熱された空気がオクタ風船の中に入り込ませる。そうする事で…!
「お、おお…!浮かんでる!私達のシンボルが浮いている!」
「あんなに大きな物が浮かぶものかよ!」
「凄いわ!まるで奇跡みたい!」
「おおおー!これがビルダーの力ゴロか!」
各々が驚愕の声を上げる中、自分はバルーン気球に括り付けた巨大装飾を馬宿の上方へ設置する。これで、やっと馬宿の完成だ!
一層と強くなる声の数々。新しく生まれ変わった馬宿の頂上で自分は物作りによる達成感と、次の目標に対する向上心に満ち溢れていた。
浮力…オクタ風船…!
「…そうだ、これを使えばきっと!」
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
新たな宿屋で一夜を明かした後、自分は宿屋の前で色々な人達に見送られていた。
「もう行くんですか?まだまだお礼が出来ていませんが」
馬宿の人達がそう言うが、こちらとしては近辺に自生しているハイラル草やガンバリ草、ハイラルトマトと言った植物に加えてロープやかぎ爪、ゴロン作業台まで貰ってしまったのだ。これ以上何か貰うのは良くないと思うのである。
じゃあ俺ギャラ(素材)貰って(台地)行くから。
「ちょ、ちょっと待つゴロ!」
「ダニエルさん?」
「コイツも持っていって欲しいゴロよ」
これは…『巨人のナイフ』!?え、どうしてこれを?
「良い物を見せて貰ったお礼ゴロ。その作業台と巨人のナイフは自分だと思って持って行って欲しいでゴロよ」
「ダニエルさん!」
「そんな堅苦しい言葉遣いは要らないゴロ。呼び捨てで構わないゴロよ」
ダニエルの旦那ァ…!こんな大切な一振りを俺なんかの為に…!
「安いものゴロよ。剣の一つや二つ…それに予備はざっと10本くらいあるゴロ。あと宣伝がてらオイラとその剣を知り合いの人とかに伝えて欲しいでゴロよ」
ダニエルの旦那ァ!!!商魂逞しいなアンタ!?
そんな感動?の別れも束の間。自分は作ったばかりの『バルーン気球』を取り出す。先日作ったばかりのこれを使えば台地の上まで行けると踏んだのである。
そんな高い壁の前で準備していると、後ろから声が聞こえてくる。
「気を付けてー!」「魔物を見掛けたら逃げるんだぞー!」「また寄ってくれー!」「美味しい料理作ってあげるから!」「その剣折ったら後処理は任せたゴロよー!」
皆…ありがとう。そしてダニエルの旦那、アンタ色々とブレないな…。松明を掲げてバルーン気球に空気を送り込む。
体が浮かぶ感覚にやや困惑しながらも俺は上を目指して行く。昨日のような階段を作って行く方法と比べて効率が段違いで、一気に壁の半分近くへと上昇し雲を掻き分けていく。
「う……お、おお!凄い…!こんな景色初めてだ……ッ!」
台地を背にすると、眼前に広がるのは広大なハイラル平原。一面が美しい黄緑の海が俺の視界に飛び込んで来る。
これが世界か…!俺の知らない世界が広がっているんだ…!ポーチから研究所より
アレはラネール山か…そしてその向こうに広がってるのがデスマウンテンで、こっちはハイラル城がある!こりゃあ凄い!
こんな所で一望できる機会なんて滅多に無いぞ!……うん?なんだ、あの…ハイラル城から漏れてる変な赤黒いヤツ?よく見るとデスマウンテンの所には…トカゲ?変なトカゲみたいなのが……。
──ビルダー、聞こえますかビルダー
「わっほいッ!?」
──あれこそ厄災。かつて100年前にハイラル王国を滅びに追いやったモノ…厄災ガノンです
「アレが…!?それじゃあっちの山に居るのは…!」
──アレこそ神獣。厄災ガノンを討ち滅ぼさんとして発掘されし古代兵器…だったのですが……
「…言い伝えで聴いた事がある。厄災を抑える為に神獣とガーディアンが用意されていたけど、厄災の魔の手によりそれらは敵となってしまい王国は滅んでしまった……と」
──その通りです
やばいな厄災…御伽話に近いような感じで教えられたけども、実際に起きた事実として改めて言われると尻の穴がキュッとしてしまうぐらいに悪寒を感じる。
これ以上望遠鏡で城を覗くのはやめt
パン!(風船が割れる音)
「えっ」
──えっ
えっ……は?待って?ちょっと待って。急に破れたんだが?あれれ〜?おかしいぞ〜〜?このバルーン風船は通常のオクタ風船と比べて頑丈な作りになってる筈。だから矢とかで射られたりしない限りは急に破裂なんかしない筈……
パン!パパパパン!パパン!
思い切りクソ程に破れてるんだがこれェーーーッ!?
い、いや違う!コレは確実に
「って、やばい!もう俺を支える程の浮力が!」
──早く飛び移るのですビルダー!
「うおおおおおおおおおッ!台地に向かってアイキャンフライーーッ!」
だぁぁぁぁぁぁッ!!あ、ダメだ!全然飛距離足りない!やばい、やばいやばいやばい!このままだと俺、地面に叩き付けられて潰れたハイラルトマトみたいに…ッ!
「な、なってたまるかぁーーッ!」
──ビルダー、一体何を!?
えーと、アレでもないコレでもない……とあったァ!オラァ飛んで行けフックロープ!!
下へ落ちる最中にかぎ爪を放り投げる。するとかぎ爪は台地の頂上に甲高い音を鳴らして固定された。
ロープの手応えヨシ!(現場ハイラル猫)と、間一髪の所で俺は助かったのだった……やばい、死ぬかと思ったわ…一瞬だけど漏らしそうになったわ…。
「さて、引っ掛かったと言う事は頂上までもう少しって訳でいいんだよ…なっ!」
全身の力を使い、ロープを手繰り寄せつつ足を上へ上へと運び徐々に壁を登って行く。もう少しだ…待っていろ素材達…!あとついでに退魔の剣に選ばれたと言う人……!
込み上がる期待に胸を高鳴らせ、ようやく台地の上へ辿り着こうとしたその瞬間、グラッ…とロープ越しに嫌な感触が伝わって来る。
「…オイ、ちょっと待て。特殊な構造で出来た壁なんだろ。まさか老朽化して今にも崩れそうってオチじゃないよね?そうだと言ってくれマジでお願いだかr───あっ無理だコレ(察し)」
そのままかぎ爪が掴んでいた部分が崩れ、俺は重力に沿って下へと落ちる中、俺は確かにこう言った。なんて事だ、もう助からないゾ。
来る衝撃に備え俺は目を瞑りこの世からの別れを告げる。そしてそのまま自分は地面の赤いシミとなって……。
「……あれ?地面のシミになって…そもそも落ちて…ない?」
疑問符が頭の中を埋め尽くす中、ふと上を見上げるとフードを被ったらご高齢の方がロープを掴んでいた。あ、貴方は…ッ!?
「ほっほっほ、通りすがりのお節介焼きな老人じゃよ。どれ、引き上げてやろう」
ありがとうございます…知らないおじさん…ッ!
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
「ふむ?つまりお主は女神の神託を受けてこの台地に来たと言う訳じゃな」
「はい。信じて貰えないと思いますが」
「うむ……いや信じよう」
「え、本気ですか?もしかしたら女神の名を騙る魔神かもしれないですよ?と言うか自ら女神様名乗るなんて正気の沙汰じゃないと思いますがいいんですか?」
「お主…女神相手に何故そこまで……?」
いやぁ、さっきので実は自分を陥れようとしたんじゃないか疑惑が強まってですね。自分を調子に乗らせてから危険な目に合わせる悪虐非道な魔神の如き本性を隠し有しているんじゃないかと……。
まぁそれは置いてですね。えっと知らないおじさん、ここら辺で…あー…退魔の剣に選ばれた剣士とかって知りませんかね?
いや知らないなら良いんですよ?そんな謎の肩書きを持ちつつ抽象的な情報しかない人物なんて。
「ふむ、それならこの森を行った先に剣士らしき人物を見た覚えがあるのう…」
いや知ってるんですか!情報提供ありがとうございます!あっこれシチューの瓶詰めです。良ければどうぞ…と、それでは失礼します親切な知らないおじさん!
森の中を駆け抜ける。やっとだ。やっと女神様(魔神疑惑有り)が告げていた剣士と会える。ここまで苦労してまで会うに値する人物なのかこの目で確かめさせてもら……おい、ちょっと待て。
目の前に半裸の変態が佇んでいるんだが???
半裸の変態…一体何ターソードに選ばれた剣士なんだ…?
『半裸の変態』
木の枝と鍋の蓋を手にしたパンツ一丁の金髪イケメン。この後魔物が焼いていた肉を強奪しに行くらしい。
『親切な知らないおじさん』
ビルダーを助けた木こりのお爺さん。色々と親切にしてくれた上に女神の話も信じてくれた。全裸の変態に関して色々と複雑な事情があるらしい。
【作製したアイテム】
・かぎ爪:『ボコブリンの牙』+『石材』
魔物の素材と石を組み合わせる事で作った爪。武器として使えるが、ブーツやグローブ、ロープと組み合わせる事で便利な道具にもなる。
・フックロープ:『かぎ爪』+『縄』
高い場所、遠い場所に向かって投げる事で引き寄せる、また引っ掛けて登る事も可能。スリングショットと組み合わせる事で飛距離を伸ばす事ができる。
・バルーン気球:『オクタ風船』+『縄』+『皮』
オクタ風船の浮力を利用して作った簡易的な気球。飛べる時間は限られているが多少の頑丈性と物を引っ張り上げる力がある為、大きな物資を運ぶのに役立つ。
次回からいよいよ本編に突入…するかもしれない…!