[クリスside]
クレア姉さまに部屋に連れ込まれた僕はある程度彼女を満足させた後
隙を突いて手刀を振るいクレア姉さまを気絶させる
「(少し悪いことしちゃったな)」
止むないこととはいえ僕の言った嘘を信じてウキウキしていた彼女にこのような事をしてしまったことに若干の罪悪感が芽生える
でもそれでも僕はこうしないといけない理由があるからだ
「ベータ」
「はい、ゴースト様」
僕が呟くと次の瞬間、近くにメイドの姿で変装していたベータが現れる
変装のために纏っていたスライムスーツを解除し、本来の姿に戻った
「次の手にかかる。手伝ってくれ」
「はい……あの、ゴースト様」
「どうしたの?」
突然ベータが僕に話しかけてきたのでどうしたのかと訪ねてみる
「失礼を承知で申し上げさせていただきますが、本当にディアボロス教団の手の者が姉君様を攫いにくるのですか?ゴースト様を疑うつもりではありませんが…」
恐る恐る僕に申し訳なさそうにベータが意見を述べる
「本当だよ。以前偶然にもディアボロス教団の手の者を発見し、そいつらを締め上げた際に吐かせた情報だからね」
まぁ、とか何とか言ってるけど実際は嘘だけどね
原作読んでるからこの後の展開を知ってるんだなんて言えるわけもないしね
「しかしなぜ教団が姉君様を?」
「それはね、姉さまもかかっているからさ…悪魔憑きに」
「なっ!?」
僕のその言葉にベータは大変驚いていた
「悪魔憑きにかかっているということは姉君様は?」
「そう、教団は姉さまが英雄の子ではないかと疑いの目を向けている。故に姉さまを捕まえようとしているんだ」
「事情は把握いたしました。ですがそれを阻止するためにゴースト様が”囮”になって捕まるなど」
心配そうに僕を見るベータ、不謹慎かもだけどそんな彼女がとてもかわいく思えてくる
「心配しないでベータ。問題はないさ、それに姉さまを危険な目に合わせる訳にはいかないからね」
「…はい、わかりました。すべてはゴースト様の御心のままに」
渋々といった顔をしているけどベータは僕に従ってくれた
「(おっと、大事なことを忘れてた)」
思い出したように僕はクレア姉さまの胸に手を置き、魔力を注ぎ込む
これにより僕は姉さまの悪魔憑きを完治させた
原作よりだいぶ早くなっちゃったけどまあいいよね
そんなこんなで僕はベータ協力の元作業を始めていく
――数分後――
「…く、クリス様。す、素敵です///」
「あ、ありがとうベータ」アセアセ
クレア姉さまをクローゼットに閉じ込めた後、僕はタンスから拝借した姉さまの服に着替えた
いろいろベータに手伝ってもらいながら僕は着替えを終わらせる
僕の容姿がクレア姉さまよりなことと髪もそれなりに長いことからぱっと見では偽物だとはわからないはず
とまぁ、ここまではいいんだけど僕がこんな格好をしたせいでベータがやたらと目を輝かせているのがとても気になるところではあるがそれは置いておこう
「じゃあベータ、作戦通りに頼むね」
「かしこまりました。ゴースト様、ご無理をなさらないでくださいね」
「ありがとう」
ベータにお礼を述べた僕はベットを整え直し、クレア姉さまの振りをして布団をかぶって横になった
――時刻は深夜――
クレア姉さまの振りをしてベットにもぐってからしばらくしてのことだった
窓際に気配を察知する
「(来たな)」
そう僕が思っていた直後、窓がバリンと割れる音がするとともに人が入ってくる音が
足音からして数人か
「だ、誰!」
起き上がった僕はわざとらしく驚いたふりをする
僕が起きたことに気づいた輩がそれに気づいて得物を光らせる
「あなたたち何者?私に何か用かしら?」
声もなるべくクレア姉さまに似せて問いかける
「クレア・カゲノ―、大人しく我々について来い、さもなくばどうなるかわかっているな?」
下手な真似をしたら家族に危害を加えるぞと言いたいんだろうな
「…大人しく捕まれば家族には手を出さないのよね?」
「あぁ、もちろんだ」
「わかったわ、それならさっさと連れて行きなさい」
輩にあえて従う素振りを見せる
それにより輩たちは構えを解いた
「賢明な判断だな」
「お褒めの言葉ありがとう」
リーダー格の男に皮肉交じりに礼を言ってやった
「ふん…連れてくぞ」
「「っ!!」」ファサッ!
「っ!?」
次の瞬間、僕は頭陀袋に入れられてそのまま輩共にアジトへと連れてかれる
上手く行った…さて、僕は目的地につくまで寝よう
[ベータside]
ゴースト様からの指示を受け、私はすぐにニューを召集しアルファ様たちに報告をするように命じました
そして翌日がやってきました
「(きっと今頃ゴースト様は奴らのアジトにいらっしゃるはず、こうしてはいられません。次の手に移らなければ)」
私はゴースト様の身を案じながら急ぎ、ある場所に向かった
バタン!!
「だ、旦那様、奥方様!?」
「な、なんだ!?」
「どうしたの!?」
目的地についた私は慌てた様子でゴースト様とシャドウ様、そして姉君様の両親たるお二人の元に向かいました
「た、大変です。お嬢様が、お嬢様が何者かに攫われてしまったようです!!」
「な、なんですって!?」
「バカな、く、クレアが!?」
慌てふためくご両親を連れて私は姉君様の部屋に向かった
たどり着いた私たちが見たのは窓ガラスが割られており、明らかに誰かが入ったと思われる足跡などがありました
「おぉ…おぉぉ!?」
「そ、そんな…なんてことなの!?」
部屋の惨状を目の当たりにしたお二方は酷く動揺されておられました
「あれみんなどうしたの?」
するとそこにシャドウ様がやってこられました
「うわぁ~ひどい有様だね?」
シャドウ様は一通り部屋を見てそのように呟いていました
「むぅ~、寝込みを襲ったとはいえあのクレアをぉぉ!相手は相当な手練れに違いない!?」
この現場を見ていた旦那さまが動揺しておられるようでした
「だから仕方ないと…?」
「うぇっ…?」
「そういうこと…?」
そんな旦那さまに詰め寄るように奥方様が問いただし始めました
けれどその表情は顔は笑っていても中身が怒っていることがはっきりとわかるくらい恐ろしさを感じる者でした
「あっいやそう言う訳じゃなくてね、ただ事実を述べたまでd「言い訳してんなこのハゲェェェェ!!」ヒェェェェェェ!?」
次の瞬間、いつもは口調の穏やかな奥方様から発せられる罵倒とともに鈍い音が
「おらおらおらおらおら!!」
「すみませんすみません!?」
「さっさと探しに行けやこのタコォォォ!!」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!?!?」
奥方様による怒りの仕打ちによって旦那様は弱弱しくへこへこしながら許しを請うのでした
「(…クリス様。無事でいてください)」
私は窓の方を見ながら連れて行かれたクリス様のことを思うのでした