陰の相棒として…   作:ダーク・リベリオン

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旋律に震える叛逆遊戯

――大聖堂内――

 

 

 

[レックスside]

 

 

 

俺の名はレックス、「叛逆遊戯」の2つ名を持つチルドレン1stだ

 

 

今俺たちは学園内にある鍵型のアーティファクトを求めてここを占拠している

 

 

大聖堂内には邪魔な奴ら共を捕虜として監禁している

 

 

「学園内の制圧はほぼ完了、外で騎士団の奴らが騒いでいるが話しになんねぇな」

 

 

そうして制圧がほとんど終わったことを俺は俺たちの上司であり、この作戦の首謀者である鎧を纏った奴に報告を入れていた

 

 

「そんなことはどうでもいい、アーティファクトの回収はどうした?」

 

 

たくっ、こっちが現状報告をしているにもかかわらず口を開けばアーティファクトのことばかりだなこのおっさん

 

 

「アーティファクトね~。あのお嬢ちゃんが持ってんじゃねぇの、まっ大体の場所は分かってるから…あん?」

 

 

「貴様の悪ふざけでどれほど計画に支障が出たと思っている?」ギロロ

 

 

「っ!?」

 

 

俺はその瞬間に背筋が凍るような感覚に襲われた

 

 

「お、怒るなってw?」アセアセ

 

 

「次にしくじったら…殺すぞ?」

 

 

やべぇ、大将ったら相当ご立腹だ。このままじゃ命があぶねぇぞ

 

 

「分かった、わかったて、すぐに回収してくるからそう殺気立つなよ」

 

 

ここは大人しく従わないとな。やれやれ

 

 

「あ~そうそう、3stどころか2stまでやられてる。相当な手練れが紛れ込んでいるみたいだぜ。例のあれじゃねぇの?」

 

 

「…シャドウガーデン。ようやく現れたか」

 

 

「みたいだな…まっ、あんたもせいぜい気を付けな」

 

 

大将にそう言い残して俺は与えられたアーティスト回収の任務のためにそれを持っていると思われるあの嬢ちゃんを探しに向かった

 

 

「ふん…この私に気を付けろだと?ようやくすべてが叶う。必ずや私はラウンズに返り咲いて見せる…」

 

 

何やら後ろで大将がぶつくさ言っているようだが正直興味もないから俺はそのままスルーして任務に向かった

 

 

 

 

――学園内 廊下――

 

 

 

大聖堂を後にした俺は数名の部下を連れてあの嬢ちゃんを探しに廊下を歩いていた

 

 

「しっかし、ほんとあの大将人使い荒いよな」

 

 

目的があるのは分かってるけどたかがアーティストのためにここまで大掛かりな事をやっちまうんだからよ

 

 

流石、元ラウンズ様の考えていることはよくわからないもんだぜ

 

 

「ともかく、さっさとあの嬢ちゃんからアーティファクトを回収して戻らねぇとな、じゃなきゃ俺たちの首が飛んじまう」

 

 

「「「「――っ」」」」ビクッ

 

 

俺のその言葉を聞いた部下たちが怯えた様子を見せている

 

 

だろうな、さっきまで俺もそんな感じだったもんな

 

 

そうして俺たちはあの嬢ちゃんから所持しているだろうアーティファクトを回収するために廊下を進んでいく

 

 

曲がり角に差し掛かった俺たちはそこを曲がった

 

 

「ん?――っ!?」

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

しかし曲がり角を曲がった直後俺たちの視界に入ったのは騒然とした光景だった

 

 

「な、なんだよこれ!?」

 

 

少し前までとっていた廊下は何事もない綺麗なものだった

 

 

だが今、目の前に映るのは辺り一面に血と物言わぬ肉となって横たわる部下たちの姿があった

 

 

「うっ…うぅ――っ」

 

 

すると死体ばかりのその場所に生存者らしき奴がいた

 

 

「お、おいどうした。いったい何があった!?」

 

 

俺たちはすぐさまそいつに駆け寄るとこの惨状についてを問うた

 

 

「に、にげ…にげ、ろ――っ」

 

 

「あん?」

 

 

「あ、あぁ、あいつに…捕まるまえn…――っ」ガクッ

 

 

「お、おい!?」

 

 

何か意味不明なことをぼやいていたが力尽きて死んじまいやがった

 

 

「くそっ、一体何がどうなってやがるんだ?」

 

 

この状況、さっぱり分からねぇぞ

 

 

そんなことを俺たちが思っている時だった

 

 

 

 

シャリィ~ン…シャリィ~ン

 

 

 

「な、なんだこの音は?」

 

 

突然どこからともなく金属音が聞こえる

 

 

何が起こっているのかと困惑していた

 

 

「れ、レックスさまあれを!?」

 

 

「あん?」

 

 

部下の1人が指さす方を見るとそこには1人の男が背を向けて立っていた

 

 

「(な、なんだあいつ、おかしい。さっきまで前方には誰もいなかったし、気配も感じなかったぞ!?)」

 

 

いつの間にか目の前に立つ男に俺の警戒心はMaxだった

 

 

すかさず俺は得物を手にし、それに続くように部下たちも武器を構える

 

 

「おい、テメェ何もんだ!」

 

 

すると背を向けていた男がこっちに視線を向ける

 

 

男はここの生徒とみられる10代の小僧で顔には眼鏡をかけていた

 

 

「こいつはお前がやったのか答えやがれ!」

 

 

俺は男に対して矢継ぎ早に質問を投げかける

 

 

無論こいつが犯人であることは明白だ

 

 

奴が手にしている刃のついた奇妙な手袋には部下たちを斬り裂いた時に付いたと思われる血が付着していたからだ

 

 

「……っ」スッ

 

 

「――っ?」ピクッ

 

 

「…――っ」ニヤリ

 

 

すると奴がおもむろに右の手の甲でメガネをかけ直した

 

 

メガネの向こうから見せた目は俺らをなめくさったような感じだった

 

 

「や、やろぉ!」

 

 

その態度が俺のプライドを刺激した

 

 

こいつは生かしちゃおかねぇという殺意がこれでもかと湧き上がってきやがる

 

 

「野郎ども、このクソガキをぶち壊すぞ!」

 

 

「「「「はっ!」」」」

 

 

俺の命令を聞いた部下たちが攻め込む準備を整える

 

 

次の合図で一斉にかかってあの舐めた野郎を完膚なきまでに痛めつけて殺してやる

 

 

「死ねこのクソガキィィィイイイ!!」

 

 

部下たちとともに一斉に目の前のガキに突っ込んだ

 

 

一瞬にして間合いを詰めた俺たちが野郎に得物を突きつける

 

 

 

シュィン!!

 

 

 

「なにっ!?」ザザァァァ!!

 

 

だが次の瞬間に野郎の姿が俺たちの視界から消えた

 

 

「ど、どこに行きやがった!?」

 

 

急いで俺たちは奴を探す

 

 

「…――っ!」クルッ

 

 

その時、俺の野生の勘が背後に気配を感じ、振り返るとそこには奴がいた

 

 

 

シャリリン…シャリリン…シャリリン…シャリリン…

 

 

 

「なんだ。何してやがんだあいつ?」

 

 

なにやら体をゆらゆらとさせた奇妙な動きをしてやがる

 

 

身体を揺らすごとに腕についている刃物が音を立ててやがる

 

 

「野郎、どうやったか知らねぇが妙な小細工を使いやがって、大人しく死にやがれ!!」

 

 

俺は再び野郎に向かって行く

 

 

「(今度は不覚を取らねぇ、今度こそ殺す!)」

 

 

奴を仕留めようと俺は意気込んで突っこんだ

 

 

「…――っ!」ギロリ

 

 

「――っ!?」

 

 

その時、奴が視線を向ける

 

 

まるで刃のような鋭い視線を

 

 

だが俺は臆することなく斬りこんだ

 

 

 

シュン!

 

 

 

「またか!?」

 

 

しかし刃が触れる直前に奴がまた視界から消える

 

 

「どこだ!」

 

 

逃がすまいと目を向けるも今度は奴の姿すらない

 

 

「奴は…奴はどこに!?」

 

 

尻尾を掴めないことに苛立ちを覚えている時、不意にそよ風が吹く

 

 

 

 

ザシュゥゥゥン!!

 

 

 

 

「ぎやぁあああああ!?」

 

 

「なっ!?」

 

 

次の瞬間、部下の1人がいきなり切られた

 

 

「い、いったいなにg――<ズシュッ!!>ごふぉっ!?」

 

 

間髪入れずにもう一人が斬られる

 

 

 

ガリィィッ!!

 

 

 

「こ、今度は壁!?」

 

 

直後、俺の横の壁に斬られた跡ができる

 

 

「ひゃぁあっ!?<ザシュゥゥゥン>――ぶふぉっ!?」

 

 

「はぁはぁはぁはぁはぁっ!?<ズシュッ!>――ぎゃぁぁあああ!?」

 

 

あっという間に部下どもが全員斬られてしまう

 

 

 

シュィン!

 

 

 

「――ぐぅっ!?」ズシュッ!

 

 

その直ぐ後だった

 

 

俺は咄嗟に得物で防御をした瞬間に左肩を斬られてしまう

 

 

「や、野郎!このぉぉっ!このこのこのこの!!」

 

 

斬られたことに焦りと怒りを覚え、辺り構わず刃を振るう

 

 

だがそんなもの、当然当たらない

 

 

 

ブシュッズシュッザシュゥ!!

 

 

 

「ぶっ――っごふぁっ!?」

 

 

それどころかその隙を突かれて俺の身体はどんどんとズタズタにされてしまう

 

 

 

シュン!ズシュゥゥゥゥゥゥゥ!!

 

 

 

「があぁあああああ!?」

 

 

次の瞬間、動きの鈍った俺の腹に奴の爪による切り傷が深々と刻まれた

 

 

俺はそのままの勢いで廊下に倒れる

 

 

「な、なんなんだ…こりゃっ!?」

 

 

1stである俺が何もできないまま廊下に血まみれになって倒れているという現実を直視できず、夢でも見ているんじゃないかと動転してしまう

 

 

 

シャリリン…シャリリン…

 

 

 

だがその直後に聞こえるその金属音はもはや俺にとっては恐怖を与える音となっていた

 

 

そして音のすぐ後に野郎が倒れている俺の顔を覗き込む様子が視界に映る

 

 

野郎は不気味に輝くメガネを手の甲でかけ直しながら不適切な笑みをこぼす

 

 

奴のその笑みは俺の恐怖心をさらに搔き立てるのに十分なほどだった

 

 

「や、やめ…やめてくれ」

 

 

死を感じた俺は命乞いをする

 

 

「――っ」

 

 

しかし奴は効く耳を持たないのか指に付いた五本の刃を均等に突き立てる

 

 

「…――っ!!」シュン!

 

 

 

ズシュッ!!

 

 

 

「ぎゃぁぁあああああああああ!!??」

 

 

その直後、廊下中に響き渡る程に叫び声をあげると同時に俺の意識は闇へと消えた…

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