[クリスside]
剣闘技大会が行われた日から早翌日を迎えた
学園内では興奮冷めやらぬというのかその話題で持ち切りだったりしていた
「…ふぅ」
そんな生徒たちを他所に僕はいつものカフェゾーンでティータイムをしていた
「うん。美味しい」
「あ、あの…ゴースト様」
「ん?」
僕がコーヒーをいっぷく飲んでいると呼ばれる声に視線を向ける
視線の先には僕と一緒のテーブルに座っているニューがいる
「どうしたんだいニュー?そんな浮かない顔して?」
なんか妙にソワソワしているようだけど
「いえその…無礼を承知で申し上げますが、私なんかがゴースト様とこうして2人きりでお茶をしているが恐れ多くて」モジモじ
あぁ、なるほどそう言うことね
「そんな気にするようなことじゃないよ。それに誘ったのは僕なんだからニューが遠慮することなんか1つもないんだよ」
「で、ですが」
「でもそうだよね。ニュー的には僕よりも一緒にお茶したい相手がいるもんね」
「――な、なななななな、なにをっ///!?」ポッ
見事に顔がトマトみたいに真っ赤になっちゃってるよ
「ごめんね、本当だったらそうさせてあげたいところだけど。今はこっちで動いてもらわないとなもんでね」
「そ、そそ、そんな滅相もございません。我々にとってゴースト様とシャドウ様からの命令は何よりも優先されるものですから///」
ニューったら本当に真面目ちゃんだな~?
「ところで”あの子”も今いろいろ忙しいんだっけ?」
「は、はい…え、えぇぇと、その、今はガンマ様の元、ミツゴシ商会にて多忙な日々を過ごしております///」
今回ニューには学園で生徒に艤装してもらってるけど本来はミツゴシ商会で従業員として働いてるから一緒にいる機会は断然多い
「そっか~。僕がお願いしたばかりにただでさえ一緒にいる時間がないのに離れ離れにさせちゃってなんかごめんね?」
「と、ととと、とんでもございません!?そのようなことおっしゃらないでください!?」
「だって僕がここに召集しなければ本当なら今もミツゴシで一緒にいれた訳でしょ?そう思うとなんだか心苦しいんだ~」
「も、もうゴースト様。あまりからかわないでください///!!」
トマト通り越して湯でタコみたいになってるな
こういう反応してくれるからニューいじりはやめられないな~w
「(さて、それはそれとしてそろそろ本題に動かないとね)」
僕は気持ちを切り替えるべくもう一杯飲むと今までの表情を一転させ、真面目な目を見せる
「ところでニュー。”手筈ず”のほうはどうなっているのかな?」
「――はい。ご命令通りにガンマ様にはご報告を済ませております。現在、指示があるまで隊員たちを学園内に待機させております」
「そっか、ありがとう」
ニューのおかげでガンマへの連絡が早めにできた
「しかしゴースト様、本当に敵がこの学園を攻めてくるのですか?」
「うん。間違いない、実は先日の際に敵の1人を捕まえてね。そいつから今日学園を襲撃するという情報を得たんだ」
まぁ、敵を捕まえて情報を吐かせたってのは嘘だけどね
原作知ってたからって言えないからそれっぽく言ってるだけ
「なんと…我々が掴めなかった情報をいとも容易く手に入れるとは流石はゴースト様です。このニュー、改めて感服いたしました」
「そんな大したことはしてないよ。情報を得たのだって数日前だから結構ギリギリだったわけだし」
「いいえ、短い時間の間に我々に的確な指示を与え、こうして今に至らせている時点でゴースト様の偉大さに感銘を受けております」
そう言ってニューは僕に平伏ていた
「ともかく奴らが攻めてくるとしたらそろそろのはずだ。警戒は怠らないようにね」
「はい、かしこまりましたゴースト様」
僕は最後のいっぷくを終えるとニューに警戒を促しながら次の授業に向かった
ニューと別れてからしばらく、僕は教室で授業を受けていた
先生の行う抗議の内容を聞いたふりをしながら過ごしている時だった
「っ……」ピクッ
複数の気配が近づいている…ついに来たか
そう僕が思った次の瞬間だった
ドンガラガッシャァァァァン!!
勢いよくドアを破壊するとともに黒ずくめのローブを羽織った者たちが侵入してきた
突然の事態に教室中がパニック状態になった
「な、なんだね君たちは!」
「――っ!」シャキン!
「ひっ!?」ビビクン
「うるさい、黙っていろ」
侵入者たちに先生が怒鳴りこもうとするも素早く喉元に剣を突き付けられてしまい、一転して怯えきった表情を浮かべている
「我々は
1人が宣言すると他の奴らがぞろぞと部屋に押し寄せ、教室を取り囲む
生徒たちは訳も分からないまま目の前に起こっていることにただただ恐怖していた
そんな中で僕だけが唯一冷静だった
まぁ、この展開は初めから知ってたから今更驚きようもないって言うのが正しいんだけどね
教室を制圧した輩が捕虜となった生徒たちを体育館に連れて行こうとし、僕も同じく廊下を歩いていた
ちなみに僕は列の最後尾を歩いていた
これは狙ってやってのことだ
「(そろそろ頃合いかな?)」
僕は行動を開始することにした
「ゃだ…」
「ん?おい、なんだ?何か言ったか貴様?」
「いやだぁぁ!死にたくないよ~!」
外に出たと同時に僕は逃げだした
「しまった。一人逃げたぞ!?」
「なにしてる。早く捕まえろ!抵抗するようなら殺せ!」
「おう!まてこら!!」
逃げる僕に慌てながらもそれを追って2名ほど追いかけてきた
予想よりもすくないけどまぁ、別にどうってことはない
そうして逃げ回ること少しして僕は人が来ないような場所にやってきた
「ようやく追いついたぞ」
「なめた真似してくれたな」
あとから遅れて追手がやってくる
今の現状、普通なら後ろは壁で逃げ場もなく、おまけに人気のないとこだから助けもない
「バカなやつだな。必死に逃げた先が行き止まりとは」
向こうもそう思っているようだ
「…いや、これでいいんだよ」
「なに?」
「人目につくとかえって面倒だからね…ふっ」ニヤリ
誰もいないことで僕は演技を辞めて奴らに向けて笑みを零す
「(な、なんだこいつ、さっきまで情けなさそうな様子だったのに)」
男どもが僕の変化に気づいたようで驚いているようだった
「け、けっ!強がったって何が変わるってんだ!ふざけてんじゃねぇぞ!」
もう一人が無謀にも僕に刃を振るう
「あーダメダメ……踏み込みもそれに伴うスピードもまるでなってないね?」
「っ!?」
「ふふっ」
ザシュン!!
「あっ…がぁあっ…」ポタポタ
「っ!?」
鈍い音とともに男の身体から溢れ出る潜血が地面を赤く染めた
その原因は僕が手刀で男の胸を貫いたからだ
男の身体を貫通させた僕の手も赤く染めあがっていた
「これはね、とある昔にいた刀を使えない剣士が生み出した最強の殺人剣術、その技の内の一つさ『
僕はそう囁くように告げると男の身体から手刀を引き抜いた途端、男は絶命し、倒れた
「…さて、次は君の番だね?」
「ひ、ひぃいいいい!?」
おやおや、怖気づいて逃げ出したよ
さっきまでの威勢はどこへやら?
「(あ、あいつ化け物だ!は、速くこのことを知らせて――っ!?)」
逃げ出そうとした男が足を止める
それは何故かって?
「逃がすわけないじゃないか?」
理由は簡単、僕が前にいるからだ
「な、なんで!?さっきまでそこに…っ!?」
驚いた様子で振り返る男だけどそこには死体以外何もない
だってさっきまでいたはずの僕が目の前にいるんだからね
「まだわからない?君はもう、積んでるんだよ?」
「――っ!?」
「君にも食らわせてあげるよ…『
僕は素早く男の目前まで迫りよっていた
そんな僕を見て男は絶句していた
ドブシャァッツ!!
刹那、頭蓋の砕ける音と、肉の飛び散る音が静かなるこの場所に鳴り響くのだった