[アレクシアside]
「(……どうしてこんなことに?)」
手足を鎖で固定され、身動きを封じられてしまっている私は何もできずにいた
そうして私はこうなった経緯についてを思い返していた
「(そうだ。あの時私、あいつに呼び出されたんだ)」
思い出した。私はあのいけ好かない
私がそのことを思いだした時だった
「にひ、にひひひひひ」
気づくと隣にはなんだか頭のネジが取れているような変な男がいるし
不意に手を見れば手には注射痕、それにテーブルには注射器とその容器に入った私の血液らしき液体があった
「…あまり血を抜かないでくれる?私、まだ死にたくないんだけど?」
「わ、わかってるよ。たくさん欲しい、だからいつまでも抜けるようにする」
「あっそ」
今日は早く帰ってあの子と遊ぼうと思ってたのに最悪よ
「こんな、こんなはずじゃなかったんだ!全部、全部あの馬鹿どものせいで!」
「…そうね、私もバカは大嫌い」
「僕の、僕の研究所を破壊していって、そ、そこから次々とぉぉぉ!!」
喋るんだか発狂するんだかどっちかにしてほしいんだけど
「やぁやぁ、お目覚めかい?」
すると私に声をかけてくる男がいた
…あのクソ
「やってくれたわね。まさかあんたが裏で糸を引いていたなんてね?」
「あぁ、しかしあの時は少々焦ったよ。まさか拉致を命じたやつらが君を捉えられずに戻って来るんだからね…おかげでこんな強硬手段を取る羽目になってしまったんだからね」
涼しい顔しながら困ったようなふりしてんじゃないわよ
「よかった。私貴方のこと頭おかしいんじゃないかって思ってたけど、やっぱりおかしかったのね?」
「どうでもいいさ、私は君の血が欲しいだけだからね」
「私の血が何だって言うのよ?」
私を狙った理由は血らしいけど何が目的なのかしら
「君の血があれば私はラウンズの第12席に内定する。剣術指南などというくだらない地位ともおさらばできるからね」
「ラウンズ?なにそれ?」
「教団最高位の12騎士「ナイツ・オブ・ラウンズ」今と比較にならない富みと名声が手に入る。本当は献上するならアイリスのほうがよかったんだろうけど君で我慢するさ」
「…随分なこと言ってくれるじゃない?」
こいつの話を聞くだけで頭の中が怒りで爆発しそうになったわ
「まぁ、せいぜい私の出世のために働いてくれ」
「…ゲス野郎が」
去り際のこのクソ
[ゼノンside]
私はアレクシアに挨拶を終えると通路を歩いていた
「多少予定が狂ってしまったが予定通りアレクシアは手に入れた。これで私もラウンズになれる…ふふふっ」
来るであろう未来を想像するだけで私は胸が高まる思いだった
そうして私が歩みを進めている時だった
「ぜ、ゼノン様!」
「どうした?何事だ騒々しい?」
「す、すみません。ですが早急にご報告をと思いまして…しゅ、襲撃です。敵が襲撃してきました!」
「なんだと?」
部下から敵が攻めてきたと聞いて私は驚いた
「敵の数は何人だ?」
「か、数については不明です!」
っち、使えない連中どもめ
「仕方ない、私は今からアレクシアを連れてここから去る。それまでお前たちで足止めをしておけ」
「は、はい!」
私が命じると部下は急ぎ足で持ち場に戻っていった
「くそっ、どこのどいつかは知らんが面倒なことをしてくれたものだな」
苛立つ気持ちを堪えながら私はアレクシアの元に向かおうとする
だがその時だった
ドゴォォォォォオオオオオン!!
「な、なんだ!?」
突然地鳴りがし始めたことに私は困惑する
ものの数秒で地鳴りは収まった
「この感じ、近いな…まさか?」
嫌な予感がした私はすぐさま地下牢に向かって行った
[アレクシアside]
あのクソ
頭のネジが飛んでいる科学者が近くにあったものに私から抜き取った血を大量に注ぎ込んだ
するとそれが目を覚まし、実験が成功したと研究者は浮かれているようだったけど
研究者は目覚めたそれに瞬く間に瞬殺されて、ただの肉に変わった
「さて…これからどうしようかしら?」
私がそんなことを考えている時だった
【「ッツ!!」】
ジャキィィィン!!
「っ!?」
どういうことか目覚めたそれが私を助けてくれた
【「ウガァァァァァァァ!!」】
すると目覚めたそれが咆哮を上げながら天井を突き破って行ってしまった
おそらく地上に向かったんだと思うけど
予想の斜め上を行く事態になったけど結果的に私は自由になれた
さらについてることにこの崩落によって門番が瓦礫に押しつぶされて死んでいたことで鍵も入手できて手錠も外せた
「さてと、後は脱出だけね」
私は急いでこの場から去っていった
――それから少しして――
下水道を歩きながら私は出口を探していた
「出口はどこなのよまったく」
なかなか見つからない出口を探して私は進んでいった
「アレクシア!」
「っ…?」
次の瞬間、自分を呼ぶ聞きたくもない声にうんざりしながら振り返るとそこにはクソ
「探したよ」
「最悪ね。こんなところで鉢合わせなんて」
「私としてはラッキーだったよ。君をこのまま逃がすわけにはいかなかったからね。さぁ、大人しく私と共に来てもらおう。いろいろごたごたしてて立て込んでしまったからね。君を連れ帰って再起を図らないといけないんだ」
「勝手な言いぐさね。あんたの都合に…巻き込まれたくないんだけど!!」
話しを終えると同時に私は斬りかかる
「ふっ!」ガキン!
「ちぃっ!!」
でもこのクソは易々と受け止めてしまった
「いつもよりはいい、だが所詮は凡人の剣だ」
「だったら見てなさい、本当に私が凡人かどうか!!」
すかさず私は魔力を集中させ、全力の一刀を振るう
「姉君の真似事か?こんなものを君が隠しているとは知らなかった」
かすり傷を負わせる程度で大したダメージは与えられなかった…だけど
「何度でも見せてあげるわ!!」
私は再び仕掛ける
「では私も次期ラウンズの剣を見せてあげよう」
「たぁああああ!!」
次こそはと私は突っ込んだ
ジャキィィィン!!
「…っ!?」
しかし私の剣は届かず、後方に吹き飛ばされてしまった
「っ!!」
「ぐっ!?」ザバァァン!!
呆気に取られている私にやつは拳を振るってきた
それによって私は下水に落ちた
「君は姉のようにはなれない…さぁ、一緒に来てもらおう」
もうダメかと思った時だった
「ん?」
「…っ?」
直後、私たちの耳にとある音が聞こえる
カツン、カツンという足音だった
耳をすませば足音がこちらに近づいていることが分かる
やがて足音と共に向こうの暗がりから人影が見えてきた
「漆黒を纏いし者…」
「…我が名はシャドウ、陰に潜み、陰を狩る者」
前に現れたシャドウと名乗る男が私たちにそう告げたのだった