登場キャラクター サクラバクシンオー
属性 しっとり 独占欲 無自覚
これはウマ吸いにあらず。繰り返す、これはウマ吸いにあらず。
タイトル通り、無自覚に独占欲を出しちゃうしっとりバクシンオーのお話です。pixivにも投稿されており、意外と好評?でした。
最近、バクシンオーの様子がおかしい。
元からおかしいのは周知だが、この頃拍車がかかっている気がする。
気の所為と言われればそうかもしれないが、俺は彼女の担当トレーナーゆえ、些細なことでも気にかけてあげなければいけないのだ。
こまめな体調管理もトレーナーの仕事。愛バにはいつでも元気いっぱい食欲全開出場レースはナンバーワンでいて欲しい。
〜〜〜〜〜
「トレーナーさん!おはようございます!!!眠れないので来てしまいました!!!」(150dB)
「──────っ!?!?」
早朝、俺の目の前で落雷した。否、そう錯覚するほどの轟音が鼓膜を震わせた。
声の主は他でもない、愛バ サクラバクシンオーである。
「トレーナーさん、おねむですか?」
「当たり前だ。まだ3時だぞ?俺を殺す気か…」
「ややっ、これは失敬!では、この私がトレーナーさんを再度夢の世界へと連れて行って差し上げます!」
「…zzz」
「ちょわっ!?私の出番無しですか!?」
〜〜〜〜〜
バクシンオーがトレーナー室へ乗り込む少し前。
「眠れません!」
私、サクラバクシンオーはただいま眠れないモードに突入しています!確かこういう時はブルボンさんが何かを数えると早く眠れると仰っていましたね…
「はて…なんだったでしょうか…」
う〜ん、思い出せません!仕方ありません、ブルボンさんを数えて気を紛らわすとしましょう…
ブルボンさんが一人…ブルボンさんが二人…ブルボンさんが三人…ブルボンさんが四人…ブルボンが五人─────────
ぶ、ブルボンさん達が合体しました!?
「合体変形ロボットウマ娘 ミホノブルボンさん!?」
結局、頭が混乱して眠れませんでした。
困りました…これでは明日のトレーニングに支障をきたしてしまいます…
むむ…最終手段です!トレーナーさんに直接聞いてみましょう!安眠する方法を!!
バクシンオーは同室の娘を起こさぬよう抜き足差し足忍び足で音をたてぬように部屋を出た。
その後も、極力静かに、されど素早くトレーナー室へと向かった。
「お邪魔しま〜す…」
ゆっくりとドアノブを開け、中へ入る。
「トレーナーさん、寝てますか…?」
どうやら寝ているようですね。まぁ、当たり前ではありますが。
「…なでなで」
寝ているトレーナーさんの手を私の頭へと乗せ、なでなでしてもらいました。
なんだか胸の鼓動が早くなってきました。それに、体も暖かくなって…この感覚、どこかで…
そうです!母上の桜餅を食べている時と同じ感覚です!!
ということは…トレーナーさんは桜餅だった…!?
なんて、さすがにあるはずがないですね。
「そういえば…」
ふと思い出しました。自分の物には名前を書かなければいけないと。昼間に落し物をした生徒を助けたからでしょうか。しかし、物に名前を書くのは分かりますが、それは人にも適応されるのでしょうか。
「自分の物には名前、ですか…」
近くにあったペンを使いましょうか。目立つところに書いた方がいいでしょうか…
「手の甲にでも書いておきましょう」
大きく力強くかけました。これで、私のトレーナーさんということが一目で分かりますね!
「ぶえっくしゅん!うぅ…遊んでいたら体が冷えてきました。」
このまま帰るのもなんなので、トレーナーさんの布団にお邪魔しましょう!
「トレーナーさーん…?」
潜り込んでも起きないなんて、意外と鈍いんですね。そういえば、スマートファルコンさんもトレーナーさんのこと『にぶトレーナー』なんて言ってましたね。
「にぶトレーナーさ〜ん、あなたのサクラバクシンオーはここですよ〜」
なんて言っても反応しませんね。担当バの声で起きない悪いトレーナーさんにはちょっとだけイタズラを…
やや、布団に入ったら何やら眠気が。
この布団なら、一生寝ていられそうです…
〜〜〜〜〜
そして序盤のやり取りがあり、なんやかんやで夜は開けた。
「トレーナーさん、今度こそ朝ですよ!」
「な、なぜバクシンオーがここに…?」
夜中に聞こえたバクシンオーの声…あれは幻覚幻聴の類ではなく本物だったのか…
「昨日は眠れなかったので、お布団にお邪魔させていただきました!」
「そうか」
まだ寝ぼけているようだ。とりあえず顔でも洗って目を覚ましに行こう。
そして俺は、鏡に映った自分の姿に声を上げて驚いた。
「な、なんじゃこりゃあ!?」
顔、首筋、胸などにびっしりと赤い斑点が現れていた。蕁麻疹とか皮膚炎とは違う、虫刺されのような跡。
「もしかしてダニか…?いや、ないな。この間新しいものに変えたばかりだし…」
「ん?」
頭を抱えていると、ふと手の甲に視線が落ちた。俺の手の甲には、でかでかと『サクラバクシンオー』とペンで書かれていた。
「ま、まさかこれ全部バクシンオーが…?」
あの娘の普段の言動や行動からして、こんなことをするとは思えないが…
「トレーナーさん、朝ごはんが出来ましたよ!委員長特製の卵焼きですっ!!」
考え事をしていると、エプロン姿のバクシンオーが顔を出してそういった。
「ああ、今行くよ…」
そして、バクシンオーとのすれ違いざまに確かに聞こえた。
『早く気づいてくださいね。にぶトレーナーさん♡』
いつもの彼女とは別人のような、しっとりとした艶やかな声が、確かに聞こえたのだ。