陰の相棒として…   作:ダーク・リベリオン

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旋律と悲鳴と校舎

[テロリストside]

 

 

 

学園を急襲し、選挙したシャドウガーデンの名を語るテロリストたち

 

 

まだほかに学園の関係者がいないかどうかと校内を捜索などしていた

 

 

「そっちの方はどうだ?」

 

 

「いや、こっちの方は異常なしだ」

 

 

校内を見回っていたテロリストの一員が別の場所を捜索していた仲間と合流し、情報交換を行っていた

 

 

「あらかた探しつくしたし、捕まえた奴らは全員大講堂に監禁したからな、もう残っている奴らはいないだろう」

 

 

「確かにな、あとはボスが探しているというアーティファクトの回収が済めば任務完了ってところか」

 

 

「そして完了したあかつきには大講堂もろとも人質どもを」ニヤリ

 

 

「へへへへへっ」

 

 

目的であるアーティファクトが回収し終えた後のことを想像したテロリスト団員たちは狂気的な笑みを零す

 

 

「ん?」

 

 

「どうした?」

 

 

話しの最中、片方が何かに気づいたように視線を逸らし、もう片方もそいつが見ているほうにへと目線を向ける

 

 

すると2人の視線の先には自分たちのところに歩いてくる仲間の姿があった

 

 

「どうした?何か次の命令が来たのか?」

 

 

近づいてくる仲間にどうしたのかを尋ねた時だった

 

 

「う、ぅぅ――っ」ユラリ

 

 

「お、おい急にどうした!?」

 

 

声をかけた瞬間にまるで糸の切れた人形のように倒れてきたので思わずキャッチしながら声をかける

 

 

「な、なんだこりゃ!?」

 

 

「ど、どうした!?」

 

 

「こいつはひでぇ…っ」アセアセ

 

 

片方が仲間を抱きかかえている間にもう一人が倒れた仲間の背中を見るとそこには鋭利な刃物か何かでざっくりと斬られたのであろう深い傷が刻み込まれていた

 

 

「お、おい。早く手当てに連れていかないと!?」

 

 

「あっ、あぁ、そうだな。そうしよう」

 

 

慌てふためきながらも負傷した仲間を連れて行こうとした時だった

 

 

「…げ……ろ…」

 

 

「「っ?」」

 

 

今にもこと切れそうなか細い声で負傷した仲間が何かをつぶやく声がした

 

 

「どうした、なんだって?」

 

 

ぼそぼそと呟く声に団員の片割れがそっと耳を傾ける

 

 

「に……げ、ろ…」

 

 

「逃げろ?」

 

 

注意深く聞き耳を立ててみるとつぶやかれている言葉が「逃げろ」ということが分かった

 

 

「どういう意味だよ?」

 

 

「そんなこと俺が知るかよ?」

 

 

仲間が呟いた言葉の真意がわからない2人は小首を傾げる

 

 

しかしその時だった

 

 

 

シャリン…シャリリン…

 

 

 

「な、なんだこの音は?」

 

 

どこからともなく聞こえる金属と金属が擦れる音が校内に響き渡る

 

 

「どんどんと…近づいてきてねぇか?」

 

 

耳を澄ましてみると確かにその音が秒を追うごとに近づいているのか大きくなっていた

 

 

「おい。そいつを連れて早く行け!」

 

 

「お、お前はどうするんだよ!?」

 

 

「ここは俺に任せてお前は―「ダメダメ、それは死亡フラグだよ」…えっ?」

 

 

 

ザシュゥゥゥン!…ドサッ!

 

 

 

「ひぇぇぇぇっ!?」

 

 

剣を構え、仲間を逃がそうとする団員の片割れだったが、突如背後から聞こえる声に振り返ろうとしたその瞬間

 

 

斬り裂かれる音に混じるようにして鮮血と飛び出した臓物などがその場を赤く染め上げるとともにその者は事切れて倒れた

 

 

その様子を見ていたもう一人が怯えながら悲鳴を上げるとともに視線を向ける

 

 

するとそこには手の指一本一本に研ぎ澄まされた刃のついた手袋をはめ、こちらに背を向ける者の姿があった

 

 

手袋に付いた刃の部分には団員の片割れを斬った際に付着した血がべっとりとついていた

 

 

「き、貴様何者だ!よくも我が同胞を!!」

 

 

仲間をやられたことにもう一人の団員が憤慨して怒りの声を荒げた

 

 

 

シュン!

 

 

 

 

「なっ、消えた!?」

 

 

だが話しが途切れるタイミングで目の前にいたはずの者が団員の視界からフェードアウトする

 

 

「ど、どこに行きやがった!?」

 

 

一瞬で姿が消えたことに驚きを隠せず辺りをきょろきょろと見回す

 

 

しかしいくら探しても影すら掴めず、テロリストは秒を追うごとに焦りを抱く

 

 

その時だった

 

 

 

ザシュゥゥン!

 

 

 

「ぐあああっ!?」

 

 

「っ!?」

 

 

突如として肩を貸していた負傷した仲間の声が聞こえてきた

 

 

気づいた時には抱えていた仲間は窓際に叩きつけられていた

 

 

見るも無残な姿で

 

 

「ひ、ひぃいいいい!?」

 

 

こんなものを見たものだからテロリストの最後の1人が命欲しさに逃げ出す

 

 

無我夢中で必死になりながら

 

 

 

シャリン…シャリリン…

 

 

 

「――っ!?」

 

 

 

必死に逃げるテロリストの耳に聞こえるはあの金属を擦る音

 

 

「(嫌だいやだ!し、死にたくねぇ!?)」ガタタタ

 

 

未だ聞こえてくるその音にテロリストの心はすっかり怯えきっていた

 

 

テロリストの雑兵が命からがら逃げだしてしばらくのことだった

 

 

ようやく外に出たテロリストの雑兵の前方にこのあたりを見回りを担当している別働隊の面々が見えた

 

 

「ん?…おい底のお前とまれ!」

 

 

向こう側も必死に走っているそいつに気づいたのか声をかけてきた

 

 

「お前は確か校内の見回り班に配属されていた奴じゃないか?」

 

 

「どうしたんだよそんなに慌てて?持ち場はどうしたんだ?」

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…い、いや…その…」ゼェ…ハァ…

 

 

班の違う彼がどうしてここにいるのかを外部探索班のテロリストたちが問う

 

 

だが走りつかれて肩で息しているテロリストはまともに受け答えができなかった

 

 

「まさか嫌気が刺して逃げてきたりとかしてなw?」

 

 

「――っ!!」ガシッ

 

 

「なっ!?」

 

 

「お、おま…ふざけたこと言ってんじゃねぇ!今そんなこと言ってる場合じゃねぇんだよ!」

 

 

「えっ…えぇっ?」アセアセ

 

 

外部探索隊の1人が冗談交じりにそう言うと彼はそいつの胸倉を掴んで怒鳴りつけた

 

 

「お、落ち着け。いったん落ち着けよ」

 

 

「これが落ち着いて!<シャリン…>――っ!?」

 

 

なだめようとするそいつに尚も食ってかかろうとした時だった

 

 

あの音が聞こえてきたのだった

 

 

「ん?なんだこの音は?」

 

 

「金属が擦れるような音がするな?」

 

 

どこからともなく聞こえる音に彼以外のテロリストたちは何だろうと言った様子であたりを見ていた

 

 

さらにその直後だった

 

 

 

ズゥウウウウン!!

 

 

 

「今度はなんだ!?」

 

 

突然彼らは発生した謎のフィールドに包まれた

 

 

 

「あっ…あぁ…に、逃げろ…」

 

 

「ん?」

 

 

「逃げろ今すぐここから!?」

 

 

彼は必死に全員に逃げるように促す

 

 

「何を言ってるんだ持ち場を離れるなんてことできる訳が<ザシュゥゥン!>……えっ?」

 

 

外部探索班の1人が彼の警告を否定しようとした瞬間、突如として鋭利なものが振るわれた音がする

 

 

何が起こった一瞬かわからなかったが、その直後のことだった

 

 

「…あっ…っ……」ボトトトッ

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

「ひぃっ!?」

 

 

1人の身体が刺身を斬ったかのように5枚に卸されてしまった

 

 

そしてそれが惨劇の始まりだった

 

 

 

 

シュン!ザシュシュシュシュシュシュ!!

 

 

 

 

「「ぎゃぁぁああああ!?」」

 

 

 

ズシュッズシャッ!ズゾォッ!

 

 

 

「「があぁぁぁあっ!?」」

 

 

静かだった場が一変、阿鼻叫喚の地獄絵図へと変わる

 

 

「――っ…」アセアセ

 

 

彼を中心に惨劇の宴が開かれる。抵抗しようとした者は次々と体をめった刺しにされ

 

 

怖気ずいて逃げようとする者は背中を斬り裂かれ、背中を合わせて防御陣形を取ろうとした者たちは左右から同時に口に刃物を突き刺されて同時に絶命する

 

 

あまりのおぞましさに彼は失禁してしまっていた

 

 

「た、助けて…誰か助けてくれぇぇぇぇ!!」アセアセ

 

 

恐怖に駆られ、四つん這いになりながらも生にしがみつこうと必死に助けを求める

 

 

だがこんなにも声を上げているのに誰もこない

 

 

「な、なんで、なんでなんだよ!?」

 

 

訳も分からずただ声を荒げる

 

 

「っ…」ポン

 

 

「――っ!?」ガクッ

 

 

しかしその直後、彼の頭から手が乗る感覚が伝わってくる

 

 

「無駄だよ…この空間の中では外部に音が漏れることはないからね」

 

 

「あっ…あぁ…」

 

 

背後から声が聞こえてくるとともに頭に乗る手がゆっくりと指を動かす

 

 

鋭利な刃のついたその指がゆっくり、ゆっくりと頭の上から男を斬りこんでくる

 

 

「や、やめ…やめ…くだ、さい…!?」アセアセ

 

 

彼は涙でぐちゃぐちゃになりながらも必死に命乞いをする

 

 

「…さようなら」

 

 

 

ズシュッ――ズシュッゥゥゥゥン!

 

 

 

 

「ひやぁぁああああああああああ!!!???」

 

 

そんな彼に無情にも死の宣告の言葉が呟かれた瞬間、彼の断末魔の悲鳴が響き渡るのだった

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