寒暖差で体調を崩してしまい、執筆が遅れてしまいました。皆様も体調管理には充分気を付けてください。
女神ハイリアは危惧していた。姫巫女が光の力を用いて厄災ガノン復活を止めているが、それをずっと封じる事はできない。
退魔の剣マスターソードに選ばれし英傑リンク。彼は深手を負い不完全な状態で復活を遂げてしまった。
厄災を破壊せし勇者。
未来を創造せしビルダー。
二人の力を合わせればきっとハイラルに平穏を齎してくれる筈…。
そう思っていた時期が女神ハイリアにもあった。
「此処を第二の拠点とする!」
"置いてけ!素材置いてけ!目玉とか角とか肝を置いてけ!"
コイツら目的地へ全然進んでねぇ。むしろ台地から止まってはいないか?
何故彼らが全然進んでいないのかと言うとパラセールを手にした後、厄災討伐に向けて装備の強化、食糧備蓄目的での畑作り、拠点作りの為に整地を行うなど挙げればキリがない程に色々な事に手を付けていたのだ。それにより手段と目的が入れ替わってしまう結果となり、貴方達のやる事は?と問いただした際には"素材集め!!"と即答するレベルで厄災討伐の事を完全に忘れてしまっていたのだ。
ビルダーと退魔の剣士を引き合わせた事で蛮族度合いが悪化してしまった気がする。このままではハイリア全土滅亡するまで台地でエンジョイし続ける可能性があるのでどうにかして対処する方法を考える。
そして女神は気付く。それならば使命に忠実で聡明かつ優れた頭脳を持つ者を同行させようと…!
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──ビルダー、聞こえますかビルダー。早急にリンクを連れて神殿に訪れなさい。来なかった際には来世から永劫的にライクライクとしての人生を歩んでもらいます
「有無を言わさねぇ手段に出て来やがったこの女神様!」
ライクライクと言えば洞窟内などの暗がりに生息するビジュアルから嫌悪感を覚えさせる魔物である。その生息地域故かあまり人前に姿を現す事は無いと言われているソレとして生きる呪いをかけて来ると脅しを掛けられてしまった。
……やはり魔神か何かなのでは…?(ビルダーは訝しんだ)
そう言うわけでリンクを連れて時の神殿へやって来た自分達。あれだけ荒れていた光景は嘘のようにしっかりと修復されており、自分用の作業室に加えてリンクの自室や素材用の保管庫、ガーディアン残骸収納部屋に食糧庫も増設している。ちなみに今後は地下室なども作っていく予定だったりする。
そんな改造に改造を重ねた神殿に鎮座する女神像の前で祈りを捧げていると神託が降りて来る。
──ビルダー、何故呼び出されたか分かりますか?
「……供物の煮込み果実に使ったリンゴが実は傷みかけてたのを使ってたから?」
──違いますが…それはそれとして後で大事な所で足を挫く天罰を与えます
クソァ!藪蛇だった!何でそんなピンポイントを狙うような呪いを…!?それ以外に呼び出された理由が思い当たらないぞ…?一体何のために自分達を呼び寄せたんだ…?
──厄災討伐の進捗はいかがですか?
「………」
スゥ───ッ……そっかぁ〜厄災討伐かぁ〜〜〜〜ッ、そう言えば与えられていたよな厄災討伐の使命…!しまった、素材集めの事ばかりで本当に頭から抜けていた!
「いや、そのですね?ちゃうんすよ。理由があるんですよ?」
言い訳のように聞こえますがね?元はと言えば厄災討伐を行うにあたって装備の新調や食糧管理、あと物作り用に素材を色々と用意する必要があったんですよ。その為に拠点増設、周辺の魔物討伐、畑作りとかを進めるのは当然の摂理。
ハイラル草やゴーゴーニンジン、ハイラルトマトの生産に関しては試行錯誤の毎日。ようやく芽が地面から出て来てこれからって時なんですよ!
つまり何が言いたいかと言うとですね女神様。
「あと10日くらいしてからカカリコ村へ行く感じで良いでしょうか?」
──何故それで良いと思ったのですか貴方は?今の貴方はビルダーとしてもまだ駆け出し。未だちゃんとした成長を遂げなければロクなモノを作る事ができませんよ
つまり道筋にはしっかりと従っておけと言う事ですか…!確かに肉に関してはイノシシや鹿をシバけば手に入れられるけども。農作物に関しては自分達は素人もいい所だ、正直な感想を言うと野菜系統の量産は無理だと半ば察していた。
それに王様の話だとカカリコ村には農業に関してのノウハウ、知識を有しているシーカー族が多数存在するとのこと。専門家から育て方などを教えてもらうのはこちらとしても願ったり叶ったりだ。
分かりました、女神様。これからカカリコ村へ向かいます!
「その前に準備期間としてもうイシロック狩りさせてください!具体的に次の赤い月が昇る時まで!」
"次の個体は宝石沢山落としてくれるといいな"
今度こそ高額な宝石や少ない鉄鉱石を沢山出してくれる筈なんです!そいつを3体…いや10体倒したら村に行きますから!
──つべこべ言わず行きなさい(威圧)
くぅ、イシロックは相性的に良いのか、自分が唯一単独でも倒せる魔物なのに!イワロックに関してもリンクと協力すれば簡単に倒せる宝石のドロップモンスターなのに…ッ!
そんな俺に酷く冷たい視線を送る(ように気がする)女神様は何か思惑した後に言葉を紡ぐ。
──その様子から察するに台地から出たとしても早々に厄災討伐の使命を忘れる事は容易に想像付きます。ですのでこちらから貴方達を導く使者を遣わせましょう
使者とは一体…?と疑問に思っていると天より神々しい光が降りて来る。まるで新たな太陽が出現したと錯覚する程の眩しさだが、それと同時に日射とは異なる心地良い感覚が身を突き抜ける。
女神様が神器を贈ってくれた時と同様に次第に光が収まって行くと、そこには黄金の髪を靡かせ白の衣装に身を包んだ女性が佇んでいた。
『女神様の言う通り、本当に私は……』
「貴女は…まさか!?」
その聴き覚えのある声に思わず反応を示す。度々、厄災が憑く城より届いて来たものと同じ声。優しさに満ち溢れ聖女と体現するに相応しい雰囲気を醸し出している。
『こうして会うのは初めてですねビルダー。荒れていたこの神殿を戻してくれて感謝します』
目の前にいる人はハイラル王と同じように魂の姿をしている…いや違う。確かに目の前の人は魂だけの状態だが、この人からは生気を感じられる!可笑しな話だが幽霊のような姿にも関わらず、この人は未だに存命であると直感できる。
これは一体どう言う事なんだ?と疑問に思っている中、霊体である彼女の視線がリンクに注がれている事に気付く。
『……早い再会になってしまいましたねリンク』
…本来ならばもっと望ましい再会が良かっただろう。厄災の討伐が終わった後に2人は出逢うべきだったのかもしれない。だが今ここで奇跡が起きた。女神様の力添えで破魔の姫巫女…もとい"ゼルダ姫"が魂のみの姿として現界したのだ。
『まだ私と貴方が出逢うのは時期尚早なのかもしれません。ですがこうして───あの、リンク?何故貴方は裸なんですか』
「彼の衣服は後で作る予定なので気にしないでください」
なので続きどうぞ。そう自分が言うと一旦咳払いを挟みゼルダ姫がリンクに向け言葉を紡ぐ。
『とても永く一瞬のような出来事でした。逢えて嬉しいですリンク。ハイラルを救う退魔の勇者…!私を───覚えていますか?』
金色の髪を伸ばした姫君が勇者へと語り掛ける。その涙を堪えたその様子を見て自分は察する。100年と言う長い時を経て今此処に姫とその従者である騎士が再会を果たした事に、巫女である本人は嬉しさと安心に満ち溢れているのだろう。
その問いかけに対してリンクは答えるように薪の束と火打ち石を取り出して……うん、ごめん。薄々勘付いていたけども。やっぱり見えてねぇわコイツ。と言うかなんで今それを取り出した?
「ちょっと…ちょっと待って姫様。コイツ見えてないようなのですぐ済ませるので」
『えっ…見えてないってどう言う?』
シーカーストーンに帯ベルトをセット。こんな時の為に帯を取り付けられるように専用のホルダーを作っておいてよかった。恐らく何も見えてないであろう退魔の剣の所有者にゴーグル状の板を装着させた後にゼルダの方へ顔を向かせる。するとリンクはその姿に驚愕したのか後退りを見せた。
これでヨシ。
『…えっと…そ、そうですよね。こんな姿になって貴方に会いに来た事に驚いていますよね…あ、あのリンク?先程から何故私に向けて松明を振り回しているのですか?』
「すみませんコイツ馬鹿なんです。気にせず話を続けてください」
…もしや彼なりの気遣いのつもりなのだろうか。一瞬だけ見えた翳りの表情が姫としての責務に押し潰されそうな少女を物語っていた。それを察したリンクは敢えてアホな事を行動を取る事で彼女に心労を和らげているのだと自分は考える。
流石は100年前に仕えていた騎士と褒めたい所だ。実に完璧な配慮と言えるだろう。
『あっ、あのリンク!?何故リモコン爆弾を取り出すんですか!もしかして私に恨みでも!?』
リンク本人が何も考えていないと言う点を除けばだけどな!と言うか姫相手に何やってんだお前!…え?"知らない幽霊に知人面されても困る?"あぁ成る程、そう言う……。
『ど、どう言う事ですか?まさか彼の記憶は戻ってない!?』
「それもあるんですが、その……
『そんなっ!?』
申し訳ないですけどそれが事実なんです。あ、見てくださいよ、その証拠にマグネキャッチで持ってきたガーディアンの残骸を幽霊である貴女にぶつけようと四苦八苦して───って!?
「おいお前この馬鹿!古代遺物の貴重品を粗末に扱ってんじゃねぇよ!コラァ!」
と言うか姫様に何かあったら厄災ガノンが復活して…ん?ちょっと待て?今更だけど…姫様(魂の状態)がこんな所居ていいのか!?厄災はどうしたんだよ厄災は!役目放っておいたら厄災ガノンが復活するだろ!俺達に会うよりも優先すべき事だろそれ!
自分がそう詰め寄ろうとした時、後方より静止を呼びかける声が耳に届いてきた。
「ホッホッホ、まぁ落ち着かんか。何やら理由がありそうだしのう」
「あ、さっきゼルダ姫が登場した瞬間に腰を抜かした王s」
「ホッホッホ…儂は謎のお節介焼きの老人…そうじゃろうビルダー?」
「え、でも貴方はハイr……あ、なんでもありません」
この王様、斧をチラ付かせて来やがった…ッ!正体をバラしたらどうなるか分かってるよね(殺意)って…コト!?そもそもの話、折角の親子の再会なのにどうして正体を隠すんですか…え?喧嘩に近い形で命落としたから気不味い?
これだから王族はよぉ…!
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「女神様から派遣されたって……貴女が?」
『はい。女神ハイリアが"あの者達だけだと絶対にハイラル救えないので、貴女が旅に同行しなさい"との事で…』
「知らない内に俺達への信頼度が皆無に…!?」
話を纏めるとガノンを食い止めている最中に女神ハイリア様からの神託が下ったのだと言う。そして女神特有の凄まじいパワーのゴリ押しでこの神殿に連れて来られたと…そもそもの話、何故に彼女が選ばれたのだろう?と考えているとゼルダ姫は動植物や古代遺物への理解が深く、厄災討伐において彼女の知識は役に立つからと言う理由らしい。正直な所凄く意外だ、彼女にそんな研究者気質な所があるとは思わなかった。
『こう見えてフィールドワークが趣味だったりするんですよ?』
「すげぇ意外…姫様ってのはこう城に篭ってブルジョアな日々を満喫してるもんだと思ってました」
『あながち間違いでも無いかもしれませんよ?ただ父上の言いつけで姫巫女としての修行を行っていたので暫く出来てませんでしたが…』
「あっ、ふーん…?」
成る程、王様が凄い気不味そうにしてたのって姫様の趣味を禁じて修行を強要させてたからか。
更に話を聞くとタイミング悪く、大厄災が訪れて親子関係がちょっと拗れたまま100年過ぎたって……うわぁ、確かにそれは王様が正体隠そうとする気持ちも分かる。
「……それは辛かったのう、王族による責務がお主を苦しめに苦しめてしまった。その思いの丈を儂にぶつけて来ると良い。吐き出すだけでも少しは楽になる筈じゃ」
「おっ、そうだな(この王、娘との関係性を再構築しようとしてやがる)」
それなら100年前も娘を贔屓にしてやれば良かったのにと思ったが、今更どうこう言った所で意味はないので黙っておく事にした。それはそうと木こりに変装して娘と接するのは父親としてどうかと思うぞ王様。
まぁそれは置いておいて、姫様がここに居るなら厄災ガノンはどうなったんだろうか?明日復活するので最終決戦に望むための準備をしろと言われたら俺はこの場の全員を置いて逃げる自信がある。彼女を呼び寄せた影響でハイリア全土破滅が早まるなんて本末転倒は冗談ではない。
『それに関してですが、女神ハイリア様が一時的に私の魂と肉体分離させたのです。魂は今此処にリンク達と共に同行させるよう送ってもらい、肉体の方は女神様が光の力をハイラルに送る為の媒介として使用し、厄災ガノンを抑えているそうです』
つまりゼルダ姫の代わりに女神様がガノンを封印してる訳か。それにしても女神様凄い働くなぁ。一時は魔神認定してしまったので申し訳なくなる。いや本当に、マジで。
『でも情けない…ですよね。私が全うすべての責務を女神に押し付けこうやって私は魂の存在としてこの地に居る』
「え、姫様が気に病む事なくないですか?」
『遠慮しなくても良いのですビルダー。100年前のあの日、封印の力に目覚めるのに遅れた所為でリンクに深傷を負わせ、神獣は厄災に乗っ取られて、英傑達の命は落とし、挙げ句の果てにはハイラル王国を滅亡させてしまった……自身の責務を果たす事すらできない。こんな私は…うっ、ううっ……!』
もしもし厄災を封じる役目を代わった女神様。こちらの封印の姫様を派遣して下さったのはありがたいのですが、もうちょっとこう…メンタル、メンタル面なんとかなりませんでした!?
泣き始めちゃったんですけどこの人!どう接すれば良いか分からないんですけど俺!さっきからそこで生キノコ食べてるリンクお前、姫様護衛を務めていた騎士なんだろ!なんか言葉を掛けてやってマジで!
"今更だけど既にハイラル王国は滅んだから今はゼルダ姫じゃなくて住所不定無職のゼルダになるよね"
『うううううう゛ううう゛ううう!(号泣)』
「言葉を掛けろとは言ったが、言葉は選べ馬鹿!」
自分が護衛を務めていた対象を泣かせてんじゃねぇよ!
…もしやこれ旅しながらリンクの面倒見つつ姫様のメンタルケアをしなければいけないのか?ハイリア様、俺達の負担を軽減する為に彼女を派遣してくれたのは助かります。ですがこれ総合的に俺の労力増えてませんか?
「気に病んではいかん、確かに民を守れなかったかもしれぬ。だがお主は今のハイラルで生きる皆を救い、勇者が復活するまで厄災ガノンを100年もの間も封じていた。これ主の功績と言わずして何と言うか」
「…そっ、そうだよ(便乗)姫様が居なければ俺だってこうしてビルダーをやるどころか生まれて来なかった可能性もあるし!」
"目覚めた時、パンツだけ残してくれたのを感謝してます"
リンク、お前のそれってフォローになってるの?ゼルダ姫も思わず困惑一色になってるから。さっきまでの暗いオーラが嘘のようになってるから。そう思ってるとハイラル王(木こり)が姫に言葉を投げ掛ける。
「それならばしばらくの間、この台地で過ごすと言うのはどうじゃ?」
「おじさん?」
「厄災なんぞ忘れ、ここで新たな人生を始める。その手もあろうよ」
「おじさん!?」
厄災討伐の旅は!?この姫様って女神様から派遣されたのに王様阻んでるんだけど!娘を想うあまり目的を見失ってるんだけど!?
『ですがそれは…』
「良い、確かにお主がここに来たのはそれ相応の理由がある…だがしかしその責務によるプレッシャーで潰れてしまえば元も子もない。始まりの台地で改めてお主が何をすべきがゆっくりと考えれば良いのだ」
『……はい!』
この様子だとゼルダ姫は目の前にいる老人こそ大厄災の時に命を落とした父親だと気付いていない。
だがそこには確かに存在していた。王と姫の確執が一切無い、父ハイラルと娘のゼルダが会話を繰り広げる他愛も無い平和な光景が。
女神様がゼルダ姫を此処に送って来たのは、こんな光景を見たかったのかもしれない。
……いやでもまぁ、あの女神様がそんな心情に寄り添った事をするかと聞かれたら微妙だけれども。
ん、なんですかおじさん(王様)急に耳を貸してくれって?それは小声で聞く方ですよね、物理的に耳を寄越せじゃありませんよね?
…え、これからもゼルダ姫のメンタルケアを頼むですって?いやそれは王様やってくださいよ、父親なんですから。
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その夜。ゼルダ姫からリンクと共に呼び出されたので何なのだろう?と思い神殿の外へ行くと彼女は次のように告げて来た。
『今の内に台地を脱出しましょう2人共』
「速攻で人の好意を足蹴にしやがったぞこの姫巫女!?」
これから始まる涙ぐましい奇妙な親子関係のストーリーは!?5日くらい滞在してどう進展するか期待してたのに!
『先程の態度で理解しました。あなた方が台地から出ない理由…いや出れない理由はあの正体不明の老人による妨害を受けていたから…そうに違いありません!』
"なんだって!?それは本当なんですか!"
「え、いや…その……違う。違うんだけど」
自分で言うのもあれだけど出なかった理由って準備を建前に素材集めに精を出していただけであって王様が原因ではないんなけど。と言うか原因の大元は俺なんだけど。
『きっとあの高齢の方は厄災討伐を阻止すべく送られて来た刺客の可能性もあります…もしかしたら現在も残っているイーガ団の可能性も…?』
"とりあえず処します?"
「やめて差し上げろ!」
やめてあげて!あの人娘にダダ甘い元王様なんだよ!さっきだってゼルダ姫歓迎会で盛り上がってた時に姫用の大きな個室、ベットはキングサイズ、豪華なシャンデリア、身嗜み用にドレッサーを作れと半ば脅される形で要望して来る程なんだぞ!
くっ、ここで正体をバラす…と後々に王様が斧を持って襲来して来る可能性が考えられるから迂闊にバラす事ができねぇ!
「で、でもよぉ姫様。折角作った拠点を放って旅に出るなんて俺にはとても……」
『それについては考えがあります。シーカーストーンにはアイスメーカー、リモコン爆弾、望遠鏡以外にワープ機能が存在します』
「ワープ機能!?」
『それを解放すればいつでも
「へー、あの王さ…じゃなくて親切なおじさんと同じようにカカリコ村へ行くのは変わらないのか」
『なっ!?もしやリンク達を罠に嵌める為にカカリコ村は既にイーガ団の息が掛かって…!』
徹底的に信用してねぇ……王様が凄い不憫に思えて来たんだけど。
ええ…どうしよう。何か書き置きとか用意しておいた方がいいんだろうか?
『ビルダーは反対ですか?』
"それじゃあ此処に残るの?"
「あのなリンクお前、こんな美人の姫様(幽霊)と同行してくれるんだぞ?行く一択でしょ」
美人な女性なんて何人居ても困らないからね。と言う訳で始まりの台地にさよならバイバイ。俺達はゼルダ姫と旅に出る。
イェーイ、王様見てるー?これから貴方の娘さんと一緒に台地から脱出しちゃいまーす!
と言うわけでこんな時の為に『コログの葉』を利用して作った『コログパラセール』を使うとしよう。
パラセールを作れないならばそれに限りなく似た物を作れば良いじゃない。と言う事で振るうだけで風を起こす事のできる力と程よい面積と、羽のように軽い質量を持つコログの葉をそのまま使う事でゆっくりと落下する事が可能となる。無論、実用性に関しては既に(リンクを使って)実証済みだ。耐久性に関しては脆く、1回使っただけで壊れてしまうが脱出する分には問題無いだろう。
「さてと…予め言っておくけどリンクお前、落下中に自分のパラセールを弓矢で撃ち抜こうなんて考えるなよ」
『失礼な事を言ってはいけませんよビルダー、リンクがそんな事をするわけありません。そうでしょうリンク?…リンク?どうして露骨に視線を逸らすのです?どうしてこちらから顔を背けるのです?』
台地に来た時にバルーン気球を撃ち抜いた前科あるから確認したけどコイツ…。時折、行動原理が愉悦に従った物になるから怖いんだけど。
何度も確認するけど本当に退魔の勇者なの?人違いだったりしない?
こうして俺達は新たにゼルダ姫(幽霊)を旅の仲間として迎え入れて…いやなんで城で待つ側の姫様が同行してるのか疑問に思うが、とにかくカカリコ村を目指して台地より飛び立つのであった。
「がぁぁぁぁぁぁあ!腕がああああああああああ!腕がもう限界いいいいいいいいいい!」
『ええ!?まだ降り始めたばかりなんですけど!』
「一般ハイリア人の身体能力舐めてんじゃねぇぞコラァ!あっ、やばいなんか腕痺れて来た!?」
『いや一般人と比較しても貧弱にカテゴライズされますよ貴方!?』
"やっぱり弓矢で落とした方が楽になるか…?"
『リンク!?』
「それは別に意味で楽になるヤツだろ!うおおおおおっ!ハテノ村出身のビルダーを舐めるなァ!」
『ゼルダ』
100年前より厄災ガノンを覚醒した力で封じ込めている姫様。
大厄災前は修行により霊力を得られなかった事や周囲から無才の姫、役立たず姫と陰口を叩かれたり、退魔の剣に選ばれたリンクにコンプレックスを抱くなど歴代のゼルダ姫と異なりかなり人間味のあるキャラに仕上がっている。
本来ならばリンクが城に来るのを待つ予定が、予想以上の弱体化に加えて派遣されたビルダーと共に台地暮らしを満喫し始めたので女神ハイリアが尻を蹴り上げる為にゼルダと役割を交代。女神がガノンを抑えている間、ゼルダ姫がリンク達のナビゲートを担う事となる。
【作製したアイテム】
『コログパラセール』
『コログの葉』を複数個加工する事で作成できるアイテム。1回限りだがパラセールのようにゆっくりと落下する事ができる。
ちなみにビルダーの腕力は雑魚レベルなので、今後の課題として感想欄にあった命綱的なのを付ける必要性あり。
と言う訳で追加メンバーはなんとゼルダ姫(幽霊体)でした。
正直なところ彼女を厄災討伐の旅に同行させるのは賛否あると思います。ゼルダ姫と言えば例外こそあるもののリンクを待つ役割が有りますので。
それでも旅に同行させた理由としては、どうしてもリンク達と旅でワチャワチャするゼルダ姫の姿が見たかったからなんです。
旅の道中でリンク達にカエルを生で食べさせようとしたりサバイバル生活をエンジョイする御ひい様の姿が見たかったんだ…!