陰の相棒として…   作:ダーク・リベリオン

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霧の龍と破壊剣

[クリスside]

 

 

 

 

 

さてさて、深淵の森に来て僕のお目当てでもあるこの森の主たる「霧の龍」がようやく表れてくれたみたいだけど

 

 

その霧の龍から力を示せみたいなことをいわれたもんだからみんなが一斉に仕掛けに行っちゃって僕は出遅れちゃったよ

 

 

でもって今みんなは僕の目の前で霧の龍と交戦している真っ最中なわけですよ

 

 

あたりからは戦闘音がけたたましく鳴っている

 

 

「ちぃっ!!」

 

 

ベータがチャクラム状の武器で龍の体を斬る

 

 

《「心臓を流れる血管と見て狙ったか?…だが残念じゃな。的外れじゃ!」》

 

 

狙って切り裂いた部分も龍にはかすり傷程度だった

 

 

そして龍は一撃をベータに浴びせる

 

 

「ぐぅ、一撃がとてつもないほど重い!?」

 

 

「ゼータ!?」

 

 

「メス猫、もっとしっかりやれ!!」

 

 

負傷したゼータを見てベータが安否を気遣い、デルタは体たらくだと 責する

 

 

「今度はデルタの番なのです!いくのです!!」

 

 

爪をたてながらデルタは龍に向かって行った

 

 

しかしその攻撃を読んでいた龍は機敏な動きで回避を取る

 

 

《「甘いの…っ!!」》

 

 

「ぐへっ!?」

 

 

攻撃をスカされた隙を突かれたデルタが勢いよく地面に叩きつけられてしまう

 

 

そうしてそれを皮切りに龍は一気に畳み掛けていった

 

 

《「グオオォォォォォォォ!!」》

 

 

「「きゃあっ!?」」

 

 

「ぐぅぅぅぅっ!?」

 

 

「~~~っ!?」

 

 

瞬く間にベータもイプシロンもガンマもイータも次々と倒されていった

 

 

残されたのはアルファのみだったが彼女も少々やばい状態だった

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

武器を手に龍と対する彼女だけどあの様子では勝算はない

 

 

それでもアルファは諦める素振りは見せていなかった

 

 

《「ふん。誉めてやろううら若き娘ども。そなたたちの奮闘はなかなかのものであった。せめてもの慈悲だ。苦痛もなく葬ってやろう!」》

 

 

「っ!?」

 

 

終わらせるみたいなこと言って龍がブレスを繰り出そうとする

 

 

アルファたちは危機一髪のこの状況にどうすることもできないようだった

 

 

《「さらばだ!!」》

 

 

 

ビュォォォォォォォ!!

 

 

 

刹那、アルファたち目がけて龍がブレスを吐いた

 

 

「(…頃合いだね)」

 

 

その瞬間、僕は行動を移す

 

 

ブレスがみんなに到達するよりも先に僕はアルファの前に立つ

 

 

僕が現れてアルファたちは驚いているようだったけど僕はそれを無視して魔力を右手に集中させる

 

 

 

ブォォォォオオオオオオ!!

 

 

 

次の瞬間、ブレスが襲い掛かってきた

 

 

「クリス!!?」

 

 

「「「「「「クリス様!?」」」」」」

 

 

突然の出来事で七陰が困惑してるようだけど、でも問題ないんだなこれが

 

 

「――っ!!」ブバッツ!!

 

 

《「っ!」》

 

 

自分の放ったブレスを消し飛ばされたことに驚いた様子を見せて龍が僕の方を見る

 

 

《「貴様、わしのブレスを…」》

 

 

「ふぅ…や~まいった。熱い熱い。火傷するところだったよ」

 

 

煙が出ている手を軽く払って消した僕は龍に視線を向ける

 

 

「せっかくのところに水を差すようで申し訳ないんだけどこれ以上”家族”が傷つくのを見ていられなかったもんでね」

 

 

《「家族?」》

 

 

「そう、この子たちは僕にとっては家族同然の存在だからね。故に傷つけられてるのを見せられては居ても立っても居られないんでね」

 

 

僕は龍に思ったことを淡々と告げる

 

 

「クリス…」

 

 

「「「「「「…っ///」」」」」」

 

 

後ろから熱い視線を感じるけど今は置いておこう、まずは目の前のこいつからだ

 

 

「重ね重ね悪いんだけど…ここからは僕が相手をしよう」

 

 

《「ほう、なるほど。そういうことであればそれもまた良い…ならば貴様から先に沈めてくれようぞ!」》

 

 

龍が標的を七陰から僕に変えて襲い掛かってきた

 

 

「おっと!」

 

 

それを僕は跳躍しながら避ける

 

 

《「ちょこまかと…ではこれでどうじゃ!」》

 

 

すかさず龍がブレアのような拡散式のブレスを放ってきた

 

 

「あっ、まず―――」

 

 

 

 

 

ボバババババババババババン!!!

 

 

 

 

 

「クリス!?」

 

 

「「「「「「クリス様!?」」」」」」

 

 

《「他愛ないのぉ……ん?」》

 

 

 

シャキキキキキ!…ブォォオオッン!!

 

 

 

「っと、勝手に終わらさないでくれるかな?」

 

 

《「ほう、あれを防いだか。先ほどの言葉は撤回しよう、なかなかやるではないか?」》

 

 

「それはお褒めの言葉ありがとう」

 

 

咄嗟にスライムスーツの硬度を上げて防いだからいいけど並みの奴じゃ今のを受けたら塵一つ残らないだろうねきっと

 

 

やはり相手は龍、この世界における伝説の神獣

 

 

「…ふふっ」

 

 

《「ん?何を笑っておる?」》

 

 

「いや、こうしてあんたと戦えるのが嬉しいのさ…さて、じゃあそろそろ僕も行かせてもらうとするよ」

 

 

僕はそういうと念を送り、スライムを変形させる

 

 

スライムが徐々に形を変え、やがてその姿を一本の巨大な剣へと変える

 

 

《「また別の武器を手にしたのか?」》

 

 

「そうさ、この剣の名は「破壊剣」かつてとある剣士が竜を抹殺するために使用したまさに竜殺しの剣なのさ」

 

 

《「竜殺し…」》

 

 

おっ、竜殺しのワードに反応しているな

 

 

ちなみにここで「破壊剣」とか竜殺しの剣士という僕が言ったセリフで聞いてピンときた人は根っからの「決闘者(デュエリスト)」である

 

 

とまぁ、それはさておき僕は手にした破壊剣の先端を霧の龍に突き出す

 

 

「さぁ、死合おうか?」

 

 

《「…ふっ、面白い。受けて立とうぞ!」》

 

 

「ふっ!!」

 

 

《「――ッツツ!!」》

 

 

僕の言葉が口火となり、龍との戦いが激化する

 

 

「はあぁぁぁっ!!」

 

 

《「グォオオオオオ!!」》

 

 

互いに一進一退の攻防を繰り広げる

 

 

「食らえ!!」

 

 

《「甘いわ!!」》

 

 

「~~~――っ!!」ザザァァ!

 

 

振り下ろした僕の破壊剣を龍が翼を盾代わりに受け止められ、後方へと吹き飛ばされた

 

 

すかさず受け身を取った僕は地面を削りながら着地する

 

 

「…おやおや、防がれちゃったか?」

 

 

《「よくここまで耐え抜いたと誉めてやろう…だが、これで終わりだ!!」》

 

 

刹那、霧の龍が頭上に発生させたエネルギーの玉から多数の光弾を繰り出してきた

 

 

《「さぁ、これで退路は断たれたぞ、どうする人間!!」》

 

 

僕めがけて光弾が飛んでくる中、霧の龍が僕に問うた

 

 

「…ふっ、そんなの決まってるよ」

 

 

《「ッ?」》

 

 

「避けられないなら最初から避けなければいい、でもってそこから導きだされる僕の答えはただ一つ」

 

 

言葉を一旦とぎらせると僕はすかさず剣を構える

 

 

「それをも凌駕する一撃を……打ち込むだけさ!!」

 

 

刀身にありったけの魔力を込めたことにより破壊剣は魔力の刃を生成する

 

 

そして僕は十分に高まるのを確認すると破壊剣を全力で振りかぶった

 

 

《「………―――ッ!?」》

 

 

「……っ」

 

 

刹那、繰り出した魔力の刃を帯びた破壊剣は押し寄せる光弾もろとも霧の龍を切り裂いていた

 

 

《「…グハッ!?……バ、バカな。この、わしが……」》

 

 

自分が気づいた時には斬られてしまっていることに気づいた霧の龍が驚愕したように言葉を漏らす

 

 

《「…き、貴様、何者だ?」》

 

 

「…あえて言うなら、”通りすがりの陰の実力者”…かな」

 

 

僕は訪ねてくる霧の龍にそう言い放ってやった

 

 

《「…フ、フフフフフ。面白い、実に面白い男ぞ貴様は…名を聞いてもよいか?」》

 

 

「…僕の名前は「ゴースト」シャドウガーデンのNo2の男さ」

 

 

名を聞かれた僕はこの名を告げた

 

 

《「ゴースト、ゴーストか……よかろう、ゴーストよ。お前のその力に敬意を称し、わしの負けを認めよう…そしてわしは貴様と盟約の契りをかわすことにした。従って、以降わしは貴様の身と一つとなる。そして貴様の行く末を見極めることにした」》

 

 

「僕と?いいのかな?」

 

 

《「構わぬ…して、貴様は盟約の証として何を望む?」》

 

 

望みか…そんなの決まってる

 

 

「…この古都アレクサンドリアを我らシャドウガーデンの拠点とする。そして陰に潜み影を狩る使者としての道を突き進む。それ以外に願いはない」

 

 

《「それが貴様の願いか……ふふふふ、よかろう。ならば古都アレクサンドリアの地を、我が力と合わせ、ゴーストと汝らシャドウガーデンのものとするがいい」》

 

 

どうやら霧の龍からの許可もいただけたみたいだね

 

 

《「これより古都アレクサンドリアはそなたらの拠点となり、我が霧はそなたらを世界より隠すベールとなろう……ッ!!」》

 

 

次の瞬間、霧の龍が力を使うと霧が瞬く間に晴れていき、その先に古都アレクサンドリアがその姿を現す

 

 

「ありがとう…君の好意、無碍にはしないからね」

 

 

《「期待しているぞ……ッ」》

 

 

僕と会話を終えると霧の龍は光の粒子になって僕の身体に吸収された

 

 

身体から感じる不思議な感覚に僕はその感覚を何度も確認していた

 

 

「ゴ、ゴースト様?どうかなさいました?」

 

 

すると恐る恐るベータが話しかけてきた

 

 

「ううん。何でもない、それよりもみんな見て……僕らの新しい我が家だ」

 

 

古都アレクサンドリアを見ながら僕はそう皆に告げる

 

 

 

こうして僕たちは新たな拠点たる古都アレクサンドリアを手に入れ、シャドウガーデンの活動が新たなるスタートを始めるのだった

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