[アルファside]
数日前に強襲したディアボロス教団の拠点にて私たちはイプシロンの働きによって悪魔憑きであったラムダの解呪に成功する
シャドウガーデンの一員となってくれたラムダの働きにより加入した構成員たちは腕をめきめきと高めていった
けれどそれと同時にある問題も発生していた
今私はラムダと2人で話し合いをしていた
「ですのでこれ以上ナンバーズが増えるとなれば十分な訓練スペースを確保するのにも一苦労かと」
深刻そうにラムダが私に報告を入れる
そう、私たちが直面しているのは構成員が増えすぎたため、居住スペースを含む様々なものが不足しているという問題だった
「ラムダ、確かにあなたの言う通りよ。私もその点は懸念していたわ。デルタやイータたちからも同じく意見を聞いてるわ」
「はい。しかしながらことはそう簡単なことでもありません。いかがいたしましょうか…」
「無論手は打ってあるわ。今ゼータが新しい居住場所になりうるであろう場所の情報を集めてくれているわ、今日中には戻るよう連絡をつけているから話しはそれを待ってからといったところね」
「なるほど、分かりました。では私はそろそろあいつらに訓練をつけてきますので、ご報告をお待ちしております」
ラムダはそう言い残すと訓練所に戻っていった
「…はぁ、問題が山積みね」
1人になった私はがっくりとしながら背もたれにもたれかかる
いろいろやることが多すぎて大変だわ
私は一人ぼそりと愚痴をこぼすのだった
――それからしばらくして――
居住の問題を抱える中、ようやくゼータが戻ってきたので私たちは早速七陰全員で会議を行っていた
「それでゼータ。首尾の程は?」
「時間をかけさせてもらった分、よさげな場所を見つけることができました」
「いいお家…どこ!?」
ゼータが場所に目星をつけたと聞いて七陰たちが期待に胸を膨らませる
「ゼータ、そのよさげな場所はどこなのかしら?」
「…古都アレクサンドリア」
「古都?聞いたことありませんね?」
彼女の語る古都アレクサンドリアという聞いたことない場所の話しに私とゼータ以外の七陰がざわめきだした
「なるほど、古都アレクサンドリアね。ゼータ、いいところを見つけてきたね」
「「「「「「っ!?」」」」」」
「この声は…っ!」
突如会話に入る声に私たちが視線を向ける
するとそこにはいつの間にか会議に混ざっていたクリスがいた
「クリス?」
「クリス様(なのです)!?」
「サブマスター…」
「やぁみんな」
驚く私たちを他所にクリスは手を振っている
「…いつの間に来ていたの?ていうか隠密スキルで気配を消してくるのやめてくれないかしら?心臓に悪いのだけれど?」
「ごめんね、みんながあまりにも集中していたものだからね。それよりも話しを戻そう、古都アレクサンドリアに目をつけるとは流石だよゼータ」
「…あ、ありがとうクリス様///」
褒められたことでゼータは嬉しそうに耳や尻尾をぴくぴくさせていた
「ちなみにみんなはこの場所について知ってるかな?」
クリスが私たちに質問を投げかけてきたけれど
「私はあまり…ほかのみんなは?」
質問を質問でかえすように私も古都について知ってるか皆に聞いてみる
「たしか聖地リンドブルムのさらに東にある「深淵の森」の奥にあるとされる古代の伝説に出る都市だと本で読んだことがあります」
するとここでベータがその場所についてを語る
流石博識ね
「ですがあくまでもそれは言い伝え程度の話しで、しかも深淵の森に至っては一度入れば二度と出ることができないとされる場所だと聞いておりますが…」
「だけど誰にも邪魔されない場所としては適任のはずよ。仮に古都がなくったって拠点候補としては最適だと思うけど?」
「それはそうかもしれないけど」
不確定要素がぬぐいきれないベータにゼータは有用性を説こうとする
「安心してベータ。”古都はあるから”」
「「「「「「えっ?」」」」」」
その不安を払拭するかのようにクリスが断言する
古都があると
「待ってクリス。古都が本当にあるというあなたの根拠は何なの?」
「ゼータの情報と、あとは直感さ」
「ちょ、直感…」
突拍子もない回答に開いた口が塞がらなかった
「アルファだって知ってるでしょ?僕の直感は結構当たるの」
「…っ」
そう言われて私は言葉に詰まった
確かに彼のその直感はあながち無視できない物が多い
現に私とシャドウがクリスと共に悪魔憑きを探し回っていた頃
今の七陰の他全員を見つけ出せたのは彼の感知魔法と直感だった
故にバカにできないのがこれまた回答に困るところだった
「そうね。確かにあなたの言うことも一理あるかもしれないわね」
「でしょ♪」
嬉しそうな顔しちゃって、まったくそういうところは
「とどのつまりクリス様の言うことが事実であるのであれば古都は存在するということになりますね?」
「だから言ったじゃん。だからこそその古都に行くためにも深淵の森を抜けるための準備が必要ってことだね」
確かにゼータの言う通りね、仮にも一度入れば出られないとされる深淵の森に出向くのであればそれ相応の準備が必要となるわ
「…話しは纏まったわね。ではゼータとクリスの言う通り我々は新たなる居住場所確保のため深淵の森にあるとされる古都アレクサンドリアに向かうわ。各自必要な準備を整えるように!」
「「「「「「はい!」」」」」」
「は~い」
古都アレクサンドリアに行くことが決まったことにより私は皆に準拠を整えるように指示を出し
私の指示に従い、七陰たちは古都アレクサンドリアに向かうためのの用意を始めだした
「わ~い、みんなで「ピクニック」ってやつをやるのです~♪」
役一名、若干内容を勘違いしている子がいるけど今は放って起きましょう
「さて、私も準備に取り掛かるとするわ」
皆が準備する様子を見届け、私も自分の準備のために動くことにした
「楽しみだな~♪」
いや、もう一人いたわ、浮かれてる人が
「…クリスあなた妙にご機嫌ね?」
若干頭を抱えながら私はクリスに声をかけた
「ん、そうかな?」
「さっきの直感もそうだけどあなたがそんなにウキウキしている時って大抵何か厄介なことがある前触れなんじゃないかって思うのだけれど?」
「え~?そんなことないよ~」
「…ならいいけど」
会話を途切った私だけど正直不安が拭えない、これまでも彼がウキウキしている時に限って厄介ごとが起こっていたから
「(本当、兄弟揃ってつかみどころが分からない人たちね)」
心の中で呟きながら私はその場を後にするのだった