陰の相棒として…   作:ダーク・リベリオン

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動き出すシドとクリス

[クリスside]

 

 

 

学園がシャドウガーデン(偽)に占領された中、追手の雑魚を始末し、自由になった僕はある場所を訪れていた

 

 

そうしてたどり着いた先には剣で胸から下までバッサリ切り裂かれて倒れるシドがいた

 

 

「(本当は仮死状態で生きてるからどうってことはないわけだけど…)」

 

 

心の中で言葉を呟きながら僕は倒れているシドの心臓の部分に手を当てる

 

 

「………――っ!!」ドォン!!

 

 

「――がはっげはっ、ごはっ!?」ドックン

 

 

僕は次の瞬間、手から衝撃波を発生させる

 

 

直後、それにより心臓が鼓動を開始し、仮死状態だったシドの意識が舞い戻る

 

 

「目が覚めましたか?おはようございます。兄さま」

 

 

「あれ?クリス、なんでここに?」

 

 

「なに、兄さまたちと同じくあいつらに連れてかれそうになったんで一芝居うって抜け出してきましてね。で、校内を散策していたら倒れている兄さまを見つけましてね、見たところモブ式奥義で仮死状態になってると思ったんでちょいと蘇生に手を貸しただけです」

 

 

「ふ~ん。そっか、まぁなんにせよありがとう」

 

 

シドが軽くお礼を言ってきたので僕はそれに対して「いえいえ」と言っておいた

 

 

「で、今どんな状況?モブ式奥義「10分間の臨死体験(ハート・ブレイク)」を使って意識が飛んでたから今一わかんないんだけど?」

 

 

「安心してください。ちゃんと説明しますよ。ただその前に場所を変えておきましょう」

 

 

「うん。そうだね」

 

 

そうして僕たちはその場を後にし、別の場所に向かうのだった

 

 

 

 

 

[シドside]

 

 

 

今僕は10分間の臨死体験(ハート・ブレイク)で仮死状態になっている間に駆け付けてくれていたクリスと一緒に屋上にやってきていた

 

 

「ふぅ~ん。相変わらず魔力が阻害されているみたいだね?」

 

 

「みたいですね?学校を覆いつくしているこの結界のせいですね十中八九」

 

 

まったく、面倒なことをしてくれたもんだね?

 

 

「…人質は大講堂にひとまとめ、ふむ。定石通りだ」

 

 

「さらには警備のほうは全滅、応援の騎士が駆けつけてるけど、何においてもこの結界が邪魔で突入は困難を極めているみたいですね」

 

 

この展開もテンプレとしては悪くないぞ

 

 

「あとは隠れてる生徒がいないかを探し回っているテロリストたちが常に校内をうろついている訳か」

 

 

「多分これは僕が逃げて追手が戻らないのを受けて警備を強くしたんでしょうね?自由になるためとはいえ少し無茶をしすぎたかな?」

 

 

どうやらこの徹底した警戒はクリスが原因らしい、僕は別に構わないけど何も知らないやつからしたら迷惑な話しってところかな?

 

 

でもまぁ、それにしてもこれはこれで面白いシチュエーションだ

 

 

感動的だな、やりたいことリストがまた一つ埋まったよ

 

 

「クリス、こうして屋上から見下ろしているこの絵ずら、陰の実力者って感じがしないかい?」

 

 

僕は高鳴る気持ちを抱きながらクリスにこう尋ねる

 

 

「えぇ、確かにこういう感じ、陰の実力者って感じがする気がしますね」

 

 

クリスも僕の考えに賛同してくれているようだった

 

 

「しかし、それにしてもあいつらテンプレを守るだけでなくそれぞれ創意工夫しているみたいだけど…」

 

 

一点、どうしても見過ごせないところがある

 

 

「美的センスにかける!!」

 

 

この一点がどうしてもoutだと思う

 

 

「クリスも思うよね!?」

 

 

「あ、あはは…まぁ、美的センスもさることながらあんな風に昼間から目立つ黒い衣装に身を包んでいるのはちょっとね」

 

 

「だよね!あんなんじゃ勘違いのクソダサファッションだ!黒いコートを着るなら夜に決まっているっていうのに全くわかってないよあいつら!」

 

 

シャドウガーデンの名を語るだけに飽き足らず美的センスもなってない、まったくもって二流、いや三流もいいところだよ

 

 

「これは夜までじっくりコースかな?」

 

 

そんなことを考えていると唐突に僕のモブ直感が発動した

 

 

メインシナリオが進行していると

 

 

シナリオが最終局面に向かう中、颯爽と現れる陰の実力者。素晴らしいシチュエーションだね

 

 

「兄さま、何か楽しそうですね?」

 

 

「楽しいに決まってるじゃないかクリス。ここからこのシナリオをどんな風に盛り上ゲル化考えるだけでワクワクしてきちゃうよ」

 

 

「ふふっ兄さまらしいですね?…なら、この物語の結末は僕たちで決めてしまいましょう」

 

 

「そうだね」

 

 

僕もクリスもこれから始めようとすることを想像して気持ちもテンションも上がっていった

 

 

そんな時だった

 

 

「ん?」

 

 

不意に僕があるものを視界に入れる

 

 

「(隙だらけの桃色のバカ…って、あれってシェリーじゃん?)」

 

 

視界に映ったのは廊下を駆けるシェリーの姿だった

 

 

不用心だなと思わずにはいられないお粗末な潜伏行動が目に余る

 

 

何をやっているんだか

 

 

「おや、あそこにいるのはシェリー先輩のようですね?」

 

 

クリスもシェリーに気づいたようだ

 

 

シェリーの存在を認知した僕らが注意深く見てみると

 

 

彼女の進もうとしている先にテロリストの一員がいる

 

 

物陰からこそこそと隠れているようだけどバレバレだよ

 

 

「あれで隠れてるつもりなんですかねまったく…」

 

 

呆れたような言葉を呟きながらクリスが結界内でも活動できる範囲でスライムを変形させる

 

 

「――っ!」パシュン!

 

 

 

ブシャッ!!

 

 

 

直後、放たれた矢が射線上の奴を討ちぬいた

 

 

「おー、ナイスショット」

 

 

「どうも」

 

 

軽く拍手を送るとクリスが礼を言ってきた

 

 

「さてと、これからどうする?」

 

 

「…一先ず僕は、兄さまが立ち回れるようにここら一帯の奴らを始末しておきます。兄さまは彼女のほうをお願いします。あのままじゃ危なっかしくて見ていられませんし」

 

 

ほんと、その通りだよね

 

 

「そう?分かった。じゃあ頼んだよ」

 

 

「はい」

 

 

クリスが周りの奴らを始末してくれるということで僕はそのまま行動に移すことにた

 

 

あとのことをクリスに託して僕は一歩前に前進し、屋上の上から飛び降りる

 

 

「(屋上から華麗に飛び降りる僕、やりたいことリスト、もう一つ達成!)」

 

 

僕は落下しながら気分よく下に向かって降りていった

 

 

 

 

[クリスside]

 

 

 

 

おやおや、随分とまぁ大胆だね。原作みたから知ってることだけど

 

 

とりあえずこのまま原作通りにシェリーのことはシドに任せるとして僕の方もそろそろやるとしますか

 

 

心の中で呟きながら僕は学園内を占拠しているテロリストたちに狙いを定める

 

 

「さぁ、”一狩り行こうか”」

 

 

獲物たちを視界に捉えた僕は狂気的な笑みを零したのだった

 

 

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