「んふふふぅ〜! アラタくん好き〜〜!」
「はい。ボクも大好きですよ、アイさん」
「〜〜〜〜〜ッ♡♡♡♡!!!」
とあるCM撮影の休憩中。俺──錦木アラタは、恋人であり、生涯を共にすると誓った想い人である星野アイさんと抱き合いお互いの成分を補充し合っていた。
「アラタくん。ちゅーしよ?」
「良いですよ。ですが軽めでお願いしますね?」
「はぁい♡」
アイさんの唇が俺の唇に触れる。
「ッ!?」
次の瞬間、口内に舌が侵入してきた。
「んっ…! んちゅ…! んぁっ…! ァ…ィ…さ…!」
1秒か、5秒か、10秒か、30秒か、1分か。それはお互いの息が荒れるまで続いた。
「ハァ…ハァ…アイさん…! 軽くって…! 言ったじゃないですか…!!」
「ふふッ。ごめんごめん。アラタくんが可愛くってさ〜。ちょっとイジワルしちゃった」
この人は…! こっちの気も知らないで…!! 仕返ししてやる!!
「もう! アイお姉ちゃんのバカ!」
「ッッ!?」
プププッ! 面食らってる面食らってる! どうだ! 偶にしかやらない俺のお姉ちゃん呼びは! これで俺を揶揄ったことを少しは反省──ッ!?
気が付けば、俺はソファの上に倒されていた。目前には、ハァハァと息を荒げ、顔を紅葉させているアイさんの姿。
「ハァ♡ハァ♡アラタくん♡大好き♡♡もっと言って♡♡もっと私を愛して♡♡」
「アッ!? アイさんッ! ここ楽屋ですよ…!? それは帰ってから…!」
「ダメ♡待てない♡無理♡それじゃ、いただきまー」
再び、俺とアイさんの唇が触れ合おうとしたその時だった。楽屋の扉がコンコンコン、とノックされた。 アイさんは急いで俺から離れ、俺も少しはだけた服を元通りにする。
「うぉーっす。ん? なんだアイも居たのか」
「チッ…なぁんだ佐藤社長か〜! ビックリしたよ!」
「おい待てクソアイドル。お前今舌打ちしたか?」
「したよ? 私今アラタくんとイチャイチャしてたんだよ? めっちゃ良いところだったのになんで邪魔したの? 早く出て行って?」
「こんのっ…! おいアラタ!! お前の彼女だろうが!! ちゃんと叱れ!!」
「分かりました。アイさん。この方は一応俺らの社長なんですから、そんな無碍に扱っちゃダメですよ」「分かった!!」
まるで犬を躾けるように、頭をゆっくりと撫でながらアイさんに言うと、幸せそうな表情と共に頷いた
「ハァ…お前らホンット…良いか? しつこいようだがもう一度言っておく。この関係を絶対に外にバラすんじゃねぇぞ? 14歳の現役アイドルと8歳の子役が恋愛なんて世間に知られたら、俺もお前らも揃って地獄行きなんだからな!」
「はーい。分かってるよ社長。ねぇ〜アラタくん」
「はい。少なくともアイさんを一生養う金が稼げるまでは口外しません」
「ねぇ聞いた佐藤社長。私の彼氏イケメンすぎない?」
「おう。取り敢えずナチュラルにイチャつくの辞めろや。砂糖吐きそうだわ。あと俺の名前は斉藤だ!」
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「ねぇアラタくん。今日の晩ご飯何?」
「今日はハンバーグですね。チーズインにも出来ますがどうしますか?」
「じゃあお願い!」
CM撮影を終えて自宅に戻ってきた俺は、時間も時間なので急いで晩御飯を作り始める。 アイさんはそんな俺を背後から抱きしめて、料理風景を眺めている。
眺めている…だけなら良いんだけど!
むにっ…
(むっ…! むむっ…胸がぁ…!! 当たってる!! 柔らか…! って違う!! 料理!! 料理に集中せねば!!)
頭の中の煩悩を振り払いつつ、料理に集中。ひき肉の中に牛乳やら玉ねぎなんかをぶち込んで、ひたすらにこねてこねてこねまくり、中にチーズをぶちこんでかは形を軽く整えてフライパンの上に乗せる。
「おぉ! 良い感じだねぇ」
「っ…! そ、そうです…ね!」
胸!! 胸!! 胸がぁ…!! し、指摘しないと!! 胸当たってるって指摘しないと…! で…でも…!!
「ねぇアラタくん」
「ひぅっ!!」
耳元で囁かれ、思わず肩がビクン! と跳ねた。 アイさんの抱きしめの力が強くなり、完全に身動きが取れなくなってしまった。
「そんなに気持ちいい? 私のおっぱい」
「ぁ……ぁぅ…」
バレてた…! 変態だって思われた!! 料理中に興奮する変態だって思われた…! あぁもう死にたい…!!
「ご飯食べたらさ、一緒にお風呂行こっか。そこでたっぷりお仕置きしてあげる♡」
「………はぃ……」
その後のことは──ご想像にお任せするとしよう。