陰の相棒として…   作:ダーク・リベリオン

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剣術大会開幕

[クリスside]

 

 

 

 

 

 

――剣術大会会場内――

 

 

 

 

「「「「「「「「「「「「うおおおおおおお!!!」」」」」」」」」」」

 

 

会場内を包み込むほどの沢山の観戦者の声援が鳴り響く中、僕もその場所にいた

 

 

観客席から試合の様子を眺めているんだ

 

 

 

 

ガシャァァァァァン!!!

 

 

 

 

「……っ」

 

 

「うっ、うぅぅぅ――っ」

 

 

金属と金属のぶつかる音に加えて土煙が舞う

 

 

そしてその煙の中から現れたのは対戦相手を押し倒して首元に剣を突き立てているクレアの姿があった

 

 

「勝者、”クレア・カゲノ―”」

 

 

審判役のジャッジにより勝者であるクレアの名前を叫んだ

 

 

この試合結果を目の当たりにした観客席からは更なる声援が飛び交う

 

 

「さすがクレアさんね!」

 

 

「アイリス様に目をかけられているだけある!」

 

 

「はたしてローズ生徒会長にどこまで迫れるか?」

 

 

声援の中でクレアのことを語り合う声がちらほら聞こえる

 

 

「(正直言って今のクレアならあの2人とも充分に渡り合えるスペックを持っているんだよね)」

 

 

身代わりとなって拉致されたあの日、僕は彼女に悪魔憑きの呪いの解除を施すとともに少しだけ魔力も分け与えておいた

 

 

故に今の彼女ならばローズやアイリスともいい勝負ができるし、なんなら勝利すらできてしまえるだろう

 

 

「…っ」チラッ

 

 

「あっ…」

 

 

考え事をしているとクレアと視線が合った

 

 

「……っ」ニッコり

 

 

僕を見るなりどこか嬉しそうに一瞬笑みを浮かべるとそのまま出入り口に入っていった

 

 

「(あの様子的に僕に試合を見てもらったことが嬉しかったんだろうな?)」

 

 

先ほど見せた彼女の笑みを浮かべる顔を思い出しながら僕は思った

 

 

なにせ昨日急に押しかけてきて試合を見に来るようにと言ってきたもんな

 

 

断ろうものなら原作のシド同様に押しかけ首絞めコース一直線になるだろう

 

 

そんな目に合うのはまっぴらごめんだし、こうして姉の勇姿を見るというのもそれはそれで弟の役得と言ったところかな

 

 

心の中で僕が考え事をしているともう次の試合の番が来たのか生徒たちの熱狂の声が再発する

 

 

クレアの時以上の熱気が会場を包む

 

 

まぁ、でもこうなるのも仕方ない、クレアの次の試合、その対戦カードはもはやわかり切っている

 

 

試合舞台には既にスタンバイしている二つの人影

 

 

我が兄であるシドとこの学園の生徒会長「ローズ・オリアナ」だ

 

 

アレクシアやアイリスと同様に皆が憧れを抱く存在である

 

 

実力は学園でも屈指とされている猛者だ…学園ではね

 

 

「「「「うぉぉぉおおおお!!」」」」

 

 

僕が彼女の事を考えている間に試合が始まった

 

 

「「――っ!!」」

 

 

両者ともに踏み込み間合いを詰める

 

 

本来のシドだったらこの間合いでローズはやられていただろう

 

 

…だけど

 

 

「ぶぅぅぅ!?べしょっ!?」ドドォォォォン

 

 

そこでそうならないのが安定のシドクオリティなのである

 

 

ローズの一撃を受けたシドの身は宙を舞い、地面に勢いよく顔からダイブする

 

 

「しょ、勝者。ローズ・オリアn「まだだ!」えっ?」

 

 

「僕はまだ負けてない!」

 

 

「「えぇっ!?」」

 

 

審判員が勝利者コールをしようとするのを止めると共にシドは立ち上がり剣を構え、再度ローズに向かって行く

 

 

何度も何度も攻撃を食らいながらもシドはローズに挑んでいった

 

 

「(これはあれなのかな?圧倒的な実力を見せる強敵と対峙しつつもけして諦めない主人公の王道パターンを再現してるのかな?)」

 

 

やられては立ち上がり敵に挑むというのは少年誌漫画とかでは王道だしね

 

 

シド的にはそういう感じのモブキャラを演じているという解釈なんだろうけど

 

 

試合を見ながら僕が考察しているとローズが今まで以上に剣に力を込める

 

 

ローズ的には自分を前にどれほど打ちのめされても尚向かってくるシドに対しての敬意の現れなんだろうね

 

 

「――っ!!」バッ!

 

 

次の瞬間、ローズが力みを入れると同時に一気に踏み込み、全力の突きを繰り出す

 

 

瞬く間にシドとローズの距離が縮まり、もはや目前まで迫っていた

 

 

「そこまで!!」バッ!

 

 

「うわっ!?」ザザァァ!

 

 

「――っ!?」

 

 

しかしその直前、審判員がシドに飛びかかり、押し倒すことでローズの一突から守った

 

 

度胸あるねあの人

 

 

「勝者「ローズ・オリアナ」!!」

 

 

ローズの一撃からシドを守った直後、審判員が勝者はローズだということをコールする

 

 

それにより観客席が歓声の声に沸き立った

 

 

「待ってくれ、僕はまだ!?」

 

 

「ダメだ!これ以上は危険すぎる。誰かタンカを持って来てくれ早く!!」

 

 

まだ戦えると言おうとするシドを静止し、審判員が他のスタッフに呼びかけを行った

 

 

「(あの審判員、モブにしては相当有能だよな?)」

 

 

彼の状況判断力と言い、行動力といい、手際の良さといい、名もないモブにしておくには惜しいくらいに有能だなと僕は思っていた

 

 

こうしてシドは審判員が呼んだスタッフたちにタンカで運ばれて強制退場させられてしまった

 

 

シド的には勝負よりも自分が提唱している「モブ式奥義四十八手」の披露がしきれてないことが悔やまれるところか

 

 

などと僕が思っている間にも試合は進んでいった

 

 

そうして試合は順調に進んでいった

 

 

選手たちがしのぎを削る中、ついに試合は決勝戦を迎える

 

 

「「「「「うぉおおおおおお!!」」」」

 

 

会場内のボルテージが今までの比ではないほどに高まりを見せた

 

 

どうしてかって?それは…

 

 

「これよりクレア・カゲノー選手対ローズ・オリアナ選手による剣闘技大会決勝戦を行います!」

 

 

「「……っ」」

 

 

決勝戦にコマを進めたのは我が姉クレア・カゲノーと生徒会長ローズ・オリアナだからだ

 

 

皆も期待する注目の対戦カード、それは観客たちが湧き上がらない理由がないよね

 

 

しかしながらそんな客席の熱気とは裏腹にクレアとローズは静かに相手を見定めていた

 

 

「よろしくお願いいたしますクレアさん。お互いにいい勝負をいたしましょう」

 

 

「えぇ、こちらこそ」

 

 

「そう言えば先ほどあなたの弟さんと当たったのですが大丈夫でしたでしょうか彼は?」

 

 

「気にする必要はありません。アレは体だけは丈夫ですから」

 

 

ん~、朽ちの動かし方からしてだいたい何を言っているのかは想像できるけど、もしそうならシドの扱いが相変わらずひどすw

 

 

「双方、準備はよろしいか?」

 

 

「「はい」」

 

 

「では――っ」スッ

 

 

「「……っ」」

 

 

審判員が右手を挙げると同時にクレアとローズも身構える

 

 

会場内も緊張が走る

 

 

「――はじめ!!」

 

 

「「――っ!!」」

 

 

 

ガキィィイイイイイン!!

 

 

 

開始の合図と同時に沈黙を破るように2人が斬りこんだ

 

 

双方ともに激しく火花を散らす

 

 

それにより会場のボルテージも最高兆へと至る

 

 

「ふっ!!」

 

 

「はあっ!!」

 

 

2人の乙女が剣を携え、熾烈を極めていくのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

※あっ、ちなみに闘技大会の様子はここまで!試合の結果はどっちになったかについては皆さんのご想像にお任せしまーす byクリス

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