ご報告。前回までの話ですっかりアイスメーカーの存在を忘れていましたので修正しておきました。
アイスメーカーは既に手に入れた設定で読み進めていただけると幸いです。
し、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬア゛ア゛ァ゛ーーーッ!(汚い高音)
背後からビュンビュンと飛んでくる青い光線から必死に逃げる俺達。こんな事なら調子に乗って壁を解体するんじゃなかった!と後悔しつつも岩陰に身を隠す。
「はぁ…はぁ…や、やばい。マジでガーディアン動くとかバカでしょアホでしょ!」
"もしやこれが祠の試練…!自分達は既に祠の中に取り込まれていた…!?"
この状況下で祠に責任擦り付けようとすんな。お前がガーディアンぶっ叩いて動いたのハッキリ見てたからな(半ギレ)
しかしやばい…本当にやばいぞ…!ここら辺を整地と言う名の素材集めしたせいで障害物は少なくなっている。だから隠れて逃げるなんてのは出来そうにない。
う、ううむ…と頭を悩ませているとリンクが俺の肩を叩き何かを伝えて来る。それは"倒す為に武器とか作れそう?"と言う物だった。まさかお前ガーディアンと戦う気なのか!?武器ならば巨人のナイフを持っているが、アレは脆い上に盾を構える事ができない両手剣では相性が悪い。
「いやいや流石に無茶だろ!流石のお前でも……いや、その感じ本当にできるの?」
そう告げると首を縦に振り、肯定の意を示した。マジかよ(真顔)
いや確かコイツ100年前に大厄災と戦ったんだっけ?それならガーディアンとの交戦した事あるんだろうけども……ええ、本当に大丈夫かよ。いやまぁ武器を作るなら作るとして、あのガーディアンを倒すならそれ相応の武器が必要だ。
「何が言いたいかと言うと
"分かった"
そう言って彼は岩陰から飛び出し、ガーディアンの前でボコこん棒と鍋のフタを手に戦闘体勢を取る。うん、お前さっきの一言で何が分かったの???
いやいや大丈夫の意味を込めたサムズアップをこっちに向けられても…って、リンクお前狙われてるから!前見ろ!前ーーッ!
そう警告したのも束の間。リンク目掛けてガーディアンの光線が放たれ命中した───その刹那である。彼は鍋の蓋を光線が当たる瞬間に受け流す要領で弾いた。まるで羽虫を払うかの如くガギィン!と信じられない音がその場に鳴り響く。
「……えっ」
その光景に唖然。いや、いやいやいやいや…!?えっ、何したのお前、何起きたの今ァ!?コイツ…コイツ、ガーディアンのビーム弾きやがった!?
"装備作り頼んだ"
「…ッ!わ、分かった。けど無茶だけはするなよお前!」
リンクに呼び掛けられて正気に戻ると俺は作業台を取り出し手を動かす。恐らくあいつはガーディアンとの戦いの記憶は忘れているが交戦した際の経験は身体が覚えている。あの動きは初めて戦ったとかそんなモノではなく、何十…いや下手をすると3桁程の交戦経験を重ねて来たと考えられる。だからって鍋のフタで光線を弾くなんて頭おかしいけどな!!
とにかく強い装備を作るのに必要なのは『加工した鉄』、そしてその加工する為に『炉』を作らなければならない。
ここに来たばかりの自分はまだビルダーとして素人も同然。炉を作ることは出来なかった…だが今は違うッ!ビルダーペンシルを手にしたと同時に女神様に新たな物作りの為に必要な知識を与えられた。その中にはもちろん『炉』の知識も存在していた!
作るのに必要なのは大量の『石材』であり、それらを加工、組み立てを行っていく!そうする事で『炉』の完成だ!
その直後、後方よりズドォン!と爆発音が響き咄嗟に耳を塞いだ。チラリと物陰越しに戦況を覗く。古代遺物より放たれるビームに対して盾(鍋のフタ)を使用してガードするリンク。だがあまりの衝撃と熱量により粉砕されてしまう。第二射を放つ為に再び照準で狙いを定めてエネルギーを溜めるが、その瞬間を突き弓矢を構え瞳に向かって射抜き照準を逸らすと同時にエネルギーを暴発させた。第二ラウンドと言わんばかりにリンクはそこら辺のボコブリンから奪取したボコ盾を構えた…!
…あのさ、コレ俺必要なの?もうアイツ1人でいいんじゃないかな?(震え声)
そう思ったがよく見るとボコこん棒は折れている上に、盾もどんどん傷付き劣化している。更に矢も残り数本と状況はどんどん打つ手が無くなって来ている事態だ。
「ああっ、俺の馬鹿!任されたなら信じろよな!相手はあの退魔の剣に選ばれたって言う剣士だぞ!」
そう自身に言い聞かせ、炉に薪を焚べた後に俺は『鉄クズ』を放り込む。それはここに来る道中に手に入れた鉄箱を壊して手に入れた残骸。本来ならば鉄鉱石が欲しかったが、無いものねだりをしてる暇は無い。とにかくあるだけ全ての鉄クズを溶かして
その直後、ゴオッ!と自分が身を潜めていた岩が砕かれる音が轟く。何事かと振り返るとガーディアンが一本のクラーケンの如き触手を携えていた。地面の中に埋れて隠し持っていたのだろうムチのように
咄嗟にスリングショットを取り出し、反撃しようとするが直前にリンクが割って入り粗末な盾を犠牲にで触手を弾いたのだ。彼は"装備の進捗は?"と問いかけて来る。
「地金を溶かし造るにはもう少し時間が必要だ。そっちこそ盾の貯蔵は?」
"さっきので底をついた"
「何で昔の人達は暴走停止用の装置を付けておかなかったんだ!(半ギレ)」
毒を吐いても状況は変わらず。ギチギチと触手を唸らせ、光線の照準をこちらに向けて来るガーディアン。絶体絶命のこの瞬間、何か手はないのか…?せめて時間が止まってくれれば考える時間も増えると言うのに!
……待てよ、
「リンク、相手がビーム出す前兆と言うかそう言うタイミングは分かるか?」
そう告げるとコクリと頷く。何度もビームが放たれる瞬間を見て来たからか、それとも過去の記憶が身体に染み付いてるのか定かでは無いが時間を稼ぐ方法は見つけた。それに賭けるしか無い、それが駄目だった場合は……うん、考えるのはやめよう(逃避)
ガーディアンの瞳部分に青い粒子が凝縮されエネルギーが溜まる。ビームを放てる合図なのだろう、それを見切ったリンクが"ここだっ!"声を上げる。そうだ、この瞬間を待っていたんだッ!と言わんばかりに俺はポーチをガーディアンに向けて開く。
その瞬間、自分達の眼前に『丸太』を出現させる…否、ポーチ内より取り出す。
「今だリンク止めろッ!」
"ビタロック発動!"
直後金色に包まれ、その場に固定された丸太がガーディアンの光線を受け止めた。古代技術の結晶とも言える攻撃を受けたにも関わらず丸太はカチカチと音を鳴らし無動を決めたままだ。加えて丸太が遮蔽物となってくれているおかげでガーディアンはこちらに狙いを定める事ができないでいる。
ならば直接攻撃しようと丸太を避けて、腕をこちらに伸ばして来る。
「そんな事させるかッ!」
"ビタロック解除!"
俺がハンマーを丸太に打ち付けた直後、リンクがビタロック機能を解除する。するとビームと打撃によって溜め込んだエネルギーが解放されガーディアン目掛けて丸太が勢い良く発射されダメージを与える。
だがこの程度で倒せるガーディアンではない。それはコチラも理解している……だからこそ、時間稼ぎが必要だった。何とか守り切った炉から『粗末な鉄インゴット』を取り出すと作業台を使用し装備を作る。
これらの作り方は簡単!『粗末な鉄インゴット』×複数個で『旅人の剣』を。『粗末な鉄インゴット』+『木材』の組み合わせで『くず鉄の盾』が出来る!
「リンク受け取れ!剣士なら剣士らしい装備で戦ってこい!」
右手に剣を左手に盾を、装備して彼はガーディアンの前に立つ。今までの馬鹿みたいな装備ではない。本来の意味での剣士が扱う剣と盾、それを手にしたリンクが駆け出すと振り払って来るガーディアンの触手を最小限の力を込めた盾で流す。
その圧倒的な経験が身体を無意識のうちに動かすのだろう、左右に跳び迫りガーディアンの懐へ潜ると華麗な斬撃をお見舞いした。
更にこれ以上の抵抗をさせない為か美しい剣閃が古代技術で作られた触手を根本から切り落とした。
「す、すげぇッ!関節部を狙って斬りやがった!しかも最も酷使して劣化しているであろう部分を見切って!……ま、待てリンク!相手の様子がおかしい!」
突如として様子がおかしくなるガーディアン。故障したのか、リンク相手に敵わないと判断したのか全身の発光が点滅し瞳も青からドス黒い赤へ変わっていく。
嫌な予感がする…!しかも予感は絶対に不味いと戦闘が素人同然の俺でも分かる!あのヒシヒシと伝わるエネルギー…まさかアイツ、爆発するつもりか!
「リンク、相手は自爆するつもりだ!ここで自爆させれば俺達は同然、祠も壊されるかもしれない!」
"させない!"
そう言うとリンクはガーディアンに剣撃を放つ…しかし頑強なボディを持つガーディアン、それも自爆する前に倒すとなると間に合わない。
今度こそ絶体絶命か……いや、待てよ。確かアイツ瞳に矢を受けた瞬間怯んだよな?造られた物だと言うのに怯む、それは機能的にその部位がダメージを受けてはいけない部分だとガーディアンが判断したからだ。それならば…!
「リンク!
投げた大剣を受け取ると、そのまま眼球に該当される部位へと突き刺すリンク。断末魔のような音を鳴らす古代遺物だがもはや逃れる術は無い。今までのお返しだと言わんばかりにリンクは片手に剣を、もう片方には木槌を携えてがむしゃらに刺さった巨人のナイフ目掛けて殴り付ける。釘を打ち付けるかの如く段階的に大剣が青い目の奥へ突き進んで行く。やがてパキンと中から割れる音が響くと同時に動作不良を起こすガーディアン、やがて全身から毒のように赤黒い煙が吹き出すとその機能を眼前に停止させた。
「ほ、本当に倒したのか…?あのガーディアンを…!?」
大厄災が過ぎ去った今も尚、人に害を及ぼす象徴として各地に蔓延るガーディアン。その一体を目の前で
認識を改めなければならない。彼は変態でもなければ蛮族でもない、大厄災を討つ為に目覚めた剣士──否、勇者なのだと。
「リンク。今まで蔑んだような評価をして済まなかった。そのガーディアンを倒した瞬間、俺は君から勇者としての姿を見出した…その力、その勇気。俺は君に敬意を評す───おいちょっと待て倒したガーディアンの残骸の周りを生魚と生肉で囲ってんじゃねぇ!」
少しは退魔の剣に選ばれた威厳保てよ!速攻でかっこいいオーラ腐らせてるんじゃねぇよ!生魚と生肉だって陽に晒してもそこまでじゃねぇからな!?……まぁとにかく、さっさと巨人のナイフ引き抜いてガーディアンを
この中には古代技術が詰まった
チクショウ!微動だにしねぇぞこの大剣!ちょっとリンク、お願いがあるんだけどこの剣引っこ抜いてくれない?うん、君の力俺より強いんだから頼む。
…あっ、それと抜くなら丁重に扱ってな?その巨人のナイフは折れやすいから下手に扱うと───
バキッ(刀身が折れる音)
「あっ」
"あっ"
「ああああーーーーーッ!ダニエルお手製、頑丈製に難有りつつも攻撃リーチ共に優れた剣である巨人のナイフがァァーーーーーッ!」
"何故急に宣伝を…!?"
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
これは…よし、素材として回収できるな。でもってこのパーツは…駄目だなぁ、全然びくともしない。これは後回しだな。仕分けは出来たから後はコレらを作ればOKだな。
ガーディアンを解体の後に作業台へ向き合い、とあるアイテムの作製に勤しむ自分。
するとシーカーストーンを手にしたリンクが祠から出て来る。あの様子から見るに新しい力はしっかりと手に入れる事が出来たようだ。
「おっ、戻って来たみたいだな。その感じからして祠で最後の力を入手できたみたいだけど…どんな力だった?」
そう尋ねると彼は手元にヨロイカボチャサイズの球体を出現させ、自分に手渡して来る。青い…玉?凄く光ってるなぁ、見てるだけで引き込まれるような神秘的なアイテムだ。こんな綺麗な物一体何に使うんだろうと疑問に思っているとリンクは"それ爆弾"と答える。
へぇ、なるほど。こんなに綺麗で神秘的な爆弾がこの世に実在するだなんて信じられないなぁ……古代シーカー族って言うのは本当に凄いんd…ちょっと待って爆弾?
「……うおおおおっ!?なんてもの持たせるんだよお前!?」
"しかも遠隔で起爆できる"
「タチの悪い爆弾だなオイ!」
ほんとそう言うとこやぞお前。この蛮族に悪知恵属性が生えつつある事に悪寒を感じつつも、爆弾を丁重に扱いつつリンクに返す。
するとリンクは俺が何をしているのか気になったのか後方にあるガーディアンの素材群を見つめて来る。
今自分はガーディアンの残骸をいくつかのパーツに分けてポーチに収納してるのだが困った事に、コイツの大部分は今自分が持ってるハンマーでは砕けない材質が含まれている為か全然壊せそうにない。
だからといってこのまま放置と言うのは勿体無ので、運搬用に色々と作ってる事にしたのである。
それじゃいつもの万能素材である木材を『木の車輪』と『荷台』へ加工。その2つを組み合わせて…『荷車』の完成!
これにガーディアンの残骸を積む事で神殿へ運ぶ事が出来る。流石に自分1人で荷台に乗せたり運んだらは出来ないからリンクに手伝って貰う前提の作りだけれども。
と言うわけでリンク。ガーディアンを運ぶの手伝っ…だぁぁぁッ!?
鬱憤晴らしと新しい力を試す目的で残骸に爆弾ぶつけるのやめろ!貴重な古代技術が詰まった素材なんだぞ!ぶっ壊そうとするのは構わないけど無闇矢鱈に起爆して素材を傷付けようとするな!綺麗に壊せ!!
と言うかこっちに爆破の余波が来るんだけdぐァァアーーーッ!?
ガーディアンを積んだ荷車を押しながら神殿へ戻る俺達。ちなみに爆風で吹き飛ばされた俺は逆襲のハンマーで何度も殴ろうとしたが簡単に避けられてしまう結果となった。
「お前さ…ハンマーで殴ろうとしてもバク転回避するって何なの…?」
"アレくらい余裕。むしろ遅くてビックリした"
「もうお前にハチミツリンゴは作ってやらん」
すると酷くショックを受けた表情と共に"そんな!"と悲痛な声を上げるリンク。うるさい、その程度で済んでるのを有り難く思え…!
話をしながら神殿へ戻って来た俺達の視界に女神像の前に佇む親切な知らないおじさんが映る。
すると隣の新たな力(爆弾)を得た蛮族が"パラセール寄越せ"と言い放った。お前帰って来ての第一声がそれで良いのか…!?
「まぁ落ち着け。後でしっかりと渡そう…だがその前にこの老人の話に付き合ってくれんかのう?」
「別にそれくらいならいいですよ親切な知らないおじさ…あれ?物凄く今更なんですけどおじさんの名前って何なのですか?」
「ほっほっほ、それも含めて教えてやろう…うむ、上なら見晴らしが良い。2階へ行くとしよう」
そう告げるとおじさんは2階へ続く階段へ足を運んで行く。
…うーん、なんかおじさんの様子変じゃなかった?こう…少し思い詰めたような感じがしたけど、どう思う?そう尋ねるとリンクがリモコン爆弾をおじさんに投げようとしていたので無防備な背中にハンマーを叩きつけておいた(その後派手に吹っ飛び壁に突っ込んで自爆)。
そうして追いかける形で2階へ向かうとそこには少し様子が違ったおじさんが居た。
「来たか…それにしてもこのような快適な空間さえも増設してしまうとは流石はビルダーと言った所か。そしてリンクよ、先までのガーディアンとの戦いも実に見事であった」
「ありがとうございます」
"パラセールは?"
蛮族を肘打ちで黙らせる。それにしても何だか…変な光っぽいような…人魂っぽいの浮かんでません?それどうなってるんです?
「それも含め、今この場で儂の本当の姿を教えるとしよう───我が名はローム・ボスフォレームス・ハイラル。かつてこの地に在った国ハイラル…その最後の王だ」
すると雰囲気が一変。のらりくらりと躱していた雲のような性格が嘘のように厳格さを感じさせる声色へ変わった。いや、でもちょっと待って欲しい。今の名前何と言った?ローム・ボスフォレームス・
自分の言葉に答えるかのように目の前に居た高齢の木こりだった人物は光に包まれ真の姿を露わにした。
威厳ある洋装と佇まい、各所に散りばめられた王族の証とされる豪華な装飾。そして半透明に近しい身体。まさか正真正銘、大厄災で倒れたとされるハイラル王本人なのか!?
「左様、今や魂のみの存在であるがな…記憶の確かでないリンクに全てを語れば混乱する。故に儂は仮の姿を取り、必要最低限の情報に留めておった…許せよ」
謝罪の意を示した後、ハイラル王は語る。100年前の大厄災にて大昔の文献に倣い封印の力を持つ王家の姫と退魔の剣に選ばれし騎士、四体の神獣の操り手となる英傑達を揃え、ガーディアンと共に迎え討とうした事…だが厄災の力は想像以上に強く、討伐は失敗してしまった。
しかし現在、ハイラル国王の娘である"ゼルダ姫"がハイラル城に取り憑くガノンを抑えているのだと言う。
「それじゃあ、シーカーストーンに触れた時に聴こえてきた声は…」
「うむ。ゼルダのものに違いない」
魂だけとなり100年も前から厄災を封じ続けている娘をただ見守る事しか出来ない。その心労は計り知れないものだろう、自身で護る事は叶わなかった己が無力に打ちひしがれながらもこの人はずっと勇者が来るのを待ち続けていたのだ。
「リンクよ、国を護れなかった儂が言えた事ではないが…それでも頼みたい。ガノンを倒し、民を…そして娘を救ってやってくれ」
そう告げるハイラル王に対してリンクは真顔のままだ。静かに王の言葉に耳を傾けた後に心の整理がついたのか、部屋の隅に置いてある壺を手にする。そしてそのまま壁にガシャン!と投げ付けて───うん?ちょっと待って。
いきなり何やってるのお前!?…いや、もしかしてだけどお前…!
「あのさリンク…おじさん何処にいるか分かる?」
"急に居なくなったから今こうやって探してる"
ほとんどの壺を壊した後に今度は設置されたテーブルの下を覗きながら彼はそう言った。
マジかよコイツ…!正体を露わにした途端、王様の姿認識出来なくなってやがる!!!いや待って、どう言う事!? さっきまでの仮の姿はちゃんと認識してた筈だよね?それなのにどうして見えなくなってるんだよ!
「もしや先までの会話、聴こえてなかったのか…!?」
「残念ながらそうなります…まさか霊力が無くなった影響で王様の姿が認識できなくなるとは…」
いやでも、そう考えると王様の変装って凄く無い?魂だけの状態なのに実態を得て、なおかつ飲食も出来るってどう言う仕組みな訳!?
と言うかもう一度木こりモードになればリンクと会話出来るのでは?そう提案するがハイラル王は首を横に振る。
「それはできぬ…あの秘術はシーカー族由来ほモノなのだが、1日に出来る時間・回数が決まっておってな。もう使えぬのだ」
「時間云々はともかく、シーカー族の秘術すげぇっ!」
一時的に肉体得るって、凄くない!?魂になった状態で使える秘術ってどうやれば習得出来るんだよ!万物の理を超越してる気がするんだけど!?
…とにかく困った、俺が王から聞いた事をそのままリンクに伝える事はできるが、その人の真摯な言葉を自分で介して伝えるのはハイラル王の心情的に可哀想だ。何とかして会話出来ないモノだろうか?
あれ、待てよ?…
「リンク、ちょっとシーカーストーン貸して。確かこれって望遠鏡みたいな役割あったよな?ええと確かコレをこうして…」
シーカー族の技術の結晶とも言える板を王様へ向けながら望遠鏡の機能を起動させる。いやまぁ、シーカー族が作った万能アイテムと言うなら霊力も多少なりとも使われて、魂のみの存在とか視認する事できるかなぁ…と言う安直な考えなんだけども。
半信半疑の様子でリンクがシーカーストーンを覗く。するとハイラル王が立っている所を見る→シーカーストーンを覗く→再び王が立つ所を見る→覗くを繰り返す。
しばらくすると剣士である彼はストンと腰を抜かしアババと震え始めた。
「嘘だろ!?凄いなシーカーストーン!?幽霊まで見れるのかよ!」
「にわかに信じられぬが…これが古代技術の力と言う訳か」
"喋ってる…こわ…"
そう言いながらリモコン爆弾(球体、ブロック体)を手にハイラル王へ投げる準備をしている。100年前なら不敬で牢屋行き確定の言動を見せる彼にハイラル王は先程までと同じ内容をリンクに伝える。
驚いた事にリンクは魂の状態となったハイラル王を認識している。先程まで姿は愚か声すらも認識してなかったのにだ。
次第に慣れて来たのか驚愕に満ちていた表情は真剣な物へと変わって行く。彼に定められた運命、それに立ち向かう覚悟を決めた顔。そう自分は感じた。
「……ビルダーよ、お主には謝らなければならない」
ふと、王が自分に語りかけて来る。
「そもそも厄災は我々が止めねばならぬもの。だと言うのに関係の無いお前を巻き込んでしまった…だがら───」
「ハイハイ、ストップストップ!それ以上謝るの無しですからね?別に貴方が俺に強制した訳じゃないですし」
そもそも話、この旅は自分が選択したものだ。確かに女神ハイリア様の導きに従って俺はリンクと出会った。それまでは苦難の道のりばかりだったのは否定しない。
だが女神様は途中で逃げ出そうと言う考えを持った俺を罰する事は無かったし、リンクも俺を信じて戦ってくれた。
俺は決めた。リンク達に付いて行ってやる!そうすればまだ見ぬ素材達にも会えるし見た事も無い景色を見る事だって出来る。神器だってこれからどんどん入手出来るらしいからね。こりゃ共に行くしかねぇよなぁ?この際、厄災討伐でも何でも付き合ってやる!ただし戦闘はお前に任せたからな!
「…感謝する。では、ここから東に位置する『カカリコ村』へ行きインパと言う人物の元に訪ねると良い。その者ならばお主達が行くべき道を示してくれるだろう…さぁ行くが良い」
リンクにパラセール託した後にその姿を消すハイラル王。しかしその託すと言う意味合いは未来を、民を、娘であるゼルダ姫をも含まれているに違いない。俺達は互いに見つめた後に頷き、神殿より飛び出る。
目的地は決まった…目指すはここより東の『カカリコ村』だ!パラセールを開き大地の伊吹をその身に受け、台地を飛んだ───!
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
「…それでお主達、いつまで
あれから3日後、リンクとビルダーは未だ台地内に留まっていた…!
厄災討伐を意気込んだのは良いものの、準備がロクに整えられてない状況で台地の外へ出るのは危険と判断。
そこで時の神殿を拠点とし台地にて整地、畑作り、装備強化の為に魔物討伐、鉱床探しを行う事となったのである。
「大丈夫ですって〜、その内になったら外行きますから…っと!イワロック見つけたぞ!行くぞリンク木槌は持ったな!」
"石!鉱石!鉄鉱石!赤い月でリポップゥゥ!"
うおおおおお!と岩石で構成された魔物目掛けて走って行く二人。そんな彼 彼等を見て「あっ、駄目だこれ。コイツらテコ使っても動かんわ」と察する。
魂のみの存在であるハイラル国陛下ことローム・ボスフォレームス・ハイラルは託した相手を間違えたか?と一抹の不安に駆られた。
『ビルダー』
自らの意思でリンクと共に行動する事を決意。それはそれとして爆弾を狂ったように全方位に投げるのは何とかして欲しいと思っている。
イワロックは石材判定されるのか、弱点狙わずともハンマーを使えば簡単に倒せる事に気づいた。
『リンク』
シーカー族の力とパラセールを手に入れてウハウハ状態の蛮族。畑作り、新しい装備、赤い月が上がるたびに復活する魔物の殲滅で大忙しだがとても充実した日々を送っている。
霊力が無いので、シーカーストーン越しに魂だけの存在等を認識する事が出来る。これはシーカー族の技術によりその存在に気付く事でコログのボックリンのように視覚・聴覚による認識が可能となった。
まるで妖怪ウ◯ッチみたいな扱いをするなコイツ…。
『ハイラル王』
木こりで親切なおじさんは仮の姿。その実態はハイラル王その人である。魂だけの存在である筈が木こりモードになると斧を使う、パラセールを扱ってたりと実体を持っているのでシーカー族の秘術による物と言う設定を追加。
正直シーカー族の秘術ならこれくらい出来てもおかしくないと思うの(イーガ団や導師を見ながら)
『イワロック』
全身が岩で構成された魔物。ドラクエビルダーズ2の『うごくせきぞう』のようにハンマーで大ダメージを与えられる。赤い月による復活を果たすと真っ先に倒される。
オラッ、鉱石置いてけ!
【入手したアイテム】
『炉』
手に入れた鉄鉱石や銅等を金属インゴットに加工、また砂をガラスに加工する事も可能となっている。
『旅人の剣』
『粗末な鉄インゴット』複数を加工する事で作成できる片手剣。攻撃力はそこまで高く無いがリンク程の剣士が扱えば強力な武器となる。
『くず鉄の盾』
『粗末な鉄インゴット』+『木材』を組み合わせる事で作成可能な盾。ボコ盾、鍋のフタよりはマシな頑丈さを持つ。
『巨人のナイフ』→『折れた巨人のナイフ』
ガーディアンへのトドメを行った後に折れた大剣。ゴロン族のダニエルが作成した強力な武器だが耐久性に難がある。その結果、一回の戦闘で刀身が折れてしまう。
やぁダニエル!君(の武器)は破壊されるんだよ!残念ながら前任者(巨人のナイフ)は破壊されました。
次回は旅メンバーにとあるキャラが1人追加される予定?
賛否ありそうで同行させるのはちょっと怖いかもですが…。